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オープンなデータとプログラミングで人間 社会の不思議を探究する文化研究室です。💻Python/R/D3.js/LLM✉️ご連絡はDMかnote「クリエイターへの問い合わせ」まで🙏🏻 長めの論考・プロフはnoteへ✍️🍶SAKE DIPLOMA & 国際唎酒師📝投稿は個人の見解です
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【ハロプロ追加&動画版】J-POP男女グループ49組とそれ以外のアーティスト5組について「累計再生回数の半分が何曲で支えられているか」をアーティストごとに拡大する動画にしました。各組3秒トメを作っているのでスクショして確認してみてください。拡大画面では、1つの四角が1曲で、面積がその曲の累計 再生回数に比例しています。曲名と、全体に占める割合・累計再生回数をすべての曲に入れました。小さな曲は文字も小さくなり読めないほどですが、省かずに描いています。 真ん中の縦線より左が、再生の多い順に足して半分に届くまでの曲です。色は曲が出た年で、紺が2014年以前、青が2015〜19年、水色が2020〜22年、黄緑が2023〜24年、黄色が2025年、赤が2026年です。 ■CUTIE STREETさんは2曲で半分 最初に拡大されるCUTIE STREETさんは、左側が「かわいいだけじゃだめですか?」(38.7%)と「ひたむきシンデレラ!」(12.7%)の2曲だけで埋まっています。 どちらも2024年の曲で、この2曲で全54曲の累計の51%にあたります。 5番目のHANAさんは全16曲と曲数がまだ少なく、「ROSE」(18.7%)、「Blue Jeans」(18.4%)、「Drop」(12.3%)の3曲で49%に届きます。左側は2025年の黄色だけです。 ■Number_iは大きな曲がいくつも並ぶ 15番目のNumber_iさんは、累計が12億回とグループの中で最も多いアーティストです。 最も聴かれている「GOAT」でも10.4%で、「BON」(8.9%)、「GOD_i」(8.3%)、「INZM」(7.2%)と、同じくらいの大きさの四角が左側に並びます。 1曲に集まるのではなく、出す曲ごとに大きく聴かれているということになります。 ■Juice=Juiceは1曲が何通りもの録音で聴かれている すぐ隣、16番目のJuice=Juiceさんの左側には、「盛れ!ミ・アモーレ」と書かれた四角がいくつも並びます。 元の録音(22.2%)のほかに、コンサートの音源(6.1%)や「THE FIRST TAKE」の音源(4.4%)が、それぞれ別の曲として入っているためです。 ライブ版などを含めると、この曲の録音は10通りあり、合わせて累計の35%にあたります。 1曲が、ライブや一発撮りなど録音を変えて、何通りもの形で聴かれているということになります。 ■モーニング娘。は今も1998〜2002年の曲が半分近く 39番目のモーニング娘。さんは全620曲あり、左側はほぼ紺色です。 最も聴かれているのは「恋愛レボリューション21」(2000年・11.6%)と「LOVEマシーン」(1999年・10.2%)で、半分に届くまでの20曲のうち13曲が1998〜2002年の曲です。 全曲で集計しても、1998〜2002年の5年間に出た曲だけで累計の47%にあたります。 いまSpotifyで聴かれているモーニング娘。さんの再生の半分近くを、20年以上前の曲が占めているということです。 ■超特急の再生の6割は2023年以降の曲 半分に届くまで36曲と最も多い超特急さんは、最も聴かれている「My Buddy」(2017年)でも3.7%です。 ただ、左側の色を見ると黄緑が多く、半分に届くまでの曲の57%が2023〜24年の曲です。全曲で集計しても、2023年以降の曲が累計の61%にあたります。 結成から10年以上たつグループですが、いま聴かれている曲は、ここ数年の曲に寄っているということになります。 その1つ前の乃木坂46さんは、左側の35曲が2012年から2023年までの12年すべての年にわたっていて、1曲の割合は最大でも3.8%です。 同じ「35曲前後で半分」でも、超特急さんは最近の曲に、乃木坂46さんは長い期間の曲に分かれているという違いがあります。 ■比較の5組では米津玄師さんとMrs. GREEN APPLE 最後の段の米津玄師さんは8曲で半分に届き、「KICK BACK」(2022年・13.9%)、「ピースサイン」(2017年・7.7%)、「IRIS OUT」(2025年・7.5%)、「Lemon」(2018年・7.3%)と、出た年の違う曲が左側に並びます。 10年以上前の曲から2025年の新曲までが、同じくらいの大きさで聴かれているということです。 Mrs. GREEN APPLEさんは累計66億回と全体で最も多く、最も聴かれている「インフェルノ」(2019年)は8.1%です。 左側では「青と夏」「点描の唄」など2018〜19年の青い曲が目立ち、この2年の曲だけで累計の29%にあたります。 *** 曲名を入れて拡大してみると、同じ「半分に届く曲数」でも、 「1〜2曲が大きく広まったグループ」 「出す曲ごとに大きく聴かれるグループ」 「ここ数年の曲に再生が寄るグループ」 「長い期間の曲に分かれるグループ」 と、中身がかなり違うことがわかりました。 ただし、今回の数字は累計なので、早く出た曲ほど再生が積み上がる期間が長くなります。 また、合同曲や別名義の曲、メンバーのソロ曲は、名義の先頭がそのグループでないため集計に入れていません。 モーニング娘。さんは、Spotify上で「モーニング娘。'14」〜「'26」と年ごとに名義が分かれているので、これらを合わせて1組としています。 *** なお、=LOVEさん、日向坂46さん、Number_iさんの一部の曲は、先日の静止画版と色が違います。 Spotify上で一部のアルバムの発売日が実際より前の「1月1日」になっていて、静止画版ではその年を曲の出た年としていたためです。 アニメ版では、同じ曲が入っている別のリリースの日付を使うように直しました(例:=LOVEさんの「青春"サブリミナル"」は2017年→2020年)。 半分に届く曲数や割合は変わりません。 気になるグループのところで止めて、どの曲がどれだけ聴かれているかを見てみてくださいませ!
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=LOVE、Juice=Juiceという10人超の2組の女性グループのダンスを骨格推定で解析し「踊っているあいだメンバーの顔がどれくらいカメラのほうを向いているか」を可視化しました。顔を正面に向け続ける=LOVEに対し、Juice=Juiceは全員で横や後ろへ向きを変える振りを何度もはさんでいて、その違いが顔の 向きの数字にもはっきり出ています。Juice=Juiceでいちばん見返されている1:07前後は、11人がそろって足を頭の高さまで蹴り上げる一瞬で、ここだけはほぼ全員が正面を向きます。 対象曲は、=LOVE「とくべチュ、して」と、Juice=Juice「盛れ!ミ・アモーレ」です✍ ■ 動画の見方 上の赤が=LOVEさんの「とくべチュ、して」、下の青がJuice=Juiceさんの「盛れ!ミ・アモーレ」です。 どちらも、カメラが動かない定点の練習動画を対象としていて、4倍速で再生しています。 棒人間は、映像から推定した関節の位置だけを描いたもので、頭の丸の塗り方で顔の向きを表しています。 頭がグループの色で塗られて白い目が2つ並んでいるのが、顔が「正面」を向いている人です。 頭が白く、目が片側に寄っているのが「斜め・横」を向いている人、頭が濃い茶色で目がないのが「後ろ」を向いている人です。 目の点は、モデルが目を見つけた実際の位置に打っているので、顔を少し横に向けると、目も同じ側へ寄っていきます。 手首と足首のまわりの薄い丸は、直前の動きの残像です。 色のついた頭が多いほど、客席から顔が見えているメンバーが多い、ということになります。 右上の大きな数字は、その瞬間に顔が正面を向いている人数です。 棒人間のすぐ下の帯は、顔が正面を向いている人の割合の移り変わりで、黒い縦線がいま踊っている位置、グレーがかかった部分がこれから踊る部分です。 帯が高いところにあるほど、そのとき多くのメンバーが正面を向いていて、帯が落ちこんでいるところは、みんなが横や後ろを向いている場面です。 帯に重ねた濃いグレーの線は、YouTubeの「最も再生された部分」です。線が高いほど何度も見返されている場面で、いちばん高いところに「最も再生された場面」の印を付けています。 Juice=Juiceさんが足を蹴り上げる2か所の前後だけは、1倍速に落として再生しています。 曲が終わると、帯の右上に「曲全体の平均」が出ます。 ■ =LOVEは10人のうち平均7人あまりが正面を向いている 顔が正面を向いている人の割合は、曲全体の平均で、=LOVEさんが72%、Juice=Juiceさんが53%です。 人数に置きかえると、=LOVEさんでは、いつ見てもおよそ7人の顔がこちらを向いています。 Juice=Juiceさんでは11人のうち6人ほどで、客席から顔が見えているのは、メンバーの半分ほどということになります。 この差がたまたま出たものでないかを確かめるため、8カウントごとの値のばらつきから幅(95%)を見積もると、=LOVEさんが66〜78%、Juice=Juiceさんが47〜60%で、重なりませんでした。 どこか一部の目立つ場面だけで差がついたのではなく、曲を通して、=LOVEさんのほうが正面を向いている時間が長いということです。 もう少し細かく見ると、「全員」か「1人を除いた全員」が正面を向いている時間は、=LOVEさんでは曲の37%あり、Juice=Juiceさんの17%の2倍以上です。 =LOVEさんでは、ほぼ全員の顔がそろってこちらを向く場面が、曲の3分の1以上を占めています。 ■ Juice=Juiceは全員で向きを変える では、Juice=Juiceさんの正面の割合を下げているのは、どんな場面なのでしょうか。 8カウントの区切りで見ると、「正面を向いている人が半分に満たない」区切りは、=LOVEさんが71個のうち9個なのに対し、Juice=Juiceさんは64個のうち28個です。 =LOVEさんでは8個に1個ほどしかない「正面が少数派になる8カウント」が、Juice=Juiceさんでは半分近くの8カウントにあらわれています。 「後ろを向いている人が1割を超える」区切りは、=LOVEさんでは1個だけですが、Juice=Juiceさんでは21個です。 Juice=Juiceさんの振り付けには、客席に背中を見せる動きが、曲のあちこちに入っているということです。 たとえば、Juice=Juiceさんの最初のサビ「アモーレ ミ・アモーレ」の8カウントでは、11人がそろって体と顔を横に向けていて、正面を向いている人の割合は2%まで下がります。 1人、2人が横を向くのではなく、11人が同時に向きを切り替えているので、割合が一気に落ちるわけです。 帯を見ても、Juice=Juiceさんの青い帯が何度も深く落ちこみ、=LOVEさんの赤い帯は高いところにとどまって、落ちこんでもすぐに戻ってきます。 ここで気になるのは、移動の影響です。 横へ移動しているあいだは、進む方向へ顔が向きやすいので、移動が多いほど正面の割合が下がる可能性があります。 そこで、「その場にとどまっている人」だけで集計し直しましたが、正面を向いている割合は=LOVEさんが79%、Juice=Juiceさんが63%で、差はほとんど変わりませんでした。 つまり、この差は「よく動くから横を向く」のではなく、立ち止まって踊っているときにも、振り付けの中で顔の向きそのものを変えているところから来ているということです。 ■ いちばん見返されている場面にも2組の個性が出ている YouTubeの再生バーに出る「最も再生された部分」と、骨格から読みとれる動きを重ねてみました。 Juice=Juiceさんで、骨格から「足首が腰より高く上がっている人」を探すと、6人以上がそろって足を蹴り上げる場面は、曲の中で2回しかありません。 1:07前後と2:09前後で、どちらもサビの直前です。 1:07前後はこの動画でいちばん再生されている区間で、2:09前後も上から6番目に入っています。 視聴者が何度も見返しているのは、11人がそろって足を頭の高さまで蹴り上げる、この一瞬だということです。 顔の向きを0.5秒ごとに見ると、蹴り上げの前後1秒ほどは正面を向いている人が7〜9割いますが、そのあと1秒もたたないうちに全員が横を向き、正面の割合は0%になります。 2:09前後でも同じで、正面を向く時間は蹴り上げの前後1秒半ほどに集まっています。 ふだんは向きを変え続けるJuice=Juiceさんが、ここぞという一瞬だけ、ほぼ全員で正面を向いている、ということです。 =LOVEさんの振り付けには、そろって足を蹴り上げる場面はありませんでした。 いちばん再生されている区間は2:16〜2:23で、ここは10人の左右の広がり(足元の端から端まで)が、身長の4.4倍と曲の中で最も広くなる場面のひとつです。 この区間では、顔が正面を向いている人の割合が90%あります。 同じくらい横に広がる1:55〜1:59は、正面の割合が42%で、再生は山の4割ほどにとどまります。 =LOVEさんで見返されているのは、横いっぱいに広がった10人が、ほぼ全員こちらを向いている場面だということです。 どちらのグループも、いちばん見返されている場面に、それぞれの振り付けの個性がはっきり表れています。 ■ 全員が同じ振りを踊る時間は2組で大きく変わらない もうひとつ、骨格から腕と脚の角度を比べて、メンバーが同じ形の振りを同時に踊っている時間がどれくらいあるかも見ました。 これはダンスの上手い下手を測るものではなく、振り付けの作りを見るものです。 全員にそろった振りを当てている場面では値が高くなり、メンバーごとに違う振りを当てたり、時間をずらして踊ったりする場面では、どれほど上手に踊っていても値は低くなります。 