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「私たちはAIと融合し、生物学が私たちに与えた計算力を何百万倍にも増強することができる。これにより、私たちの知能と意識は非常に深く拡大し、理解することが難しいほどになる。これが私がシンギュラリティと呼ぶ出来事である」 ––レイ・カーツワイル「The Singularity Is Nearer」より

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かつて知識人とは、人より多く読み、人より深く理解する存在だった。しかしAIは、その前提を根底から崩している。人間が一生かけても読み切れない量の論文を、機械は一瞬で探索し、要約し、組み合わせる。知の競争は「誰が知っているか」から「誰が使えるか」へ移った。 ひろゆき「現段階でも、CellとかNatureに載ったすべての論文のデータベースを検索してAIが答えを出すし、毎年出てくる論文すべてを読むことも可能になってしまっているので、最先端の情報を一番多く持っているのは今、機械なんですよ。その機械が出してくるものを人間が見て、「そういう感じか」となる時代なので、機械よりも賢い人間というのはもう不可能になった、というのは事実です。 論文を発表するのは人間なんですけど、発表される論文というのが年間に10万本とかになるんですよ。ちゃんと読み込んだら、人間は1日やっぱり10本ぐらいしか読めない。これは体力の限界というか、人間の限界です。それを超えることが機械だからできるんです。なので、人間の体力では機械を超えることができないというのは、もう事実としてあるんですね。 まず、専門の領域の論文をすべて読まないと先に行けない。コンピューターサイエンスのエンジニアが、物理の学位は持っていないけれど、物理の論文をAIに読ませまくって論文を書かせ、業界誌に論文を載せたんですよ。書いてある内容は本人もいまだに分かっていない。でも、それっぽいものをちゃんと書いて、査読も通ったんです。そういうことが可能になっている時に、人間のオリジナリティで頑張るより、機械に任せた方が論文を書ける、ということはもう証明済みなんです」

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「数学はもう終わりだ」——研究レベルの問題が、AIによって毎月1%ずつ侵食されている。数学は、人間の抽象思考の頂点の一つだった。人類が最も誇ってきた知的領域に、機械知能が持続的に踏み込んでいるということだ。この曲線が続くなら、発見の主体は根本から変わる。 アレクサンダー・ウィスナー=グロス「2つ目のポイントですが、これらの中で私が最も重視しているベンチマークはFrontier Math Tier 4です。Frontier Math Tier 4は、たしか新年に賭けまでしたもので、今年の後半にもう一度見直す必要があると思いますが、AIが数学におけるプロレベルの研究問題を解ける能力を測る、最良の代替指標の一つです。 そこで何が起きているのか。GPT-5.4 Proから5.5 Proにかけて、およそこの2カ月で約2%の飛躍が見られます。これは何を意味するのか。フロンティアAIによる研究レベル数学の能力が、現在、月あたり約1%向上しているということです。そして、Frontier Math Tier 4の問題のおよそ半分が解かれるところに近づいています。 ここから外挿すると、現在のペースがそのまま続くだけでも——そして私はそうはならない、つまり加速すると断言しますが——現在のペースだけで見ても、今後4〜5年でFrontier Math Tier 4のほぼすべて、つまりプロの研究レベルの数学問題が解かれることになります。つまり、数学はもう終わりです。 もう一度言います。数学はもう終わりです。他にも終わりつつあるものはたくさんあります。しかし、物事はあまりにも速く進んでいて、月ごとに見ても、最難関のベンチマークが毎月1%ずつ上がっているのが確認できるのです。だから、もう長くはありません」