人数の違う2組を同じ条件で比べるために、どちらも5人を選ぶすべての組み合わせで、「いちばんずれている人でも20度未満」に収まっている割合を出すと、=LOVEさんが44%、Juice=Juiceさんが34%です。 8カウントごとのばらつきが大きく、幅(95%)が重なるため、はっきりした差とまでは言えません。 全員で同じ振りを踊る時間の長さは2組であまり変わらず、違いがはっきり出たのは「どちらを向いて踊るか」のほうだということです。 *** 以下仮説も含みますが、興味深かった点を記しておきます。 *** =LOVEさんの、顔を正面に向け続ける振り付けは、客席から見たときに、 「いつ見ても、だれかの顔がこちらを向いている」 状態を作る構成です。 10人もいると、1人ひとりの姿は小さくなりますが、顔がこちらを向いている時間を長くとることで、それぞれのメンバーを見つけやすくしているのかもしれません。 *** Juice=Juiceさんは、11人がそろって横や後ろを向く振りを何度もはさんでいます。 顔を見せる時間をあえて削ってでも、体の向きを全員で一斉に切り替えることで、集団としての形の変化を見せる作りになっているのかもしれません。 そのぶん、見事な身体能力による蹴り上げの一瞬にだけ11人の顔がそろってこちらを向くことが際立ち、何度も見返したくなる場面になっているのではないでしょうか。 *** 同じ判定で、これまで解析した5曲も測り直しました。顔が正面を向いている人の割合は、次のとおりです。 ・M!LKさん「爆裂愛してる」:78% ・FRUITS ZIPPERさん「ふるっぱれーど」:77% ・FRUITS ZIPPERさん「わたしの一番かわいいところ」:76% ・=LOVEさん「とくべチュ、して」:72% ・BE:FIRSTさん「Missing」:54% ・Juice=Juiceさん「盛れ!ミ・アモーレ」:53% ・HANAさん「ROSE」:36% 7曲を並べると、「70%台」の=LOVEさん、FRUITS ZIPPERさん、M!LKさんと、「50%台以下」のJuice=Juiceさん、BE:FIRSTさん、HANAさんの2つに分かれます。 これまでの解析で床の上を大きく動き回っていたHANAさんとBE:FIRSTさんが、顔の向きでも「正面が少ない」側に入っているのは、興味深いところです。 床を広く使う振り付けでは、移動の途中だけでなく、隊形を見せるために体の向きを変える場面も多くなるのかもしれません。 ただし、比べたのは各グループ1曲ずつです。 同じグループのほかの曲でも同じ傾向が出るのか、そして曲のジャンルや振付師の違いがどう表れるのかは、これから確かめたいところです...! ■ ご注意! ・顔の向きは、推定した両目と鼻の位置から判定しています。両目が見え、鼻が両目の中央付近にあり、目の間隔が縮んでいないときを「正面」、鼻が見えないときを「後ろ」としています。判定した顔を各グループ15枚ずつ目で確かめ、正面と後ろはほぼ一致することを確かめています。 ・耳は髪で隠れることが多いため、判定には使っていません。 ・棒人間の肩から下は、別の骨格推定モデル(ViTPose-H)で推定し直しています。最初に使ったモデルでは、Juice=Juiceさんの1:07前後や2:09前後の、足を頭の高さまで蹴り上げる動きが取れなかったためです。それでも、重なっている人や、脚が胴体の真正面に重なる人は取りきれていません。 ・「最も再生された部分」は2026年10月22日に取得したもので、最も多い区間を1とした相対値です。再生回数そのものではありません。見返される理由には、歌詞やメンバーの表情なども含まれるため、振り付けだけが理由とは限りません。 ・蹴り上げは、足首が腰より身長の1割以上高い人の数で、横への広がりは、全員が映っているコマの足元の左右の端から端までを、身長の中央値で割って出しています。 ・メンバーが重なって隠れている人は、正面に含めていません。Juice=Juiceさんのほうが重なりがやや多いため、人数から出した値は少し低めに出ている可能性があります。隠れている人を除いて集計しても、正面の割合は=LOVEさんが78%、Juice=Juiceさんが63%です。 ・2本はカメラの高さが違い(=LOVEさんが約1.4m、Juice=Juiceさんが約1.8mの目安)、見下ろす角度が顔の写り方に影響している可能性があります。 ・「盛れ!ミ・アモーレ」の撮影場所は、画面の右側がガラス戸になっています。ガラスに映った姿は、足元の位置から見分けて除いています。 ・顔の向きの判定は1人ずつの区別を使わずに行っているため、メンバーごとの値は出していません。 ・8カウントは音から拍を検出して区切っています。 ・曲が始まる前と終わったあとの部分は除いています。 ■ 対象動画 ・=LOVE(イコールラブ)/ 18th Single『とくべチュ、して』Dance Practice ver.(=LOVE(イコールラブ)公式チャンネル、2025年2月28日公開) ・Juice=Juice『盛れ!ミ・アモーレ』-Dance Practice ver.-(Juice=Juice、2025年10月10日公開)
徒然研究室✍🏻1,208,175 views • 17 days ago

続きましてBE:FIRST、M!LKという2組のボーイズグループのダンスを人物検出と骨格推定で解析して、曲中での動線を可視化しました。手足の動きの大きさや、全員で同じ振りをそろえる時間はほとんど同じなのに、立ち位置を次々に入れ替えていくBE:FIRSTに対し、自分の持ち場にとどまって踊るM!LKという 違いが見えてきます。対象曲は、BE:FIRST「Missing」と、M!LK「爆裂愛してる」です✍ ■ 動画の見方 左の青がBE:FIRSTさんの「Missing」、右の赤がM!LKさんの「爆裂愛してる」です。 どちらも、カメラが動かない定点の練習動画を対象としています。 上の図の1本の線は、1人のダンサーの足元の位置です。 横軸は、客席から見た横の位置(中央からのメートル)、縦軸は曲の進行で、上から下へ8カウントずつ進みます。 上の図は曲全体を最初から最後まで描いていて、黒い横線と丸い点が、いま踊っている位置を示します。 横線より下のグレーがかかった部分は、まだ踊っていない、これからの部分です。 点の大きさは、その瞬間の手足の動きの大きさです。 黒い「×」は、2人の左右の並びが入れ替わった位置です。 入れ替わった瞬間に弾けて、そのまま残っていき、右上にその回数が出ます。 線の太さと濃さは、その場での手足の動きの大きさです。 線の下に塗った面は、その瞬間にいちばん左にいる人からいちばん右にいる人までの範囲、つまり隊形の横幅です。 下の枠は、映像から推定した関節の位置だけを描いた骨格で、手首と足首の周りの薄い点は、直前の動きの跡です。 2曲とも同じ4倍速なので、曲の短いBE:FIRSTさんの「Missing」が先に終わります。 曲が終わったあとは、2組それぞれ、最初に左にいた人から順に1人ずつ線を濃くして、その人が1曲のあいだにどこを通ったかを見せています。 ■ BE:FIRSTさんは、立ち位置を次々に入れ替える 2人の左右の並びが逆になった回数を数えると、1人あたり1分に、BE:FIRSTさんが10.5回、M!LKさんが5.0回で、BE:FIRSTさんが約2倍です。 すれ違いぎわの小さな揺れは数えないよう、左右の差が30cmを超えて逆転したときだけを1回としていて、この基準を50cmや80cmに広げても、BE:FIRSTさんの回数はM!LKさんの約1.8倍です。 動画の途中でも、BE:FIRSTさんの図では「×」が次々に弾けて中央付近を埋めていき、M!LKさんの図では「×」の間隔が空く区間が続きます。 また、曲の最後の「1人ずつ」の場面では、BE:FIRSTさんの線は、中央から右端へ、右端から左へと、舞台を何度も横切ります。 M!LKさんの線も途中で大きく動きますが、横切ったあとは次の持ち場でしばらく止まり、線が縦にまっすぐ伸びる区間が長くなっています。 ■ M!LKさんは、持ち場にとどまる時間が長い 床を横に動く距離は、BE:FIRSTさんが1分あたり17.4m、M!LKさんが11.8mで、BE:FIRSTさんが約1.5倍です。 1人ずつ8カウントの間の横の振れ幅を見ると、40cm未満に収まる割合は、M!LKさんが79%、BE:FIRSTさんが56%です。 8カウントごとに全員の横移動の平均を見ると、M!LKさんでは、平均が30cm未満の、ほとんど横に動かない区切りが曲の24%を占めます。 BE:FIRSTさんには、そのような区切りが一つもありません。 ということは、M!LKさんは、 「決まった持ち場で8カウントを踊りきってから次の持ち場へ移る構成」 で、BE:FIRSTさんは、 「どの8カウントにも立ち位置の移動が入る構成」 だということです。 ■ 手足の大きさと、振りのそろい方は同じくらい 一方で、その場での手足の動きは、BE:FIRSTさんが身長の0.42倍、M!LKさんが0.45倍(1秒あたり)で、ほとんど変わりません。 上の図の線の太さも、2組で同じくらいです。 骨格から全員の腕と脚の角度を比べ、いちばんずれている人でも20度未満に収まっている瞬間を「全員が同じ振りをしている」とみなすと、その時間は、BE:FIRSTさんが曲の51%、M!LKさんが56%で、こちらも大きな差はありません。 BE:FIRSTさんは6人、M!LKさんは5人で、人数が多いほど「いちばんずれている人」の値が大きくなりやすいため、BE:FIRSTさんは6人から5人を選ぶすべての組み合わせで判定して、人数をそろえて比べています。 つまり、2組の違いは、手足の動かし方や振りのそろえ方ではなく、床の上での立ち位置の使い方に集中しているということです。 ■ 隊形の横幅は、M!LKさんがやや広い 隊形の横幅(全員の横位置の標準偏差)は、BE:FIRSTさんが1.46m、M!LKさんが1.63mです。 ただし、8カウントごとのばらつきが大きく、はっきりした差とまでは言えません。 *** 以下、仮説も含みます! *** M!LKさんの、持ち場で8カウントを踊りきる構成は、正面から見たときに、 「いま誰がどこにいるか」 が追いやすい構成です。 M!LKさんの公式チャンネルには、メンバー1人を追い続ける「推しカメラ」の動画も公開されていて、1人ずつの姿が見えることが大切にされている振り付けなのかもしれません。 *** BE:FIRSTさんは、手足の動きの大きさや振りのそろい方はM!LKさんと同じくらいなのに、立ち位置だけが絶えず入れ替わります。 全員がそろった振りを踊ったまま、隊形の形そのものを動かし続けることで、集団としての動きを見せる作りになっているのかもしれません。 *** 前回解析したHANAさん(「ROSE」)とFRUITS ZIPPERさん(「わたしの一番かわいいところ」)と並べると、床を横に動く距離は、HANAさんが1分あたり17.1m、BE:FIRSTさんが17.4m、FRUITS ZIPPERさんが11.0m、M!LKさんが11.8mです。 HANAさんとBE:FIRSTさんは、どちらもBMSGが開いたオーディションから生まれたグループで、どちらも1分あたり17m前後動いています。 一方で、その場の手足の動きは、HANAさんが身長の0.63倍とBE:FIRSTさんの1.5倍ほど大きく、同じ事務所でも、床の使い方は似ていて、手足の使い方は違うということなのかもしれません。 ただし、今回比べたのは各グループ1曲ずつです。 同じグループのほかの曲でも同じ特徴が出るのか、そして事務所や振付師の違いがどこに表れるのかが、今後確かめたいところです...! ■ ご注意! ・BE:FIRSTさんは6人、M!LKさんは5人で、人数が違います。全員が同じ振りをしている時間は人数をそろえて比べていますが、ほかの値は人数の違いの影響を受けている可能性があります。 ・「Missing」の撮影場所は、画面の左側の壁が鏡になっています。鏡に映ったダンサーは、足元の位置から見分けて除いています(除ききれていなかったらすみません...!)。 ・「爆裂愛してる」は、曲の途中(2分46秒)で画面の写る範囲が広がります。背景の位置から画面の拡大の度合いを測り、元の範囲に戻してから計算しています(計算しきれていなかったらすみません...!)。 ・「Missing」では、白い服のメンバーどうしを取り違える箇所があったため、メンバーの割り当てを映像で1本ずつ確かめて直しています(確認が漏れていたらすみません...!)。 ・横の位置は、メンバーの公表身長の平均(2組とも約177cm)を物差しにしてメートルに換算しています。前後の位置は、カメラの角度の関係でメートルに換算できないため、横の位置だけを比べています。 ・全員が同じ振りをしているかどうかは、メンバーが重なると判定できず、「Missing」は曲の17%、「爆裂愛してる」は2%の時間が判定できていません。 ・2組は撮影したスタジオが違うため、使える床の広さが違う可能性があります。 ・8カウントは音から拍を検出して区切っていて、「爆裂愛してる」は1分あたり152拍として数えています。 ・曲が始まる前と終わったあとの部分は除いています。 ■ 対象動画 ・BE:FIRST / Missing -Dance Practice-(BE:FIRST Official、2026年7月1日公開) ・M!LK - 爆裂愛してる (Dance Practice Movie)(M!LK、2026年2月27日公開)
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続きましてSpotify日本の上位50組について「累計再生回数の半分が何曲で支えられているか」をアーティストごとに拡大するアニメーションにしました。各組3秒トメを作っているので、スクショして確認してみてください。拡大した画面では、1つの四角が1曲で、面積がその曲の累計再生回数に比例しています。曲名と、全体に占める割合・累計再生回数をすべての曲に入れました。 真ん中の縦線より左が「再生の多い順に足して半分に届くまでの曲」です。 色は曲が出た年で、紺が2014年以前、青が2015〜19年、水色が2020〜22年、黄緑が2023〜24年、黄色が2025年、赤が2026年です。 ■最初の2組は1曲で半分 最初に拡大されるアイナ・ジ・エンドさん(0:02)は、左側が「革命道中」(2025年・62.9%)1曲だけで埋まっています。 次のOmoinotakeさん(0:06)も、「幾億光年」(2024年・54.4%)1曲で半分を超えます。 全78曲と全107曲のうち、この1曲を目当てに聴く人が、リスナーの中で大きな割合を占めていると考えられます。 ■KANA-BOONは12年前の1曲が半分近く 3番目のKANA-BOONさん(0:11)も、「シルエット」(2014年・48.9%)と「ないものねだり」(2013年・8.1%)の2曲で半分に届きます。 最初の2組と同じく1曲が大きいですが、こちらは左側が10年以上前の紺色です。 アニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」の主題歌だった1曲が、今も全168曲の累計の半分近くを占めているということです。 ■スキマスイッチは500曲以上でも3曲 スキマスイッチさん(0:50)はライブ盤を多く出しているため全538曲(曲名で数えると約175曲)と50組で2番目に曲数が多いアーティストですが、左側は「奏(かなで)」(2004年・28.5%)、「全力少年」(2005年・17.7%)、「ゴールデンタイムラバー」(2009年・8.2%)の3曲です。 20年近く前の代表曲が、今も再生の半分を支えているということになります。 ■BTSとJinの左側の違い 最後に拡大されるBTS(3:57)は、左側に40曲が並び、最も大きい「Dynamite」の割合は4.7%です。 2015年から2026年までの曲が左側に入っていて、世界中のファンが多くのアルバムを聴き込んでいる様子がうかがえます。 一方、メンバーのJinさん(0:54)は、「Don’t Say You Love Me」(2025年・27.6%)、「The Astronaut」(2022年・16.9%)、「Running Wild」(2024年・12.2%)の3曲で半分に届きます。 Jiminさん(0:26)も「Who」(32.0%)と「Like Crazy」(18.5%)の2曲です。 同じメンバーでも、グループでは多くの曲に、ソロでは数曲に再生が集まっています。 ■M!LKの左側はこの一年ほどの曲 M!LKさん(1:57)の左側は、「好きすぎて滅!」(2025年・17.6%)、「爆裂愛してる」(2026年・13.2%)など、7曲のうち6曲が2025〜26年の曲です。 デビューから10年以上たつグループですが、再生の半分を支えているのはこの1年ほどの新しい曲です。 その少し後のあいみょんさん(2:26)は、「マリーゴールド」(2018年・10.5%)、「君はロックを聴かない」(2017年・7.9%)など、左側の8曲がすべて2017〜21年の曲です。 新曲ごとに再生が入れ替わるアーティストと、数年前のヒット曲が聴かれ続けるアーティストの違いが、色の違いとして見えます。 ■宇多田ヒカルは1999年と2021年の曲が並ぶ 宇多田ヒカルさん(3:23)の左側13曲は、1999年から2021年までの曲です。 最も大きいのは「First Love」(1999年・11.2%)で、次が「One Last Kiss」(2021年・7.0%)と、20年以上離れた2曲が上位に並びます。 長く活動しているアーティストで、昔の代表曲と最近の曲が同じくらい聴かれている例です。 ■サザンとMr.Childrenは30年分の曲が並ぶ サザンオールスターズさん(3:33)の左側15曲は、「勝手にシンドバッド」(1978年)から「東京VICTORY」(2014年)まで、すべて2014年以前の紺色の曲です。 最も聴かれている「TSUNAMI」(2000年・7.6%)と「真夏の果実」(1990年・7.3%)がほぼ同じ大きさで並びます。 Mr.Childrenさん(3:38)も左側16曲が1992年から2014年の曲で、そこに2026年の新曲「Again」が1曲だけ赤で入っています。 長く活動しているアーティストでも、スキマスイッチさんのように代表曲に集まる場合と、30年分の曲に分かれる場合があるということになります。 ■RADWIMPSは左側の7割以上が映画の曲 RADWIMPSさん(3:47)の左側18曲のうち11曲は、新海誠監督の映画「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締まり」の曲です。 最も大きい「すずめ」(2022年・7.9%)に、「スパークル - movie ver.」(2016年・5.4%)、「夢灯籠」(2016年・4.9%)、「前前前世 - movie ver.」(2016年・4.6%)が続きます。 この11曲で累計の38%、半分までの再生のうち7割以上を占めていて、映画をきっかけに聴かれた曲が再生を大きく支えていることがわかります。 一方で、2006年の「me me she」「セプテンバーさん」など、映画より前の曲も左側に残っています。 気になるアーティストのところで止めて、どの曲がどれだけ聴かれているかを見てみてください! ■アーティストごとのタイムスタンプ ・0:02 アイナ・ジ・エンド(1曲) ・0:06 Omoinotake(1曲) ・0:11 KANA-BOON(2曲) ・0:16 HUNTR/X(2曲) ・0:21 tuki.(2曲) ・0:26 Jimin(2曲) ・0:30 Tani Yuuki(3曲) ・0:35 なとり(3曲) ・0:40 Superfly(3曲) ・0:45 ヤングスキニー(3曲) ・0:50 スキマスイッチ(3曲) ・0:54 Jin(3曲) ・0:59 菅田将暉(3曲) ・1:04 幾田りら(3曲) ・1:09 Novelbright(3曲) ・1:14 ILLIT(4曲) ・1:18 ポルノグラフィティ(4曲) ・1:23 HANA(4曲) ・1:28 藤井風(5曲) ・1:33 優里(5曲) ・1:38 [Alexandros](6曲) ・1:42 Saucy Dog(6曲) ・1:47 YOASOBI(6曲) ・1:52 スピッツ(6曲) ・1:57 M!LK(7曲) ・2:02 GReeeeN(7曲) ・2:06 マカロニえんぴつ(7曲) ・2:11 King Gnu(7曲) ・2:16 米津玄師(8曲) ・2:21 Vaundy(8曲) ・2:26 あいみょん(8曲) ・2:30 Number_i(8曲) ・2:35 Official髭男dism(8曲) ・2:40 サカナクション(9曲) ・2:45 ヨルシカ(10曲) ・2:50 ちゃんみな(10曲) ・2:54 BE:FIRST(11曲) ・2:59 平井大(12曲) ・3:04 =LOVE(12曲) ・3:09 Ed Sheeran(12曲) ・3:14 Mrs. GREEN APPLE(12曲) ・3:18 back number(12曲) ・3:23 宇多田ヒカル(13曲) ・3:28 King & Prince(15曲) ・3:33 サザンオールスターズ(15曲) ・3:38 Snow Man(16曲) ・3:42 Mr.Children(16曲) ・3:47 RADWIMPS(18曲) ・3:52 嵐(24曲) ・3:57 BTS(40曲) *** 数字は全世界の累計で、早く出た曲ほど再生が積み上がる期間が長くなります。 BTS、Jiminさん、Jinさん、ILLIT、Ed Sheeran、HUNTR/Xの6組は、リスナーの多い上位5都市に日本の都市が入っておらず、ほぼ海外での聴かれ方を表しています。 名義の先頭がそのアーティストの曲だけを集計し、Spotify上で再生回数を共有している別の版(リマスター版や言語違いの版)は1曲にまとめました。 なお、各アーティストの「全◯曲」は、Spotify上で再生回数が別々に数えられている録音の数です。 ライブ版やインスト版、映画用のバージョンなども1曲ずつ入るため、作品として発表した曲の数より多くなります(スキマスイッチさんの全538曲は、曲名で数えると約175曲です)。 ただし、ライブ版やインスト版の再生はごく小さく、50組全体でも累計の1%未満なので、半分に届く曲数にはほとんど影響しません。 対象は日本ウィークリー上位200の直近52週の再生数で選んだ50組で、合同名義のEBiDANを除き、51位の[Alexandros]さんを入れています。 上位200に入った週の再生だけで選んでいるため、Adoさんのように200位の外で曲が聴かれ続けているアーティストは入っていません。
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HANA、FRUITS ZIPPERという7人組グループのダンスを人物検出と骨格推定で解析して、1曲の中での動線を可視化してみました。手足を大きく動かしながら中央に密集する振り付けが多いHANAに対し、立ち位置を保ちながら踊るFRUITS ZIPPERという違いが見えてきます。対象曲は、HANA「ROSE」と、FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」です✍ ■ 動画の見方 左の赤がHANAさんの「ROSE」、右の青がFRUITS ZIPPERさんの「わたしの一番かわいいところ」です。 どちらも、カメラが動かない定点の振り付け動画を対象としています。 上の図の1本の線は、1人のダンサーの足元の位置です。 横軸は、客席から見た横の位置(中央からのメートル)、縦軸は曲の進行で、上から下へ8カウントずつ進みます。 上の図は曲全体を最初から最後まで描いていて、黒い横線と丸い点が、いま踊っている位置を示します。 点から弾ける輪と線の大きさは、その瞬間の手足の動きの大きさで、拍に合わせて広がります。 線の太さと濃さは、その場での手足の動きの大きさです。 線の下に塗った面は、その瞬間にいちばん左にいる人からいちばん右にいる人までの範囲、つまり隊形の横幅です。 左の図の黄色の帯は、7人全員が中央に集まった場面です。 下の枠は、映像から推定した7人の関節の位置だけを描いた骨格で、手首と足首の周りの薄い点は、直前の動きの跡です。 2曲とも同じ4倍速なので、曲の短いHANAさんの「ROSE」が先に終わります。 ■ HANAさんは、床の上を大きく動く 床を横に動く距離は、HANAさんが1分あたり17.1m、FRUITS ZIPPERさんが11.0mで、HANAさんが約1.5倍です。 8カウントごとに見ると、FRUITS ZIPPERさんでは、7人の横移動の平均が0.3m未満の、ほとんど横に動かない区切りが曲の25%を占めます。 HANAさんでは、その割合は3%です。 1人ずつ8カウントの間の横の振れ幅を見ても、0.4m未満に収まる割合は、FRUITS ZIPPERさんが77%、HANAさんが60%です。 ということは、FRUITS ZIPPERさんの7人は、自分の立ち位置にとどまって踊る時間が長く、HANAさんの7人は、踊りながら立ち位置を移していく時間が長いということです。 ■ 隊形の横幅は同じくらいでも、使い方が違う 一方で、隊形の横幅(7人の横位置の標準偏差)は、HANAさんが1.22m、FRUITS ZIPPERさんが1.30mで、ほとんど変わりません。 違いが出るのは、横幅の変わり方です。 HANAさんでは、7人が中央に集まる場面が曲の5.7%あり、左の図の黄色の帯のところで赤い面が細くくびれます。 8カウントごとの横幅は、いちばん狭いときの0.53mから、いちばん広いときの1.78mまで大きく変わります。 FRUITS ZIPPERさんには、7人が中央に集まる場面がほとんどなく(0.1%)、横幅は0.84mから1.66mのあいだに収まります。 右の図の青い面は、左の赤い面ほど大きくはくびれません。 つまり、平均の横幅は同じでも、HANAさんは「ひと塊になる瞬間」と「横に広がる瞬間」を行き来し、FRUITS ZIPPERさんは横幅の変化が小さい隊形で踊っている、ということです。 ■ HANAさんは、その場で手足を大きく動かす 上の図の赤い線は、青い線より全体に太く、濃くなっています。 線の太さは、腰から見た手首と足首が1秒間にどれだけ動くかを、身長を単位にして表したものです。 横に走る瞬間は手足も速く動くので、その瞬間を除き、立ち位置にとどまっているあいだの手足の動きだけで計算しています。 HANAさんは身長の0.63倍、FRUITS ZIPPERさんは0.46倍で、HANAさんが約1.4倍です。 下の骨格でも、HANAさんの手首と足首の跡は広い範囲に残りやすく、FRUITS ZIPPERさんの跡は体の近くにまとまりやすくなっています。(近年のアイドルの振り付けの手の動きは、ショート動画の縦型に収まりやすいように顔の近くに集まりやすいという説もあります。) ただし、FRUITS ZIPPERさんにも、38カウント付近のように、手足の動きがHANAさんの平均を大きく上回る区間があります。 ということは、FRUITS ZIPPERさんは、手足を大きく使う振りを曲の要所に置き、それ以外の時間は立ち位置にとどまって細かな振りを踊る構成で、一方のHANAさんは、曲の多くの時間で腕と脚を大きく使っているということです。 ■ FRUITS ZIPPERさんは、7人で同じ振りをそろえる時間が長い 骨格から7人の腕と脚の角度を比べ、いちばんずれている人でも20度未満に収まっている瞬間を、「全員が同じ振りをしている」とみなしています。 その時間は、FRUITS ZIPPERさんが曲の44%、HANAさんが19%で、FRUITS ZIPPERさんが2倍以上です。 判定の基準を15度や25度に変えても、この順番は変わりません。 ただし、HANAさんの「ROSE」は7人が重なる場面が多く、曲の35%の時間は判定できていません。 ということは、FRUITS ZIPPERさんは、7人が立ち位置にとどまったまま同じ振りを一斉に踊る時間が長く、HANAさんは、立ち位置を移しながら、全員の振りがそろわない時間が長いということです。 ■ FRUITS ZIPPERさんの別曲も確認 今回の結果が、FRUITS ZIPPERさんのこの1曲だけによるものかを確かめるため、動画の図とは別に、FRUITS ZIPPERさんの「ふるっぱれーど」(2026年5月公開のDance Practice)を同じ方法で解析し、HANAさんの「ROSE」と比べました。 「ふるっぱれーど」も、カメラが動かない定点の動画で、7人がそれぞれ違う色のシャツを着て踊っています。 この比較では、その場の手足の動きはHANAさんが約1.35倍で、「ふるっぱれーど」のFRUITS ZIPPERさんには、7人が中央に集まる場面が一度もありません。 全員が同じ振りをしている時間も、「ふるっぱれーど」のFRUITS ZIPPERさんは44%で、「わたしの一番かわいいところ」とほぼ同じです。 ここまでは、「わたしの一番かわいいところ」との比較と共通しています。 一方で、「ふるっぱれーど」のFRUITS ZIPPERさんは、隊形の横幅が1.56mとHANAさんの約1.3倍あり、床を横に動く距離(1分あたり16.7m)はHANAさんとほぼ同じです。 「わたしの一番かわいいところ」では、隊形の横幅はHANAさんと同じくらいで、床を横に動く距離はHANAさんより少ないので、この2点は曲によって逆になります。 つまり、「中央に集まる」「手足を大きく動かす」は、比べる相手の曲を替えても変わらないHANAさんの特徴です。 FRUITS ZIPPERさんでは、7人で同じ振りをそろえる時間の長さは2曲で共通していて、隊形の横幅や移動の量は曲によって大きく変わるということなのかもしれません。(それはHANAさんについても妥当する可能性があります。) *** 以下、仮説も含みます! *** FRUITS ZIPPERさんの、立ち位置にとどまって踊る時間の長さは、正面から見たときに、 「7人それぞれの位置が決まって見える」 構成です。 対象動画には、歌詞と一緒に、そのパートを歌っているメンバーの名前が表示されています。 見る人が、「いま誰がどこで歌っているか」を追いやすい振り付けなのかもしれません。 また、7人が同じ振りをそろえ、立ち位置もあまり動かない構成は、見る人が振りを覚えやすく、一緒に踊りやすい振り付けなのかもしれません。 さらに、「わたしの一番かわいいところ」と「ふるっぱれーど」で横幅と移動の量が大きく違うことから、FRUITS ZIPPERさんの振り付けは、曲ごとに隊形の使い方を大きく変えていると考えられます。 *** HANAさんは、比較対象の曲を替えても、ひと塊になる瞬間と横に広がる瞬間の行き来と、その場での大きな手足の動きが共通しています。 立ち位置の移動、集団の形の変化、身体の動きの大きさを、1曲の中で組み合わせて見せる作りになっているのかもしれません。 *** 今回比べたのは、HANAさんが1曲、FRUITS ZIPPERさんが2曲です。 HANAさんのほかの曲でも同じ特徴が出るのか、そしてFRUITS ZIPPERさんの曲ごとの違いが何によって決まるのかが、今後確かめたいところです...! ■ ご注意! ・「ROSE」と「わたしの一番かわいいところ」は、公開の時期が3年ほど離れています。 ・「ROSE」は舞台的な空間、「わたしの一番かわいいところ」は練習スタジオでの撮影で、使える床の広さが違いそうです。 ・「わたしの一番かわいいところ」は7人が同じ衣装のため、重なったメンバーを取り違える箇所があります。線の色でメンバーを区別していないのはこのためです。床を横に動く距離は、メンバーを取り違えても値が変わりにくい方法でも確かめています。 ・前後の位置は、カメラの角度の関係でメートルに換算できないため、横の位置だけを比べています。 ・自己紹介やタイトル画面、曲が終わったあとの部分は除いています。 ■ 対象動画 ・HANA / ROSE -Choreography Video-(HANA official、2025年4月17日公開) ・【Dance Practice】FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ - Watashino Ichiban Kawaii Tokoro」(FRUITS ZIPPER、2022年6月11日公開) 参考分析: ・【Dance Practice】FRUITS ZIPPER「ふるっぱれーど」(FRUITS ZIPPER、2026年5月21日公開)
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増加を続ける福岡市の人口。要因は他地域からの転入とされていますが、どこから流入・流出しているのでしょうか。先月公開された統計書から転入超過・転出超過フローを視覚化してみると、九州全土から人口を集め、そして関東や近畿に対しては送り出す...という多層的な流れが見えてきます。矢印の幅が 転入超過・転出超過の人数を、矢印の上を流れるドットの頻度がその多寡を表しています。 青いドットが福岡市への転入超過、赤いドットが福岡市からの転出超過です。 九州6県からの転入超過は合計+7,857人。 長崎県+1,858人 鹿児島県+1,469人 熊本県+1,324人 がトップ3で、九州のすべての県から福岡市に人口が流入しています。 北九州市からも+1,221人 山口県からも+820人 と、太い青い矢印が福岡市に向かって収束していきます。 *** 一方、関東方面には△2,267人と最大の転出超過が生じています。 福岡市から関東への転出は13,731人、 関東から福岡市への転入は11,464人。 双方向とも1万人を超える活発な移動がありながら、差し引きでは福岡市が2,000人以上を失っています。 近畿にも△397人 東海にも△15人 と、三大都市圏に対してはすべて転出超過です。 九州各県から集めた人口の一部が、さらに東京・大阪方面へ流れていく構図が読み取れます。 *** ちょっと興味深いのは、糸島市のような、福岡市のすぐ隣の自治体にも転出超過が生じている点です。 大野城市△301人 糸島市△225人 新宮町△151人 福津市△136人 春日市△99人 福岡都市圏の近隣市町村への転出超過は合計△1,256人にのぼります。 九州全土から人口を集めつつ、自らの周縁部には人を送り出している形です。 都心の住宅価格や子育て環境など、さまざまな要因が絡んでいると考えられます。 実情に詳しい方、教えてください...! *** 福岡県内全体でみると、 北九州市から+1,221人 県内その他の市町村から+1,896人 と、県内各地からも大きな流入があります。 福岡県(その他)+1,896人は、久留米市や飯塚市など県内の広い範囲からの転入超過の合計です。 この数値は長崎県+1,858人に匹敵する規模であり、県をまたがない県内移動も福岡市の人口増に少なからず寄与していることがうかがえます。 *** 転入超過・転出超過の全体を俯瞰すると、福岡市の人口の「仕入先」と「卸先」がかなりはっきり分かれているように見えます。 仕入先は、 九州6県+7,857人 北九州市+山口県で合計+2,041人 福岡県内+1,896人。 中国地方(山口除く)+945人 四国+345人 沖縄+310人 も加わります。 卸先は、 関東△2,267人 近畿△397人 そして足元の福岡都市圏△1,256人。 差し引きの純移動は+10,108人です。 約7万人が転入し約6万人が転出するダイナミックな出入りの中で、1万人強が「残る」ことで福岡市の人口が増え続けている計算です。 *** この構造を横浜市と並べてみると、共通点と違いが見えてきます。 横浜市は令和7年の人口増加数が+164人とほぼ横ばいでした。 社会増加数は+18,896人ですが、自然増加数が△18,732人(出生21,831人、死亡40,563人)と大きく、社会増がかろうじて自然減を相殺している状態です。 国勢調査の5年間では△22,651人と78年ぶりの減少を記録しています。 横浜市も周辺の町田市や大和市などに人口を送り出しつつ、他地域からの転入で社会増を維持している点は福岡市と似ています。 ただし横浜市の場合、自然減の規模が大きく、社会増だけでは支えきれなくなりつつあるようです。 福岡市も近年は自然減に転じており、令和6年には△3,308人の自然減が生じています(福岡市人口ビジョン)。 ただし社会増がそれを大きく上回っているため、差し引きでは年間1万人規模の純増を維持しています。 もっとも、その純増の原動力は九州各県からの転入です。 九州各県の人口が減少を続ければ、福岡市に流れ込む人口もいずれ細る可能性があります。 福岡市の人口増加には「九州の人口を集約している」側面があり、九州全体でみれば人口が増えているわけではないということを、私たちは見つめていく必要があるのかもしれません。 *** フロー図上のドットについて補足しておきます。 各矢印の上を流れるドットは、単位時間あたりの出現頻度が転入超過・転出超過の人数に比例するようプログラムで制御しています。 超過が大きいフローほどドットが頻繁に現れ、小さいフローほどまばらになります。 ドットの大きさも人数に応じて変化させています。 演出のためにドットの量を恣意的に増減させてはいません。 なお本分析は、福岡市「福岡市統計書」(令和7年(2025年)版)第3章 人口 第8表「前住地別転入人口及び転出地別転出人口(日本人)」を参照しています。 詳細な数値をお知りになりたい場合はそちらをご覧ください。 フロー図および本稿の数値は、九州各県・山口県・福岡都市圏の各市町村・地方ブロック別の転入超過・転出超過を対象としています。
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42組の男女アイドルグループの、運営会社をまたいだ共聴関係をアニメーションにしました。各グループ3秒トメを作っていますので、一時停止でご確認ください...! ■ 見方 円の上半分が男性グループ、下半分が女性グループです。円が回り、いま注目しているグループが左側の中央に来ます。 色付きの線でつながっているのが、運営会社をまたいで互いのページの「ファンの間で人気」に並ぶグループです。 つまり、一緒に聴かれている度合いが強いとみられるグループです。 線が太いほど互いのページで上位に並んでいて、一緒に聴かれている度合いがより強いとみられます。 下の数字は、そのグループと「他社で互いのページに並ぶグループ」の数です。 最後に、STARTOとEBiDANの間の線だけを残しています。 ■ 止めて注目したいグループ ●=LOVE(1分52秒ごろ) 他社で互いのページに並ぶグループは19組で、42組の中でいちばん多くなっています。 そのうち6組は、超特急やKing & Princeなどの男性グループです。 ●M!LK(44秒ごろ) 男性グループの中で、女性グループとのつながりがいちばん多いグループです。 =LOVE、CUTIE STREET、FRUITS ZIPPERなど6組と、互いのページに並んでいます。 ●HANA(1分22秒ごろ) 女性グループでは、=LOVEに次いで男性グループとのつながりが多いグループです。 Snow Man、King & Prince、SixTONESなど5組です。 ●Snow Man、King & Prince(17秒ごろ、31秒ごろ) STARTOのグループは、太い線の相手が「M!LK」や「超特急」といったEBiDANのグループになっています。 ●&TEAM(1分15秒ごろ) 他社で互いのページに並ぶのは、JO1の1組だけです。 ページに並ぶのは、ほとんどがK-POPのグループでした。 ●MORE STAR(1分49秒ごろ) 2025年12月にデビューした新人で、他社とのつながりはまだ4組です。 ●乃木坂46・櫻坂46・日向坂46(2分3秒ごろから) いちばん太い線の相手は、そろってAKB48です。 *** 関心あるグループが、どの運営会社のグループと一緒に聴かれているか、止めて探してみてください。