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OpenAIの未公開モデルが、エルデシュの離散幾何の予想を反証したという。面白いのは、これが「力任せの計算」ではなかったことだ。AIは奇妙で筋が悪そうな可能性まで追い、その中から突破口を見つけた。これは数学版の、AlphaGo「37手目」に近い出来事だ。 アレクサンダー・ウィスナー=グロス「これは、組合せ論に関わるからといって、たとえば四色問題のようなものではありません。四色問題とは、二次元の地図があるとして、隣り合う二つの国が同じ色にならないように各国を塗り分けるには、最小で何色必要か、という問題です。 数学の組合せ論には、四色問題のように、AIによる網羅的な探索で解かれがちな問題があります。そして数学者などは、そうした網羅的な総当たりの解法を見て、「なるほど、AIはより網羅的なのかもしれない。総当たりは得意なのかもしれない。しかし人間的なひらめきはない。創造的な飛躍はない」と言うわけです。 しかし、これはそういう問題ではありません。この問題では、この特定分野を専門とする世界トップクラスの数学者たちが、その推論過程を見て、AIはある意味で速かっただけではなく、さまざまな理論的アプローチを総当たりできただけでもなく、実際により賢かったと結論づけています。 ただし、その賢さは興味深い形のものでした。ある解説では、この予想を解く、正確には反証するために使われた推論の流れについて、OpenAIのウェブサイトに掲載されている複数のプロの数学者によるコメントをぜひ読んでほしいと述べられていました。その中には、推論過程を見ると、AIが人間なら疲れ果てて追いかけないような、いわば奇抜な可能性をあらゆる方向に追求していたことが分かる、という興味深い指摘がありました。 つまりAIは、より速いだけでなく、非常に突飛な可能性を大量に総当たりできることによって、ある種の創造性に到達していたのです。 そして最終的に、その可能性の一つが解につながりました。その解に至った推論過程の言葉は、たしか「楽観的に考えれば、これを追求すれば何かが起こるかもしれない」といったものから始まっていたと思います。そして、それが実際に解になったのです。 AlphaGoが李世ドルとの対局で見せた有名な「37手目」を思い出すなら、囲碁の推論木を、総当たりしつつも、学習された巧妙な方策探索によってたどることができたわけです。私たちは今、それと同じことが数学で起こり始めているのを見ているのです」

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「AIが賢くなると人は暇になる」と一般には言われる。けれど、少なくともエリート層は逆だ。答えが秒速で返るほど、次の問いを立てるのも、意思決定を下すのも人間になる。ボトルネックは計算から人へ戻り、より忙しくなる。加速の時代に問われるのは、処理能力ではなく、判断の速度と質だ。 ジェンスン・フアン「私の場合、自分がやっていることよりも、それぞれの仕事において私より優れている人たちに60人も囲まれて働いています。多くの意味で、彼らは各分野において、私にとってほとんど人工超知能のような存在です。それでも私は、彼ら全員と問題なく一緒に仕事ができています。 だから将来も同じで、いま使われているOpenAIやGeminiやGrokなどのAI、私が使っているPerplexityやAnthropicなど、こうしたAIはそれぞれのやり方で、すでに私より賢い部分があります。それでも私は、毎日問題なく彼らと一緒に仕事ができています。まず一点目はそれです。 ただ、本当に面白いのは、私がチームに取り組んでもらう問題を定式化するとき、彼らが答えを見つけたり、答えをまとめて私に返したりするまで、たいてい2日や3日、あるいは4日待てるという利点があることです。その待ち時間があるからこそ、私は次のステップを考えられます。そして次のステップを考えるには、中間的な答えが戻ってくる必要があります。 では、その答えが基本的に1秒で返ってきたらどうなるでしょうか。これが思考実験です。そうなると、私の一日はとてつもなく忙しくなります。なぜなら、私自身があらゆることのクリティカルパスになってしまうからです。だから私は、『よし、これの答えが出た。なら次はこれを考えなければならない』と進めていくことになります。さらに別の実験を立ち上げなければならない。そしてその答えが出たら……という具合です。私は、情報技術がいまのほうが速いからこそ、私たちは今日すでにより忙しくなっていると感じています。そう思いませんか。 いま私たちは、情報や知識、答えを非常に速く得ています。その結果、私たち自身がクリティカルパスに置かれます。だからこそ、これまで以上に忙しいのです。多くの人が同じように感じるようになる気がします」