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Spotify日本のトップアーティスト44組が、どのアーティストと一緒に聴かれているのかを動画にしました。1組ずつ3秒止めて制作していますので、気になるアーティストで一時停止してみてください⏯️ ■ 動画の見方 円の周りの写真が44組で、同じ色の帯で くくったアーティストが1つの「圏」です。 圏は、一緒に聴かれるつながりの強さから機械的に6つに分けたもので、色と名前は右上に並べています。 円が回って、そのとき取り上げているアーティストが左の中央で止まります。 線の先にいるのが、そのアーティストと「一緒に聴かれるアーティスト」です。 ここでの線は、一方のリスナーがもう一方もよく聴いている組み合わせです(Spotifyの「ファンの間で人気」欄の40組に入っているかで判定しています)。 色付きの線は違う圏のアーティストとの線、灰色の線は同じ圏のアーティストとの線です。 「同じ圏の中」では、ほとんどの組み合わせが一緒に聴かれています。 同じ圏の2組の組み合わせ209通りのうち174通り(83%)に線があり、違う圏どうしの737通りのうち132通り(18%)を大きく上回ります。 リスナーの多くはジャンルや世代の近いアーティストをまとめて聴いていて、圏をまたぐ聴き方はその一部だということです(圏そのものを一緒に聴かれる近さで分けているので、ある程度は当然の結果でもあります)。 そのため、写真が隣り合う同じ圏のアーティストは、多くが灰色の線で結ばれます。 例外は「主流J-POP・ロック」の圏のAdoさん(48秒ごろ)で、同じ圏の15組のうち線があるのは4組だけです。 Adoさんのリスナーがほかによく聴くアーティストの上位には、9Lanaさん、Eveさん、なとりさん、初音ミクと、ネット発やボカロのアーティストが並びます。 Adoさんのリスナーは、トップ44組の外にある「ネット発の音楽」を中心に聴いているため、同じ圏の中でも線が少ないと考えられます。 2組のリスナーが互いに相手をよく聴いているほど、線は太くなります。 画面下の数字は、44組のうち線でつながるアーティストの数と、そのうち違う圏のアーティストの数です。 最後の場面では、違う圏をまたぐ132本の線だけを残しています。 ■ 着目したいアーティスト ●Mrs. GREEN APPLE(0秒ごろ) 線でつながるアーティストは28組で、44組の中で最も多くなっています。 違う圏とは16本で、そのうち6本は、アイドルのグループのリスナーがほかによく聴くアーティストの25〜40位に入るだけの細い線です。 Mrs. GREEN APPLEは、自分の圏の中心にいるだけでなく、アイドルのリスナーにも、上位ではないものの「一緒に聴く定番」として入り込んでいると読めそうです。 ●King Gnu(34秒ごろ) 同じ「主流J-POP・ロック」の圏の14組と線でつながる一方、違う圏との線は0本です。 King Gnuのリスナーがほかによく聴くアーティスト40組は、すべて同じ圏のアーティストです。 上位には米津玄師さん、キタニタツヤさん、Vaundyなどが並び、King Gnuのリスナーは「主流J-POP・ロック」の中で一緒に聴く相手が十分にそろっている、と解釈できます。 ●back number(54秒ごろ) 違う圏の19組と線でつながり、44組の中で最も多くなっています。 そのうち13本は、互いのリスナーが相手もよく聴いている太い線です。 圏をまたいでも一方通行ではなく、双方のリスナーが行き来している関係が多いということです。 ●あいみょんさん(58秒ごろ) 違う圏とは17本で、back numberに次ぐ多さです。 back numberのリスナーがほかによく聴くアーティストの1位は、あいみょんさんです。 あいみょんさんのリスナーにとっても1位はback numberで、2組はかなり重なるリスナーに支えられているとみられます。 圏をまたぐ線の多い2組が互いに1位であることから、同じリスナーが2組をそろって聴きながら、ほかの圏のアーティストにも広く手を伸ばしている、という姿が推察できます。 ●スピッツ(1分42秒ごろ) グレーの「ベテラン」の圏から、違う圏の16組とつながっています。 すぐ後に止まるサザンオールスターズ(1分45秒ごろ)とB'z(1分49秒ごろ)は、違う圏との線が0本で、同じ圏の中だけで線を持っています。 スピッツは、BUMP OF CHICKENや星野 源さん、サカナクションのリスナーにもよく聴かれていて、デビューの時期が違う世代のリスナーにまで届く「世代を越えた定番」になっていると考えられます。 一方、サザンオールスターズのリスナーがよく聴くのは斉藤和義さんや玉置浩二さん、B'zのリスナーはGLAYやBOØWYと、同じ時代のアーティストです。 同じベテランの圏でも、聴かれ方の広がりは大きく違うようです。 ●=LOVE(1分52秒ごろ) 44組の中で、オレンジの「女性アイドル」の圏は=LOVEだけです。 9本の線はすべて違う圏とつながり、そのうち7本は紫の圏の男性グループとの線です。 男性と女性のどちらのグループも聴く「アイドル全般のリスナー」が、=LOVEと男性グループを結びつけている可能性があります。 ●嵐(1分59秒ごろ) ほかの5つの圏すべてと線でつながっています。 ただし12本のうち9本は、嵐のリスナーが相手を聴いている一方向の線です。 嵐のリスナーがほかによく聴くアーティストには、GReeeeN、SEKAI NO OWARI、Mr.Childrenなど、アイドル以外のアーティストが上位に入ります。 嵐のリスナーには、アイドルだけでなく「J-POPの定番」も幅広く聴く人が多いとみてよさそうです。 ●HANA(2分16秒ごろ) 紫の圏にいながら、違う圏の10組と線でつながっています。 HANAのリスナーがほかによく聴くアーティストの1位はプロデューサーのちゃんみなさんで、ちゃんみなさんのリスナーにとっても1位はHANAです。 HANAのほかの線の多くはHANAのリスナーが相手を聴いている一方向の線で、相手にはback number、Vaundy、Official髭男dismなどが入ります。 HANAのリスナーは、アイドルのグループに加えて、「J-POPの人気アーティスト」も一緒に聴いているようです。 ●最後の場面(2分29秒ごろ) 違う圏をまたぐ132本のうち81本が、「歌もの」の8組につながっています。 違う圏のリスナーどうしが共通して聴くアーティストが、「歌もの」の圏に集まっていると解釈できます。 *** 1組ずつ止めて見ると、「一緒に聴かれるアーティストの多さ」と「違う圏とのつながりの多さ」は、別の性質だとわかります。 線の総数が最も多いのはMrs. GREEN APPLEの28組ですが、そのうち12組は同じ圏のアーティストです。 違う圏との線が最も多いのはback numberで、26組のうち19組が違う圏のアーティストです。 Mrs. GREEN APPLEは「主流J-POP・ロック」を聴くリスナーの中で厚く聴かれ、back numberは好みの違うさまざまなリスナーに共通して聴かれている、という違いと考えられます。 King Gnuは、同じ圏の14組と線でつながっていても、違う圏との線は0本です。 これをリスナーの行動に置き換えると、2つのことが言えるかもしれません。 1つは、King Gnuのリスナーがほかによく聴くのは米津玄師さん、キタニタツヤさん、Vaundyなど同じ圏のアーティストで、歌ものやアイドルまで聴く人は、King Gnuのリスナーの中では目立つほど多くないことです。 もう1つは、歌ものやアイドルのリスナーの側でも、King Gnuは一緒によく聴く上位40組に入るほどは聴かれていないことです。 King Gnuの月間リスナーは635万人と多いものの、そのリスナーが一緒に聴く相手は「主流J-POP・ロック」の中でほぼ完結している、と解釈できます。 「主流J-POP・ロック」は16組を抱える大きな圏なので、そのリスナーにとっては、一緒によく聴く相手の多くが同じ圏の中でそろうのかもしれません。 反対にback numberやあいみょんさんは、多くの圏のリスナーから一緒に聴かれる、「圏と圏のあいだ」の位置にあると考えられそうです。 *** 関心あるアーティストが、どの圏のアーティストと一緒に聴かれているのか、止めながら探してみてください!
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NewJeansとITZYという、5人組の2グループのダンスを骨格推定で解析し「5人が別々の振りをしている時間がどれくらいあるか」を可視化しました。NewJeansのプロデューサーだったミン・ヒジンさんはNHKのインタビューで「Hype Boy」について、典型的な一糸乱れぬ群舞とは違う振り付けが必要だったと語って います。実際に解析してみると、NewJeansさんは曲のほぼ半分の時間で5人に別々の振りを踊らせていて、しかもその「揃えなさ」は、別の日に撮り直した動画でもほとんど同じ形で再現されます。 一方のITZYさんは、5人の手足の向きが平均10度ほどのずれに収まる、精密な揃い方を見せています。 分析対象曲は、NewJeans「Hype Boy」と、ITZY「WANNABE」です✍ ■ 動画の見方 上の青がNewJeansさんの「Hype Boy」(2022年)、下の赤がITZYさんの「WANNABE」(2020年)です。 どちらも、カメラが動かない定点の練習動画を対象としていて、棒人間は映像から推定した関節の位置を、実際の立ち位置にそのまま描いたものです。 ふだんは4倍速で再生し、5人が別々の振りをしている場面に入ると、背景が暗くなって2倍速に落ちます。 その場面では、手首と足首の直前2秒の軌跡が光ります。 光る線の色は、そのとき左から何番目に立っているかで分けているので、5本の線が別々の方向へ伸びていれば、5人がそれぞれ違う動きをしているということです。 とくに別々の振りがはっきりしている3か所は、1倍速で再生しています。 2組はそれぞれ自分の場面で速度が落ちるので、2本の再生位置は少しずつずれていきます。 右上の数字は、5人から2人を選ぶ10通りの組み合わせのうち、その瞬間に「違う形」をしている組の数です。 0なら5人全員が同じ形、10なら5人全員がばらばらの形ということになります。 棒人間の下の帯は、「違う形」をしている2人組の割合の移り変わりで、帯の上の色の印が「5人が別々の振りをする場面」です。 帯に重ねた濃いグレーの線は、YouTubeの「最も再生された部分」で、線が高いほど何度も見返されている場面です。 ■ NewJeansは曲のほぼ半分で5人が別々の振りをする 5人が別々の振りをしている時間は、NewJeansさんが曲の47%、ITZYさんが23%です。 NewJeansさんは曲のほぼ半分、ITZYさんは4分の1ほどの時間、5人に別々の振りを当てているということです。 場面の数で見ると、NewJeansさんが26か所、ITZYさんが14か所です。 NewJeansさんの帯の上には、短い場面から長い場面まで、曲の頭から終わりまで印が並んでいます。 ここでの「別々の振り」は、5人の手足8か所(上腕・前腕・太もも・すね)の向きを比べ、その差が平均25度を超えている時間です。 どこがばらけているかを部位ごとに見ると、5人の腕の向きが大きく開いている時間は、NewJeansさんが75%、ITZYさんが54%です。 脚では、NewJeansさんが34%、ITZYさんが16%です。 NewJeansさんでは、とくに腕の動きを1人ずつ変えている時間が長く、脚まで別々にする場面もITZYさんの2倍ほどあるということです。 ■ ITZYは5人の手足が平均10度ほどのずれで揃う では、ITZYさんの揃い方はどれくらいのものなのでしょうか。 5人全員が同じ形をしている時間は、ITZYさんでは曲の27%あります。 5人から2人を選ぶ10通りの組み合わせが、すべて同時に同じ形に収まっている時間が、曲の4分の1を超えているということです。 その場面の5人の手足の向きのずれは、平均9.7度です。 5人の腕や脚の角度が、10度に満たない幅の中にそろって収まっているということです。 タイミングでも、同じ振りを踊っている2人の動きのずれが1コマ(30分の1秒)以内に収まる割合は73%で、今回比べた中で最も高い値です。 拍ごとに5人の動きの山がどれくらい散らばるかも50ミリ秒(20分の1秒)ほどで、こちらも最も小さい値です。 形もタイミングも、5人がほとんど同じ瞬間に同じ角度を通過していて、数字の上でも際立って精密な群舞だということです。 比べるために、同じHYBE傘下のLE SSERAFIMさん「ANTIFRAGILE」の練習動画も同じ方法で解析すると、5人が別々の振りをする時間は曲の17%で、ITZYさんと近い値です。 5人全員が揃う時間の長さは、ITZYさんとLE SSERAFIMさんでほぼ同じで、NewJeansさんだけが大きく離れています。 ■ 揃えない場面は撮り直しても同じ ここで気になるのは、NewJeansさんの「揃っていない時間」が、振り付けとして決められたものなのか、それとも踊るたびに自然にずれた結果なのか、ということです。 NewJeansさんの「Hype Boy」には、衣装の違う練習動画がもう1本(ver.2)あります。 ver.2でも、5人が別々の振りをする時間は曲の48%で、ver.3の47%とほぼ同じです。 さらに2本の音を合わせ、同じ瞬間の5人の形を突き合わせると、5人が別々の振りをしている場面のうち81%で、1本目の5人それぞれの形が、もう1本でもだれかによって再現されています。 時刻を数秒ずらして突き合わせると、この割合は1〜3%まで下がります。 「たまたま似た」のではなく、「だれかが腕を上げ、別のだれかは腕を下ろす」という「揃えなさそのもの」が、撮影のたびに同じ形で出てくるということです。 ■ 揃える場面の精度は2組で変わらない では、NewJeansさんが揃える場面では、どれくらい揃っているのでしょうか。 5人全員が同じ形をしている場面の手足の向きのずれは、NewJeansさんが平均10.6度、ITZYさんが9.7度、LE SSERAFIMさんが9.9度です。 違いは1度ほどで、揃えるところでは、NewJeansさんもITZYさんやLE SSERAFIMさんとほぼ同じ精度で揃えているということです。 比べるために、ITZYさんの骨格にわざと手足の揺らぎを足し、5人が揃う時間をNewJeansさんと同じ程度まで減らしてみると、揃った場面のずれは14度ほどに広がります。 もしNewJeansさんの揃わなさが、全体に動きがずれやすいことから来ているのであれば、揃った場面のずれもこのくらい大きくなるはずですが、実際はそうなっていません。 NewJeansさんは「揃える場面は正確に揃え、揃えない場面は毎回同じように揃えない」という振り付けを踊っている、ということになります。 タイミングでは、同じ振りを踊っている2人のずれが1コマ以内に収まる割合が、NewJeansさんで63%、ITZYさんで73%と、NewJeansさんのほうがやや大きく、ここには2組の違いが少し出ています。 ■ ミン・ヒジンが語った「自然さ」 ミン・ヒジンさんはNHKのインタビューで、「Hype Boy」には胸が高鳴るようなメロディーがあり、その感覚を伝えるためには、典型的な一糸乱れぬ群舞とは違う振り付けが必要だったと話しています。 正確なフォーメーションや、切れのある揃った動きはNewJeansの曲にはあまり合わず、求めたのは、グルーヴのあるメロディーとビートに「とても自然に乗る」ことだった、という趣旨です。 また、自然さはNewJeansの「強み」ではあっても「コンセプト」にはできない、自然さをコンセプトにするとかえって作為的になる、とも語っています。 今回の数字は、この言葉と重なる部分があります。 NewJeansさんの「自然さ」は、揃え方がゆるいこと"ではなく"、5人に別々の振りを割り当てる振り付けの作りの中に、あらかじめ書きこまれているということなのかもしれません。 *** 以下、仮説も含みますが、感じたことを書き留めておきます。 *** 意図的に揃えない振り付けは、揃える振り付けとは別の難しさを持っているように思います。 全員が同じ振りを踊る場面では、隣のメンバーの動きを手がかりにして、自分の動きを合わせることができます。 一方、5人が別々の振りを踊る場面では、隣を見ても自分の手本にはなりません。 それぞれが自分だけの振りを、自分の体の中のタイミングで踊りきる必要があります。 そのうえでNewJeansさんは、別の日の撮影でも8割の場面で同じ「揃えなさ」を再現していて、しかも揃える場面に戻れば、ITZYさんと同じ精度で揃えています。 ばらばらに見える自由な雰囲気を、毎回同じ形で作り出すこと自体が、高い精度を求める作業なのではないでしょうか。 *** ITZYさんの揃い方は、その反対側にある精密さです。 5人の手足が平均10度ほどのずれで同じ角度を通過し、動きの山が20分の1秒の中に集まる群舞は、5人が同じ振りを同じ解釈で共有していなければ生まれません。 5人が1つの形として動くことで、客席からは5人分の動きが1つに重なった、大きな形として見えるのだと思います。 *** どちらも、5人の体をどう使うかについて、はっきりした設計があるという点では同じです。 ITZYさんは5人を1つの形として見せる時間を長くとり、NewJeansさんは5人を5つの別々の動きとして見せる時間を長くとっています。 同じ5人組でも、揃えることと揃えないことのどちらを選ぶかで、ここまで違う群舞になるのは、実に興味深く、深い感動を覚えます...! ■ ご注意! ・「別々の振り」は、5人の手足8か所(上腕・前腕・太もも・すね)の向きの差の平均が25度を超える時間(1秒平均)です。「違う形」は、2人の手足の向きの差が平均20度以上の組です。どちらも左右を反転した振りは同じ形とみなしています。 ・骨格推定において、人の重なりで隠れた手足は判定から外しています。 ・撮り直しの比較は、NewJeansさんの「Hype Boy」の練習動画2本(ver.3とver.2、衣装が違う別の撮影)で、音を合わせて0.49秒ずらしています。メンバーの区別は使わず、5人の形どうしをいちばん近い組み合わせで突き合わせています。ITZYさんとLE SSERAFIMさんには撮り直しの動画がないため、この比較はしていません。 ・「揃える場面のずれ」は、5人全員が同じ形に収まっているコマだけで出しています。揺らぎを足した比較は、手足ごとに独立した揺らぎを足した単純な模擬です。 ・タイミングは、同じ振りを踊っている2人の、2秒ごとの手足の動きのずれから出しています。30分の1秒より細かい差は、映像のコマの粗さに近く、はっきりとは言えません。 ・NewJeansさんの「揃えない場面」を小さな組(2人と3人など)に分けて揃えているかも調べましたが、揺らぎを足したITZYさんと区別できるほどの違いは出ません。揃えない場面の形は「メンバーごとに違う」と言うのが正確です。 ・ミン・ヒジンさんの発言は、NHKのインタビューの英語の文字起こしをもとに要約したものです。韓国語の原発言での言葉づかいは確かめていません。 ・「最も再生された部分」は2026年10月22日に取得したもので、最も多い区間を1とした相対値です。 ・比べたのは各グループ1曲ずつです。 ■ 対象動画 ・NewJeans (뉴진스) 'Hype Boy' Dance Practice (ver.3)(NewJeans公式チャンネル、2022年8月28日公開) ・NewJeans (뉴진스) 'Hype Boy' Dance Practice (ver.2)(NewJeans公式チャンネル、2022年8月26日公開)※撮り直しの比較のみ ・ITZY "WANNABE" Dance Practice(ITZY公式チャンネル、2020年3月11日公開) ・LE SSERAFIM (르세라핌) 'ANTIFRAGILE' Dance Practice (Fix ver.)(LE SSERAFIM公式チャンネル、2022年10月20日公開)※比較のみ ・ミン・ヒジンさんのインタビュー:【NewJeans誕生秘話】ミン・ヒジン「固定観念を壊したい」|プロデュース術に迫る独占インタビュー|NHKスペシャル
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K-POP版も「運営会社をまたいで一緒に聴かれるグループの関係」を動画にしました。&TEAMを含む35組を1組ずつ3秒止めて制作していますので、気になるグループで一時停止してみてください⏯️ ■ 動画の見方 円の上半分にボーイズグループ、下半分にガールズグループを並べています。 円が回って、そのとき取り上げているグループが左の中央で止まります。 色の付いた線の先にいるのが、別の運営会社で、互いのページの「ファンの間で人気」に並ぶグループです。 一緒に聴かれることが多いとみられる相手で、線が太いほど、互いのページの上のほうに並んでいます。 画面下の数字は、こうした「他社で互いのページに並ぶグループ」の数です。 同じ運営会社どうしは数にも線にも入れていないので、HYBEのグループは、ほかのHYBEのグループとのつながりがここに出てきません。 最後の場面では、ボーイズとガールズをまたぐ線だけを残しています。 ■ 着目したいグループ ●ATEEZ(0秒ごろ) 他社で互いのページに並ぶグループが23組あり、ボーイズの中でいちばん多くなっています。 そのうち10組はガールズグループで、LE SSERAFIM、aespa、ITZYなど、運営会社もばらばらです。 ●ENHYPEN(34秒ごろ) ガールズとのつながりは10組で、ATEEZと並んでボーイズの中で最多です。 aespa、TWICE、BABYMONSTERと、HYBEの外のガールズグループと広くつながっています。 ●&TEAM(44秒ごろ) 他社で互いのページに並ぶのは6組で、ZEROBASEONE、NEXZ、RIIZEなど、すべてボーイズグループです。 ●CORTIS(48秒ごろ) いちばん太い線の相手は、MORE VISIONのLNGSHOTです。 その次に太いのが、SMのHearts2Heartsとaespaの2組で、ガールズグループが続きます。 ●NiziU(1分15秒ごろ) 35組の中で、他社で互いのページに並ぶ相手がいないのはNiziUだけです。 同じJYPのTWICEやITZYとも並ばないので、線が出ていないのは同じ運営会社の線を省いたからではありません。 ●MEOVV(1分35秒ごろ) 他社で互いのページに並ぶグループは23組あり、ATEEZと並んで35組の中で最多です。 太い線の相手は、aespa、LE SSERAFIM、BABYMONSTERと、3社のグループに分かれています。 ●最後の場面(1分59秒ごろ) ボーイズとガールズの組み合わせ300通りのうち、互いのページに並ぶのは91通り(30%)で、日本のアイドルの5%を大きく上回ります。 残っている線は他社どうしの70本で、同じ運営会社の21通りは描いていません。 *** 動画を1組ずつ止めて見ると、リスナーの聴き方について、仮説も含めて2つのことが見えてきます。 1つ目は、デビューから間もないグループほど、他社のグループと一緒に聴かれやすいかもしれないことです。 他社で互いのページに並ぶグループは、MEOVVが23組、BABYMONSTERとKISS OF LIFEが22組なのに対し、BLACKPINKは13組、Red Velvetは12組です。 新しいグループは、運営会社を問わず新曲が並ぶプレイリストなどから聴かれ、長く活動するグループは、そのグループを目当てにするファンに聴かれているのかもしれません。 (BTSの6組、SEVENTEENの3組は、HYBEどうしのつながりを省いている分だけ少なく出ています。) 2つ目は、男女をまたぐ聴き方が、一部のグループを入口にしている可能性です。 ガールズと10組つながるATEEZやENHYPENがいる一方で、P1Harmony、NEXZ、&TEAMのようにガールズとのつながりが0のボーイズグループもあります。 男女の両方を聴くリスナーは、K-POP全体に均等にいるのではなく、特定のグループのまわりに集まっているようです。 これも掘ってみるとおもしろそうですね...! *** 関心あるグループが、どの運営会社のグループと一緒に聴かれているのか、止めながら探してみてください。
徒然研究室✍🏻153,249 views • 26 days ago

東京都の出生数が9年ぶりに増えた背景には、出産年齢にある女性の東京への集中があると見られます。住民基本台帳のデータから20代と30代の女性の移動を視覚化してみると、「20代で東京に集まり、30代になっても東京を離れない」という流れが加速していることがわかります✍ここでの「加速」はコロナ期 の2021年と比べた変化です。日本人に限った統計でコロナ前の2019年と比べると、20代の転入超過(約4.3万人)に近い水準まで戻ったところで、大きく変わったのは30代のほうだと考えられます。 *** 図は、東京都と他の道府県とのあいだで、1年間に女性がどれだけ移動したかを、差し引き(東京への転入−東京からの転出)で示したものです。 上段が20代、下段が30代、左が2021年、右が2025年です。 東京への転入超過になっている道府県からは、20代はオレンジ色、30代は青緑色の点が東京へ向かい、東京からの転出超過になっている道府県へは灰色の点が東京から向かいます。 点は約100人で、東京に着いた点は下の棒に積み上がり、点線はもう一方の年の値を示しています。 *** まず20代です。 20代の女性の東京への転入超過は、2021年の約2.9万人から2025年は約4.1万人へと、「約1.4倍」に増えていました。 どちらの年も、東京への転入超過になっていたのは46道府県すべてで、東京から出ていく人のほうが多い道府県は一つもありません。 東京は、進学や就職の時期の女性を、日本中から集め続けていることになります。 興味深いことに、この4年間の増加分(約1.1万人)のうち約4.5割は、神奈川・埼玉・千葉の3県からの増加でした。 3県からの転入超過は、2021年の約2,500人から2025年は約7,500人へと、3倍になっています。 遠くの地方からだけでなく、東京のすぐ隣からも、20代の女性が東京へ移る動きが強まっているようです。 *** 次に30代です。 2021年の30代の女性は、東京から約1.0万人の転出超過でした。 その約8割は神奈川・埼玉・千葉の3県へ向かうもので、結婚や子育ての時期に、東京から隣の県へ移る流れがはっきり見えていました。 それが2025年には、差し引き+352人と、ほぼ出入りが釣り合う状態になっています。 埼玉と千葉へはわずかに出ているものの、神奈川とのあいだは東京への転入超過に変わりました。 都の見解にある「定着」の動きは、この統計でも確認できます。 ただ、日本人に限った統計を見ると、2012年の30代の女性の差し引きは約1,500人のわずかな転入超過で、2019年も約2,000人の転入超過でした。 30代の大きな転出超過はコロナ期に一時的に膨らんだもので、2025年はそれ以前の状態に戻った、とも言えそうです。 *** この2つを重ねると、東京で何が起きているのかの見取り図が見えてきます。 20代で全国から女性が集まり、30代になっても東京を離れなくなると、結婚や出産の年齢にある女性が東京に積み上がっていきます。 国勢調査2025でも、全国の25〜39歳の女性のうち東京に住む人の割合は15.4%と、過去最高になっていました。 出産を控えた人が東京へ移ってくるのではなく、その数年前に移ってきた女性が、そのまま東京で出産の時期を迎えている、という流れです。 都の出生数の増加は、こうした人口の積み上がりを土台としながら起きていると考えられます。 一方で、全国で見ると出生数は減り続けていて、東京の増加は、減っていく日本全体のなかで東京の割合が高まっている形でもあります。 「子どもが生まれる場所」が、少しずつ東京に集まっていく構造が、人の移動から見えてくるのかもしれません。 *** 今回の分析から読み取れたのは、次の4点です。 ●20代の女性の東京への転入超過は、2021年の約2.9万人から2025年は約4.1万人へ増え、どちらの年も46道府県すべてから東京へ ●その増加分の約4.5割は、神奈川・埼玉・千葉の隣接3県から ●30代の女性は、2021年の約1.0万人の転出超過から、2025年はほぼ均衡に ●20代で集まり30代で離れない流れが、出産年齢の女性を東京に積み上げ、出生の増加の土台になっているとみられる *** なお、いくつか留保があります。 図の数字はすべて転入と転出の差し引きで、20代でも30代でも、東京への転入と東京からの転出はそれぞれ年に数万人規模であります。 道府県別の移動の統計は、2021年は日本人だけの内訳がないため、両年とも外国人を含む移動者の数字を使っています。 2021年はコロナ期の影響を強く受けた年で、2時点の比較には、その年の特殊さが含まれています。 30代の転出超過が縮んだ理由が、子育て支援なのか、住宅や働き方の変化なのかは、この統計からは分かりません。 点の動きは表示用で、特定の個人の移動を表すものではありません。 本分析は、政府統計総合窓口e-StatのAPI機能を使用して取得した、総務省「住民基本台帳人口移動報告」と総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計」を加工して作成しています。 地図は地球地図日本(国土地理院)をもとに作成しています。 内容は国によって保証されたものではありません。
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Mrs. GREEN APPLEさんの『POPS』と、2023年以降の日本のSpotifyで新曲の初週再生数が最も多かったBTSさんの『ARIRANG』の比較を、10月10日までのデータで更新しました✍初週まではほぼ重なっていた2本の線が、2週目に入って離れ始めています。『ARIRANG』は8日目に180万回台まで下がったのに対し 『POPS』は200万回前後を4日ほど保っています。 12日目では『POPS』が25万回上回っています。 8〜12日目の5日間の合計で見ても、『POPS』は972万回、『ARIRANG』は879万回でした。 ただし、曜日の違いには注意が必要です。 日本のSpotifyは土日に再生数が増える傾向があり、『POPS』の12日目は土曜日、『ARIRANG』の12日目は火曜日にあたります。 一方で8〜12日目の5日間では、土日を多く含むのは『ARIRANG』の側です。 なお12日目は、『POPS』の新曲1曲(「プロジェクト4」)が200位の圏外に落ちています(新曲10曲のうち9曲だけがチャート内)。 圏外の曲は集計に入らないため、12日目の『POPS』の値は実際よりわずかに少なくなっています。 その差は、200位の再生数から見て最大でも約5万回です。 『ARIRANG』は11日目以降、1日150万〜190万回ほどで推移しました。 『POPS』が同じような水準に落ち着くのか、高い位置を保つのかは、引き続きデータで確かめていきたいと思います。 ※日本のSpotifyデイリーチャート上位200曲の集計で、世界全体の再生数ではありません。 1日目は『POPS』が2026年9月29日、『ARIRANG』が3月20日です。
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「人口の減少数が最も多かったのは横須賀市の2万3100人で続いて横浜市金沢区」とのことで、自然減も含んでの減少かと思いますが、徒然研究室で横浜市への転入/転出フローを視覚化した際も横須賀市から横浜市への転入が目立っていました。特に金沢区への転入が多いのですが、その金沢区も都内や平塚市に 対して人口を失っています。 この構図についてもう少しデータから考えてみたいと思います。 *** 住民基本台帳(令和7年中)のデータを20人以上の純移動フローに絞ると、横須賀市から横浜市への転入超過は合計800人にのぼります。 中でも金沢区への229人が突出しており、これは横浜市全フローの中でも第2位の規模です(第1位は鶴見区←大田区の335人)。 京急本線で直結し地理的にも隣接する金沢区が、横須賀市からの人口の受け手になっていることがうかがえます。 ところが、その金沢区自身は横須賀市からの229人を上回る規模で他地域へ人を失っており、純移動では-201人の転出超過です。 出ていく先は品川区(42人)、大田区(42人)、平塚市(39人)など。 京急沿線で都内へ向かう流れと、より手頃な郊外へ向かう流れの両方がみられます。 *** 横浜市全体でみても、転入128,419人に対して転出131,413人で、純移動は-2,994人です。 少なくとも横浜市側のデータからは、 「横須賀市 → 横浜市 → 東京都区部」 と、まるで玉突きのように人口が都心方向へ押し出されていく構図が読み取れます。 横須賀市から800人を受け入れつつ、東京都区部へ約1,800人、町田市へ1,036人、大和市へ680人を送り出している。 これはあくまで横浜市側から見た景色ですが、国勢調査で報じられた横須賀市や金沢区の人口減少の背景の一端が、このフローデータにも表れているように思えます。 アニメーションでは、転入・転出それぞれのフローをドットの流れで表現しています。 ドットの量・大きさがフローの大きさに対応しており、横須賀市から金沢区への太い流入や、東京都区部・町田市方面への流出の様子が直感的に確認できるかと思います。 *** 本分析は、横浜市「横浜市の人口 ― 令和7年中の人口動態 ―」の第15表(移動前・移動後住所地別転入転出者数)を加工して作成しており、純転入超過/転出超過が20人以上のフローを対象としています。
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世界各地で進む「洋楽離れ」ですが、日本でストリーミング1億回を超えた洋楽は、71曲あります。うち41曲、58%が2018年以降のBillboard JAPAN Hot 100にほとんど入らないまま1億回に届いた「圏外億ヒット」なのです。邦楽では816曲中249曲で31%、K-POPでは108曲中19曲で18%なので、洋楽の割合は邦楽の およそ2倍になります。 つまり、日本で1億回を超えた洋楽は、邦楽やK-POPと比べて、ヒットチャートには映らないところで聴かれ続けて届いた曲が多いということになります。 グラフの上段は、1億回を超えた曲を邦楽・K-POP・洋楽に分け、2018年以降のHot 100への入り方の内訳を並べたものです。 枠で囲んだ左側の紺と灰色が、在位2週以下の圏外億ヒットを表しています。 下段は、洋楽71曲をリリース年ごとに積み上げたもので、年の帯より上がHot 100に3週以上入った曲、下が圏外億ヒットです。 2018年以前にリリースされた52曲では38曲(73%)が圏外億ヒットですが、2019年以降の19曲では3曲(16%)にとどまっています。 41曲のリリース年を見ると、中央値は2014年で、35曲が2017年以前の曲です。 Bruno Marsさんの「Marry You」「The Lazy Song」、Justin Bieberさんの「Love Yourself」、Ed Sheeranさんの「Thinking Out Loud」、One Directionさんの「What Makes You Beautiful」などが並んでいます。 このうち23曲は、Hot 100にストリーミングが合算される前の2017年以前にだけチャートインしていた曲です。 Taylor Swiftさんの「Shake It Off」は2017年以前に103週チャートインしていましたが、2018年以降は2週、最高84位にとどまっています。 2019年以降の3曲のうち、OneRepublicさんの「I Ain't Worried」やCharlie Puthさんの「I Don't Think That I Like Her」は、Hot 100に一度も入らないまま1億回に届いています。 2024年8月の徒然note記事「「洋楽離れ」をデータから検証する」では、日本の2023年のストリーミング上位100曲に洋楽が1曲も入らなかったことを出発点に、Spotifyの各国のチャートを比べました。 アメリカのチャートと共通する曲は、3年間でメキシコを除くすべての国で減っていて、日本はその中でも比較的大きく離れている側にありました。 「洋楽離れ」は日本だけで起きていることではなかったのです。 その記事では、アメリカのヒット曲離れが進んでいても、アメリカやイギリスの曲そのものが聴かれなくなったとは限らない、とも書いています。 「日本のチャートには登場しないけど、じわじわと聴かれているアメリカのアーティスト」もいるはずだ、という推測でした。 今回の41曲は、その推測を裏づけるものの1つです。 チャートの上位から洋楽が減っても、10年前の定番曲は、週ごとのチャートには映らないところで聴かれ続けているのです。 だから、「ヒットチャート」の上位100曲や200曲を見ているだけでは、日本で洋楽がどれだけ聴かれているのかは、見えにくいものなのかもしれません。 *** なお、圏外億ヒット309曲は、Spotifyのプレイリストにまとめています。 *** ※圏外億ヒット=徒然研究室の定義で、Billboard JAPAN「ストリーミング1億回突破曲一覧」(2026年9月8日更新)の曲のうち、ストリーミングが合算されるようになった2018年以降のHot 100に、ほとんど入らない(在位2週以下)まま1億回に届いた曲(309曲) ※洋楽=欧米などのアーティストの曲(シェネルさんの3曲を含む)。K-POPは韓国のアーティストの曲
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東京でキッチンカーが増え続けています。都の統計では、23区のキッチンカーの営業許可は2024年度末に4,865件あり、10年で約2.4倍になっています。そのキッチンカーが1週間でどう動くのかを、出店予定のデータから視覚化してみました(出店場所仲介サービス「SHOP STOP」掲載の23区内の10月5日〜9日の平日5日間の予定より)。立方体の1個が1店で、色は料理のジャンルです。 毎朝、およそ150台のキッチンカーが「前の日とは別の出店場所」へ向かいます。 その日に出店する店の約半分にあたり、5日間でのべ593回の移動になります。 2日続けて出店する店で、前の日と同じ場所に出る店は1台もありません。 1日1か所に出る店のうち、4台に3台は5日の間に2か所以上を回っています。 都心のオフィス街では、「客が店へ行く」のではなく、「店のほうが毎日場所を変えて客のところへ来ている」というわけです。 いちばん長距離を移動しているのは、ナシゴレンを売る「Kopi Bali Truck」です。 月曜は新宿フロントタワー、 火曜は神田の興和一橋ビル、 水曜は新宿イーストサイドスクエア、 木曜は平和島の東京流通センター、 金曜は大手町プレイス に出ていて、出店場所どうしの直線距離だけで5日で36.5kmになります。 新宿の高層ビルの昼休みと、物流センターの昼休みを、同じ1台のナシゴレンがつないでいるわけですね。 2番目に長い「O’s kitchen」は、サバキーマカレーを積んで、三田のオフィスビルから足立区の病院、新宿の高層ビル2か所、麹町へと回っています。 3番目の「Pizza Wagon Licht & Luce」は、東雲・赤羽・平井・東陽町のマンションを回っていて、同じように長く動く店でも、こちらはオフィスではなく住まいの側を巡っています。 移動する店の1週間の距離は、中央値で約9kmです。 20km以上動く店は1割に満たず、多くの店は近い範囲の出店場所を行き来しているようです。 1回の移動は、中央値で約4kmです。 店ごとに回る出店場所の範囲も、半分の店は約6km以内に収まっていて、それぞれの店が決まった範囲の中を毎日動いている様子がうかがえます。 このデータから見えてくるのは、ランチが「決まった店に客が通う」ものから、「日替わりで店がやってくる」ものに少しずつ変わりつつある、という都市の姿です。 出店場所の7割はオフィスビルで、ビルの広場や空きスペースが、毎日ちがう店を迎える「日替わりの食堂」になっているわけですね。 働く人から見れば、同じビルの下に、毎日ちがう料理がやってきます。 店から見れば、毎日ちがう街の、ちがう客のもとへ通っていることになります。 よくよく考えたら実に興味深い生態系です。 コロナ禍のあとテレワークが定着し、都心のオフィスに毎日全員が出社する働き方は戻りきっていないと言われます。 それでもキッチンカーの許可は増え続けています。 曜日ごとの出店数を見ると、火曜から木曜が多く、月曜は1割ほど、金曜もやや少なくなっていて、出社する人が週の半ばに集まる働き方の波と重なって見えるのも興味深いところです。 客の数が日によって揺れる時代に、家賃のかかる店を構えるより、「需要のある場所へ毎日動ける店」のほうが合っているのかもしれません。 キッチンカーの増加は、都心の昼の需要がなくなったことではなく、日ごとに揺れるようになった人の流れや食の需要に、店のほうが動いて合わせていることを示しているようにも見えます。 おもしろい...! *** 以上はは1週間分の予定から読み取れる範囲の解釈で、働き方との関係はこのデータだけでは確かめられません。 ※出店予定に基づく集計で、中止になった日を含む可能性があります。 距離は続けて出店した平日どうしの出店場所の直線距離で、実際の走行距離はこれより長くなります。 範囲は、1週間に回った出店場所どうしの最も遠い距離です。 営業許可は飲食店営業・喫茶店営業・菓子製造業の自動車の許可施設数(各年度末)です。 店は店名単位で数えていて、同じ日に複数の場所に出す70店は移動の集計から除いています。 出典: 東京都保健医療局「食品衛生関係施設数一覧」、株式会社Mellow「SHOP STOP」出店予定(
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HALCALIさんの快挙に際して興味深いのは、このランキングで「2020年代の曲が0曲」な点です✍TikTok Japanが昨日発表した「Songs of the Summer 2026」日本版TOP10のリリース年を視覚化してみました(順位はTikTok上エンゲージメントに基づく公式集計)。最も新しい曲でも2019年、最も古い曲は1999年で 平均すると16年前の曲群です。1位はHALCALIさん「おつかれSUMMER」(2003年)でした。 徒然研究室では2025年6月から、「おつかれSUMMER」がアメリカや旧ソ連圏で先に広がり、日本へ戻ってくる構造を追ってきました。 今年5月に徒然研究室がReal Soundさんに執筆した記事のときには65億回超だったTikTok総再生回数は、今回の発表では8月時点で100億回を超えているとのことです。 これは今年だけの偶然なのでしょうか? *** 今回のランキングを昨年版と並べてみると、様相が1年で反転していることがわかります。 「2025年夏」のTOP10は2020年代の曲が7曲、10年以上前の曲が3曲でした。 「2026年夏」は2020年代が0曲、10年以上前が9曲です。 両方の年に入ったのはYUIさん「SUMMER SONG」(2008年)だけでした。 公式リストはこの2年分しかないので傾向と呼ぶにはまだ早いのですが、向きははっきりしているように見えます。 *** 次に気になったのは、「古い曲」を一括りにしてよいのか、という点です。 そこで同じ夏のSpotify日本デイリーTOP200とBillboard JAPAN Hot 100を2023年まで遡ってみると、今回の10曲は3つの群に分かれることがわかります。 ひとつめは、「毎年夏に帰ってくる曲」です。 aikoさん「花火」は2023年から4年連続で夏に両チャートへ戻り、YUIさん「SUMMER SONG」もSpotifyで3年連続です。 ふたつめは、「今年になって浮上した曲」です。 サカナクションさん「夜の踊り子」(2012年)は2023〜2025年の夏には両チャートに一度も現れず、今年4月にSpotify日本に187位で入ってから、5月にBillboard JAPANで最高2位、6月にSpotify日本で1位に達しました。 リリース時の2012年に記録した最高位2位に、14年ぶりに並んだかたちです。 そしてみっつめは、「配信チャートには現れない曲」です。 10曲のうち6曲は、同じ夏のSpotify日本TOP200にもBillboard JAPAN Hot 100にも一度も入っていませんでした。 1位の「おつかれSUMMER」も、Spotify日本のデイリーTOP200には2023年以降一度も現れていません。 「ショート動画の夏」と「サブスク配信の夏」は、別の時間軸で動いているのかもしれません。 先日徒然研究室がX記事として公開した「痩せゆく音楽中間層」仮説で見た、ショートと配信の重なりの縮小が、夏の1位にも当てはまっているように思えます。 *** もうひとつ、グラフの↑段には「その年に16歳だった人の今の年齢」を添えてみました。 平均のリリース年2010年に高校1年生だった人は、今32歳です。 TikTokの若いユーザーにとっては、「懐かしい曲」というより「初めて出会う曲」が多いはずです。 このランキングのグローバル版の世界1位のKaty Perry「The One That Got Away」も2010年のアルバム収録曲で、日本版の平均と同じ16年前でした。 昨年徒然研究室が「鮮度から発酵へ」と書いた見立ての続きとして、来年も同じ動きが続くのか、注目したいと思います...! *** なお、リリース年は各音源の初出年(カバー曲はそのアーティスト版の年)で、配信チャートとの照合はSpotifyが8月27日、Billboard JAPANが8月26日公開週までのデータです。