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日本ではDXが「既存企業へのデジタル導入」に言い換えられた。AIでも同じように、破壊的な変化が「既存企業へのAI導入」に矮小化されようとしている。しかし本当の変化は、古い人事制度や組織階層を抱えた企業の外側から来る。AIネイティブ企業は、改善ではなく置換を狙ってくる。 中島聡「既存のビジネスがデジタルネイティブな企業にとって破壊されることをDXと呼んでいたんです。だから既存の書店がAmazonによって破壊されるのがDXであって、既存の書店がデジタル機能を取り込むことをDXとは呼ばないんです。 それが根本のDXだったのに、残念なことに日本のIT業界の人たちにとってみると、「DXというのはデジタルネイティブな会社が既存の会社を潰すんだよ」って話だと全然商売にならないので、彼らが「DXというのはデジタル機能を既存の企業に取り込むことですよ」に変えたんです。なのでそのDX特殊が日本のIT産業に起こったんですけど、根本的にそのDXの発想から言うとおかしいわけです。DX特需なんて起こるべきじゃないわけで。 多分AIもこれと同じことが起こると思っていて、例えば僕から見るとAIXっていうのはものすごい少人数で、AIを使いこなせる人たちだけが集まった会社が、既存の3000人とか1万人とかいる会社がやってる仕事を3人プラスAIでやってしまうみたいなコスト的なアドバンテージとかスピードで、既存の企業を滅ぼすのがAIXなんですよね。だけど、当然だけど日本のIT業界の人たちにとってはその話は都合が悪いので、「AIを既存の企業に導入するのがAIX」っていう言葉に変えてくるわけで。 今までのしがらみを持ってない新人、特にAIを会社に入る前から使いこなしてた人たちっていうのは、ある意味AIネイティブな世代かもしれないけど、それを雇ったところで、その会社のそもそもの人事システムだったりが古いと、本当の意味のAIネイティブな会社とは戦えないと思う」

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すでに人間は共感力でAIに負けているが、人々はAIだと知らされると評価を下げてしまうという話。あなたはAIの優しさを受け入れますか。 アダム・グラント「私がこれまで読んだ中で特に興味深い実験があります。それは、テキストでの会話をしているとき、相手が人間かChatGPTかわからない状態で、 その後に『どれだけ自分のことを理解してもらえたか』『どれだけ話を聞いてもらえたか』『どのくらい共感やサポートを得られたか』を尋ねると、実は人間よりもAIからの共感やサポートの方が多く感じられるという結果が出ているものです。ただし、AIだと事前に知らされると、途端に評価は下がります。心理学者としてこの実験結果を見て、私はいくつか感じることがあります。一つは、AIが特別に共感能力に優れているというよりも、人間の共感能力がそもそも低いという可能性です。我々人間はしばしば『会話的ナルシシズム』に陥り、誰かが問題を語ったときに相手に寄り添うよりも、自分自身の経験に関連づけてしまう傾向があります。つまり、この結果は人間の共感力のベースラインが低いということを示している可能性があります。一方で、AIだと分かれば拒絶感が生まれるというこの反応も、AIをより人間的に、擬人化するにつれて、どのくらい長く続くのだろうかと疑問にも思います」 アルトマン「まず、一般的な概念として、人はAIが生み出したものを、AIだと知らされない間はむしろ好む傾向があり、AIだと知らされると途端に拒否感を示すという現象について話します。この現象は繰り返し確認されています。最近見た研究では、AIアートを最も嫌うと自己申告している人々でさえ、作品を匿名で見た場合、実際には人間の作品よりもAI作品をより多く選んでいることが明らかになっています。しかし、どれがAI作品でどれが人間の作品かを知らせた瞬間に、その評価は一変してしまうのです」

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年収50万ドルのエンジニアが、年間25万ドル分のトークンを使っていなければ危機感を覚える——この感覚は、多くの人にとって極端に見えるだろう。だが、CADなしで半導体を設計しないのと同じように、次世代の知識労働はAIを外付けの補助輪ではなく、思考そのものの拡張器官として使う段階に入っている。 ジェンスン・フアン「ちょっと思考実験をしてみましょう。仮に、年収50万ドルのソフトウェアエンジニアやAI研究者がいるとします。そういうことは実際にしょっちゅうあります。その年収50万ドルのエンジニアに、年末になったら私は『トークンにいくら使いましたか』と尋ねるでしょう。そこでその人が『5,000ドルです』と答えたら、私は本気で驚きます。年収50万ドルのエンジニアが、少なくとも25万ドル分のトークンを使っていなかったら、私は強い危機感を覚えます。これは、うちのチップ設計者の一人が『私は紙と鉛筆だけでやります。CADツールは必要ないと思います』と言うのと何も変わりません」 ——「これは、こうしたスター級の社員をどう捉えるかという点で、本当にパラダイムシフトですね。NBAでレブロン・ジェームズが、自分の身体の健康維持のためだけに年間100万ドルを使い始めたときに、私たちが学んだことを思い出します。彼は41歳になった今でもプレーしています。つまり、こうした卓越した知識労働者たちに、なぜ超人的な能力を与えないのか、という話なのです。その先には何があるのでしょうか。2〜3年先まで外挿すると、NVIDIAにいるそのスター級人材の生産性はどうなっていて、彼らは何を成し遂げられるのでしょうか。どのような姿になるのでしょうか」 フアン「まず、『これは難しすぎる』という発想は消えます。『これはすごく時間がかかる』という発想も消えます。『たくさん人が必要になる』という発想も消えます。これは前回の産業革命のときと何も変わりません。『あの建物はずいぶん重そうだな』などとは誰も言いません。『あの山は大きすぎるな』などとも誰も言いません。大きすぎる、重すぎる、時間がかかりすぎる——そうした考えはすべて消えていくのです」 ——「最後に残るのは創造性だけですね」

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Claudeの安全責任者が「世界は破滅に向かう」と言い残して辞任した。これはSF的な誇張ではなく、開発現場から見た実務的な不安として語られている。社会は未準備のまま、極めて高性能なモデルの到来が近づいている。離陸は当初想定より速いかもしれない。時間軸そのものが圧縮されているのだ。 ——「Claudeの安全責任者、ムリナンク・シャルマ氏の劇的な辞任について、どう見ていますか? 追っていたかは分かりませんが、かなりニュースになっていました」 サム・アルトマン「何か少し聞きました。ええと、辞任して、『もう全部無意味だ』みたいな手紙を出した、とかそんな感じですよね」 ——「ええ。世界は破滅に向かう、私は詩を書きに行きたい、みたいな方向性でした。それで、私が本当にあなたに振り返ってほしかった点は、多くの安全関係の人たちが、かなり圧倒されているように見える、ということです。つまり、それが私があなたに考えてほしかった本題です」 アルトマン「その件で私が同意する部分は、企業の内部にいる視点から今後起きることを見ると、という点です。つまり、世界は準備ができていません。極めて高性能なモデルが、もうすぐ登場します。テイクオフは、私が当初思っていたよりも速くなるはずで、それはストレスが大きく、不安を引き起こすものです」

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太陽エネルギーの100万分の1でも得ることができたら、地球文明の枠を大きく突き抜ける。カルダシェフ・スケールの議論を「進捗バー」に落とした瞬間、スケール感が一気に可視化される。それは「あと少し頑張れば届く」類ではなく、文明のスケールそのものを引き上げる難題なのだ。 イーロン・マスク「物事を『進捗バー』として捉え直すといいと思います。課題という話で言えば、カルダシェフ・スケールのタイプ2文明に向けた進捗ですね。まあ、そういう志向というか……」 ピーター・ディアマンディス「太陽の出力エネルギーをすべて取り込むことですね」 マスク「それより控えめな志向でもいいでしょう。目標を『太陽のエネルギーの100万分の1でも得る』と置いたとしても、それは地球上で理論的に生み出し得るエネルギーより1000倍以上多いことになります。 太陽エネルギーのうち、地球に届くのはおよそ5億分の1くらいです。つまり、そこから3桁(1000倍)上げないと、100万分の1にすら到達しません。 私たちは太陽エネルギーの10億分の1ですら、どんな形であれ十分に利用できているとは言い難いほど、非常に非常に非常に遠いところにいます。 だから合理的な目標としては、100万分の1を目指すことです。そして1000分の1、つまり0.1%を目指すとなると、それはとてつもなく……ここでどんな比喩を使えばいいのか分かりません。『山を登る』では比喩として小さすぎる。太陽エネルギーの100万分の1とか1000分の1を得ようとするのは、非常に非常に難しい課題です」

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「人への投資」が難しくなったのは、AIが教育の成果を待ってくれないからだ。育成が実る前に能力差が逆転し、「全部AIでいい」という圧力が社会のあらゆる場所で立ち上がる。だから安野氏の整理が重要になる。経済に直結しない価値への投資と、不確実な進歩に備えるリスクヘッジの二本立てだ。 今井翔太「やっぱり『人への投資』という単語は結構出てくると思うんですね。ただ、この辺は結構難しいと僕は思っていて。僕自身も省庁とかの教育関連の会議によく出ているんですけど、議論が白熱するところなんですよ。 というのも、これだけAIが発展している状況だと、例えばChatGPTが出てから現状2年ちょっとぐらいで、とんでもない進化をしたわけです。そうすると、人に投資して育成していても、その育成が実る前に、その人の能力をAIが上回ってしまう可能性があるわけですね。 単純に今までやってきた教育の延長だけだと、投資している間に『もう全部AIでいいじゃん』となりかねない。子どもたちが大人になるまで十何年とかある中で、AIに抜かれてしまうことが起きそうなんですね。 というところで、チーム未来とかが掲げている『人への投資』というのは、そういうAIに抜かれてしまうところとは違うところに投資する、という話だと思います。これ、どういうところなんでしょう」 安野貴博「この『人への投資』と申し上げているのは、2つの意味があるかなと思います。 1つ目は、必ずしも経済的活動に結びつかないことであっても、しっかりと社会を作っていくにあたって、人に対して投資していくのは意味がある、ということです。 2つ目は、AIの性能がどれだけ、いつ上がっていくのかは、まだ不確実性が残っている中で、経済的な意味でのリスクヘッジになる、というところです。 ただ、おっしゃる通り今のAIはものすごくいろんなことができるようになっているので、ある種、近い将来『AI失業』みたいなものが中規模・大規模で起きてもおかしくない情勢だと思います。そこに関する緩和策、リスクヘッジ策を、今は政府がしっかり考えていかないといけない局面だと思っていて、我々としてはそれをしっかり考えていきたいと思っています」

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「解決策が来る前に、くだらないことで死なないこと」——これが近未来の時間感覚だ。長寿が永遠の夢物語ではなく、到着し得る技術になった瞬間、個人のリスク管理の意味が変わる。次の10年で扉が開くのだとしたら、僕たちは生存を「哲学」ではなく「戦略」として考え始める必要がある。 イーロン・マスク「これは非常に明白だと思いますし、他の人たちもそう考えていると思いますが、私は以前から、長寿、あるいは準不死(semi-immortality)のようなものは極めて解ける問題だと思ってきました。特別に難しい問題だとは思いません。 体の年齢が非常に強く同期している事実を考えると、その『時計』は相当に明白なはずです。左腕だけが老けていて右腕だけが若い、という人はいません。なぜでしょうか。何が全身を同期させているのでしょうか。 私たちは死ぬようにプログラムされています。そういうものです。死ぬようにプログラムされているのです。だから、そのプログラムを変えれば、より長く生きられます」 ピーター・ディアマンディス「実際、ホッキョククジラは200年生きられますし、ニシオンデンザメは500年生きられます。それを知ったとき、私は『なぜ彼らはできて、私たちはできないのか?』と思いました。 そして、これはハードウェアの問題かソフトウェアの問題のどちらかだと考えました。そして私たちは、それを解決する技術を手に入れるはずです。私は、それが次の10年だと信じています。だから重要なのは、解決策が来る前に、くだらないことで死なないことです」 マスク「振り返ってみれば、長寿の解決策は明白に見えるはずです——極めて明白に」

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AIバブルだと言う人は十分に賢くない——孫氏は市場心理の話ではなく、技術が生む実体経済の置換規模で殴り返している。10年の投資を半年で回収できるという極端な算盤は誇張を含むにせよ、視点は明快だ。問題は熱狂の有無ではなく、置換が始まった世界で誰が先に実装し、誰が取り残されるかだ。 孫正義「AIバブルについて質問する人たち、そういう質問をする人たちは十分に賢くないと言いたいです。これが率直な答えです。AIの10年後、30年後を考えたとき、どれほど賢くなるでしょうか。私は1万倍、10万倍は確実に賢くなると思います。 たとえ100倍にとどまったとしても、人間より圧倒的に賢いです。しかも今ですら、あらゆる分野で博士号レベルをすでに超えています。そうした超知能が来たとき、世界GDPの少なくとも10%は、超知能とフィジカルAIロボットによって代替されるでしょう。少なくとも10%です。 では、その10%は金額にするとどれくらいでしょうか。そして、今後10年間でAIに対して累積でどれほどの設備投資が必要でしょうか。今後10年で、例えば10兆ドルだとします。累積10兆ドルの投資です。とてつもない金額です。 10兆ドルは膨大です。しかし、このAIとフィジカルAIロボティクスの組み合わせで世界GDPの10%を代替できるなら、それは年20兆ドルに相当します。年です。年20兆ドルです。つまり累積10兆ドルの投資は回収できます。10年間の累積投資の総額が6か月で回収できるということです。6か月です。6か月。つまり6か月分の規模で回収できるわけです。 それで、私が言うバブルとはどこにあるのでしょうか。そんな愚かな質問をする人は十分に賢くない。以上です」

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「働かなくてよい時代」は、必ずしも「幸福な時代」を意味しない。むしろ、仕事が人生の軸だった人間にとっては、自分を支えていた意味の構造そのものが崩れる可能性がある。AIが研究し、創造し、意思決定まで担い始めるなら、次に問われるのは雇用ではなく文明の目的だ。 落合陽一「もうちょっと行くと、多分、研究開発自体もAIがやってくるようになると思うんですよ。結構な割合で、AIによって自動的に研究が進むようになってきていて、人間が働くことって言ったら、その頃にはホワイトカラーの仕事はもうだいぶなくなっているんでしょうから、僕らからすると、そういったホワイトカラー労働だったり、ある程度のクリエイティブ・コーディング労働も多分なくなっていく。じゃあ、僕らはそのときどうやって暮らすんですか、という本題に今から行こうと思うんですけど」 中島聡「人間は何をするんだろう、というか、そうしたら生きがいの話なんですよね。本にも書いたんだけど、要は、生きがいなしで人間は生きていけるのか、という。そこはもう、すごく哲学的な話になっちゃうんだけど、それで幸せでしょうか、ということですよね。要は、遊んで暮らす。 8割の人が職を失う、という言い方をすれば悪いけど、8割の人が働かなくてもいい時代になりますよ、と。もしくは、週40時間が週5時間になる時代になりますよ、と。じゃあ、その残りの時間を遊んで暮らせるんだけど、要はどうやって充実して生きていくか。あるいは、自分の生きがいみたいなものをどう持つか。なんだかんだ言って、やっぱり大半の人は仕事に生きがいを感じているわけですよ。私も含めて。 それがなくなったときに、人類は幸せなのか。もしくは、幸せじゃない人が増えたときに、どうやって社会を安定させたらいいのか。みたいなことは、すごい考えますよね」

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かつて高所得専門職の象徴だった弁護士業務が、月20ドルのAIで代替され始めている。知識へのアクセスそのものが民主化され、資格と時間課金に支えられてきた価値体系が崩れつつあるのだ。次の数年で、経済の性質そのものが変わり、配管工が弁護士よりも稼ぐ世界がやってくるかもしれない。 ダニエル・プリーストリー「実は最近、私には解決しなければならない法的案件がありました。法律事務所に依頼して手続きを始めるだけで、5万ポンド、つまり6万ドルかかるところでした。 そこで私たちは自分たちで対応することにして、Claudeを使いました。すると月20ドル使うだけで、実際にその手続きを整理し、解決まで持っていけたのです。Claudeはどう対処すべきかのコーチングをしてくれましたし、複数の意思決定ツリーも示してくれました。必要な書類も出してくれましたし、交渉で『これは言うべき』『これは言わないべき』というExcelシートまで作ってくれました。 それで私は、『いや待てよ、これから弁護士は何をするのだろう』と思ったのです。もし彼らがやっていることが、時間を売って契約書を焼き直すことだけなら、私はもうそれを必要としません」 ——「複数の報告によれば、従来型のリーガルテック企業やデータ企業は、2026年ここまでで企業価値の約20%を失っています」 プリーストリー「先週だけで、その種の上場企業から2800億ドルの価値が吹き飛びました。まさに異常です。なぜなら、私たちはもうそれを必要としなくなるからです。少なくとも、現在の形のままのビジネスモデルは必要なくなると私は考えています。 彼らは変化し、適応しなければならないと思います。弁護士という職業は、まったく別の形になる必要があります。一部はビジネスコーチであり、一部は弁護士であり、一部はプロンプトエンジニアであるような形です。AIがある場において、弁護士は中核となる存在になるでしょう。つまり、あなたのAIプロンプト作成を手伝い、そのうえで解決へ導くのが弁護士の役割になるのです。おそらく、弁護士の時間は今よりずっと少なくて済むようになります。 ブルーカラーの仕事は、これまで過小評価されてきました。手を使って働く人、家に来て修理してくれる人たちは、価値の低い役割として扱われてきました。しかし次の数年で、むしろ最も価値が引き上げられるのはそうした仕事かもしれません。配管工が弁護士より普通に稼ぐようになる可能性があるのです」

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チェスAIの進歩はこうだった——最初は「人間+AI」が勝つ。次に、AIが十分に賢くなると、人間が混ざるほど弱くなる。最終的に、意思決定の最適解が「人間抜き」へ収束する。だから、現実の仕事で最後の状態になることを「超知能」の定義としよう。そのとき、社会の意思決定は不可逆に再配置される。 サム・アルトマン「AGIについては、私たちは定義をしなかったせいで外してしまいましたよね。いま皆が注目している新しい言葉は、超知能に到達するタイミングです。だから私の提案はこうです。AGIはある意味で通り過ぎていったことにして、世界をそこまで変えなかった、あるいは長期的には変えるのだろうけれど、とにかく『いつかはAGIを作った』ということにする。いまは曖昧な時期で、すでに達したと思う人もいれば、まだだと思う人もいて、これから達したと思う人が増えていく。そして『次は何だ?』となる。 そのうえで、超知能の候補となる定義はこうです。あるシステムが、AIの支援を受けた人間よりもなお上回って、米国大統領、巨大企業のCEO、あるいは非常に大規模な科学研究所の運営を、人間の誰よりもうまくこなせるようになったとき。以上です。 チェスで起きたことも興味深い例だと思います。チェスではAIが人間に勝てるようになりました。Deep Blueの件は私もはっきり覚えています。その後しばらくは、人間とAIが組むほうがAI単体より強かった時期がありました。でも最終的には、人間が介入することでむしろ悪くなってしまい、人間がその卓越した知性を理解できないまま口を出さない『人間抜きのAI』が最善、という状態になった。 超知能を考える枠組みとして、これは面白いと思います。まだずっと先の話だとは思いますが、今回はもっとすっきりした定義を持てたらいいですね」

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欲しいソフトウェアを説明するだけで、夜のうちにコードとテストが生成され、翌朝には動くサービスが立ち上がる。リポジトリを巡回するエージェントがテストとコミットを回し、更新と運用を自律化する。そこまでいけば「開発を速くする道具」というより「会社そのものを自動化するOS」の胎動だ。 サム・アルトマン「最初のバージョンを作るときは、欲しいソフトウェアをただ説明するだけになると思います。そしておそらく、システムが一晩かけて考え、コードを書いてテストまでしてくれて、翌朝にはその『本の販売アプリ』のようなものができている、という感じになります。その後、システムが大きく複雑になるにつれて、リポジトリを巡回して作業してくれる、いわば『ソフトウェア工学エージェント』が動くようになります。 それらはテストを書き、コードをコミットし、会社運営に関わる多くの作業も、ソフトウェア開発に限らず自動化できると想像できます。ソフトウェア開発に関しては、『これがどう動くか』がはっきり見える道筋があると思います」 ダン・ボネ「つまり、開発者ははるかに生産的になる、ということですね。今日のように実際にコードを書くのではなく、欲しいものを説明するようになる、という見方ですね」 アルトマン「そう思います」

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