徒然研究室✍🏻32,787 views • 2 months ago

Wikipediaが公開している閲覧数データを視覚化してみました。英語版Wikipediaの人間による閲覧数は、8年間ほぼ変わらなかったのに、2025年になって初めてはっきりと減少しています✍️使ったのはWikimedia Analytics APIの月次データです。2015年7月から2026年5月まで、主要な言語版ごとに「人間による ページビュー」と「自動(bot等)によるページビュー」が取得できます。 まず、主要21言語版の人間閲覧数を合計すると、2016年から2024年までは月140億〜150億回でほぼ横ばいでした。 それが2025年は月平均131億回、2026年(5月まで)は119億回まで下がっています。 英語版だけでも同様で、8年続いた月76億〜77億回から、2025年に71億回、2026年に67億回へと落ちました。 確実に言えるのは、 「人間によるWikipedia閲覧が、2025年に、長年の横ばいを割り込んで減り始めた」 という事実です。 *** 次に気になるのは「減り方の中身」です。 考えられるのは二つで、「訪れる人そのものが減った」のか、「訪れる人は変わらず、一人あたりが見るページ数が減った」のか、です。 英語版を「閲覧数」「ユニークデバイス(訪問者数の近似)」「一人あたり閲覧数」に分けてみると、訪問者数は横ばいから微増で、減っているのは一人あたりの閲覧数のほうでした。 ここで確実なのは、訪問者は減っていない、という一点です。 「AIが浅い調べものを肩代わりし、深く読みたい人だけが残った」という解釈とも相性は良いのですが、これはまだ可能性の段階です。 *** というのも、一人あたり閲覧数は、生成AI登場よりずっと前の2017年ごろから、すでに年10%前後のペースで下がり続けていたからです。 スマートフォンへの移行や、検索結果に出る要約パネルの普及など、長年の流れによるものと考えられます。 アクセス手段別で見ても同じで、デスクトップは2018年の月36億回から2023年の25億回へと、AIが話題になる前から減っていました。 つまり「閲覧が浅くなる」傾向そのものはAI以前からのもので、この指標だけで生成AIの影響を取り出すことはできません。 *** そこで着目してみたいのが、前年同月比(YoY)です。 YoYはその月を1年前の同じ月と比べる指標で、季節の山と谷を打ち消せるぶん、増減の勢いが見えやすくなります。 これを並べると、生成AIの影響と思われる変化がいつ現れたのかが、はっきりしてきます。 ChatGPTが公開されたのは2022年11月ですが、それが丸一年フル稼働した2023年も、2024年の前半も、英語版の閲覧数はむしろ前年比でプラス(およそ+3〜+12%)でした。 風向きが変わったのは2024年の年央です。 GoogleがAI Overviews(検索結果の最上部にAIの要約を出す機能)を米国で本格展開したのが2024年5月で、その直後の7月から前年同月比はマイナスへ反転し、以後はマイナス3〜10%で定着しました。 確実に言えるのは、ChatGPTの登場では減らず、検索にAI要約が埋め込まれたあとから減り始めた、というタイミングの事実です。 因果そのものを断定はできませんが、この検証では重要な対比のように思えます。 この投稿に添付しているのが、その前年同月比のグラフです。 英語版(オレンジ)・日本語版(緑)・全言語版合計(青)の3本で、縦軸がYoY(%)、ゼロを下回った前年割れの領域を線ごとの色で塗っています。 赤い破線は、左がChatGPT公開、右がAI Overviews展開です。 英語版と全言語版合計が、ChatGPTの線では落ちず、AI Overviewsの線を境にマイナス側へ沈んでいくのが見て取れます。 緑の日本語版だけは動きが違いますが、これは後で触れます。 *** ちなみに2025年の数字には注意が要ります。 Wikimedia財団は2025年に、人間と数えていた閲覧の一部が、判定をすり抜けた高度なbotだったと発表し、2025年3〜8月分を人間から自動へ分類し直しました。 この付け替えが入ると、人間の行動が変わっていなくても、統計上の人間閲覧数は下がります。 ただ、減少が始まった2024年の年央は、この再分類(2025年3月〜)よりも前です。 少なくとも最初の反転については、統計処理の変更だけでは説明できません。 なお財団が公表した「人間閲覧 約8%減」は、この再分類を補正したあとの数字で、今回の傾向ともおおむね一致しています。 *** 言語版どうしの比較も試しました。 「AI Overviewsの展開が早かった英語版ほど大きく減ったはず」と考えたのですが、合計値で見るとインドネシア語版やヒンディー語版のほうが大きく減っており、単純比較では因果を取り出せませんでした。 bot再分類の出方や成長率の違いが、言語ごとに混ざってしまうためです。 日本の皆様が気になる日本語版は、英語版とは別の動きでした。 日本語版は、AI Overviewsが日本に届く前の2022〜2023年にすでに前年比で7〜9%ほど減っており、2024年後半から2025年は持ち直し、はっきり減り出したのはむしろ2025年末から2026年(6〜8%減)です。 冒頭のグラフでも、緑の線だけが2023年にいったん沈んで戻っているのが分かります。 英語版のような「AI Overviewsと同時に減り出した」タイミングの一致は無く、前史があるぶん、直近の減少をそのままAIのせいとは言い切れません。 裏を返せば、日本語版はAIの影響を受けにくい時期が長く、比較の“ものさし”に使えます。 それを生かしたのが、ワシントン大学のMehrzad Khosravi氏とHema Yoganarasimhan氏による2026年の論文、 「Impact of AI Search Summaries on Website Traffic: Evidence from Google AI Overviews and Wikipedia」 (AI検索要約がウェブサイトのアクセスに与える影響:Google AI OverviewsとWikipediaからの証拠、arXiv:2602.18455) です。 同じ記事を、英語版とAI Overviews未展開の4言語版(ヒンディー語・インドネシア語・日本語・ポルトガル語)で突き合わせる差の差分析により、AI Overviewsへの露出が英語版記事の日次アクセスを約15%減らした、と推定しています。 文化系の記事ほど影響が大きく、理工系では小さいという差もあり、短い要約で済む話題ほど置き換わる、という見立てと整合します。 ただしこれは2023年10月から2024年8月という約10か月の短期効果で、長期にわたって同じ大きさが続くかどうかは別の問題です。 それでも、今回の集計データが示す「2024年央の転換点」と、この研究の「約15%減」は、別々の角度から同じ向きを指しています。 *** ここから先は解釈ですが、生成AIがWikipediaに与える影響は、ひとつではなさそうです。 ひとつは、検索に埋め込まれたAI要約が、人間の浅い調べもののクリックを肩代わりし、人間閲覧を押し下げる方向。 もうひとつは、その要約やチャットの土台を作るために、AIの学習用クローラーが大量にアクセスし、機械閲覧を押し上げる方向です。 しかも後者の一部が人間のふりをしていたことが、2025年のbot再分類で分かりました。 人間の閲覧を減らすAIと、機械の閲覧を増やすAIが、同じ百科事典の上で同時に進んでいるように見えます。 Wikipediaはいまも、多くのAIの回答の出どころだと考えられます。 その情報源が、使われるほど人の訪問を失っていくとすれば、誰がこの百科事典を支えるのか、という問いが静かに残りそうです。 *** 最後に、今回の分析でわかったことを整理しておきます。 確実に言えるのは、 ●英語版・全言語版の人間閲覧数が2025年に、長年の横ばいを割って減ったこと ●減ったのは訪問者数ではなく、一人あたり閲覧数であること ●ChatGPTの登場では減らず、AI Overviews展開の直後から前年割れが定着したこと の三つです。 まだ断定できないのは、その減少のどこまでが生成AIによるものか、という因果の大きさです。 一人あたり閲覧数はAI以前から下がっていましたし、2025年にはbot再分類という別の要因も重なっています。 それでも、減少の始まりがbot再分類より前にあること、記事単位の先行研究も別の手法でAI Overviewsによる約15%減を示していることを合わせると、検索のAI要約がWikipedia離れの一因になっている可能性は高い、というのが今回の感触です。 世界最大の知識共有プラットフォームと、私たち人間の知識に対する向き合い方は、どう変わっていくのでしょうか。
徒然研究室✍🏻56,778 views • 5 months ago

2025年の人口動態統計の概数が公表されました。そこで全国の平均初婚年齢と合計特殊出生率が2000年からどう動いてきたのかを、一枚のチャートに並べて見比べてみました。晩婚化は2015年あたりで止まっているのに出生率だけが下がり続け、近年の低下は「結婚の遅れ」では説明しきれないように見えます。 2024年までは確定値を使い、そこに今回公表されたばかりの2025年の概数(全国の合計特殊出生率1.14、妻の平均初婚年齢29.7歳、夫31.0歳)を継ぎ足しています。 今回の概数公表では、2025年の出生数は67万1236人で過去最少、合計特殊出生率は1.14と10年連続の低下で過去最低を更新しました。 少子化の原因としてよく挙げられるのが「晩婚化」ですが、それが近年の低下を説明できるのでしょうか。 *** 今回作成した左のグラフが平均初婚年齢(晩婚化の度合い)、右のグラフが合計特殊出生率(TFR、女性1人が生涯に産む子どもの数の目安)です。 どちらも横軸は2000年から2025年で、2015年(出生率がピークだった年)から先にグレーの影をかけています。 左右で同じ期間を見比べてみると、左の平均初婚年齢は、2000年の妻27.0歳から2014〜15年の29.4歳まで急に上がったあと、ほぼ横ばいになっています。 直近でも妻29.7歳、夫31.0歳で、ここ10年の上昇は妻でわずか+0.3歳ほどにとどまります。 ところが右の出生率は、2015年の1.45から2025年の1.14へ、同じ期間に約21%も下がっています。 もし晩婚化が少子化の主因なら、晩婚化が止まった時点で出生率も下げ止まるはずです。 そうなっていない以上、近年の低下は「結婚の遅れ」というタイミングの問題では説明しきれないのでは?と思えてきます。 実際に、都道府県をまたいだ関係(初婚年齢が1歳上がるとTFRが下がる傾向)をそのまま当てはめても、2015年以降の出生率低下のうち説明できるのは4分の1ほどで、残りの大半は別の要因のようです。 では、その残りは何なのでしょうか? 手元の計算で、出生率を「結婚するか(有配偶率)」と「結婚した夫婦が産むか(有配偶出生率)」の二つに分けてみました。 すると興味深いことに、2015年から2020年の低下のうち、およそ4分の3が「夫婦が産む数の減少」によるものなのです。 晩婚化という時期のズレではなく、結婚した夫婦の出生力そのものの低下が、近年の主役になっているようです。 *** 各機関の分析もおおむね一致しているようです。 日本総研さんは同じ「有配偶率×有配偶出生率」の分解で、有配偶出生率が2015年以降に押し上げから押し下げへ転じ、その影響が年々強まっていると指摘しています。 そのうえで、婚姻率の低下を止められても、夫婦が持つ子どもの数の減少を改善できなければ、出生率の低下に歯止めはかからない、と述べています。 また日経新聞さんやニッセイ基礎研究所さんは、平均初婚年齢は2歳ほど上がったものの、最も多く結婚する年齢(最頻値)は今も昔も男女とも27歳前後で変わっていない、と指摘しています。 平均値が上がったのは一部の中高年の初婚が押し上げたためで、みんなが遅く結婚するようになったわけではない、という見方です。 つまり「晩婚化」という言葉が指すイメージそのものが、やや過大評価されているのかもしれません。 長い目で見れば、結婚そのものをしない未婚化(生涯未婚率は女性で2割近くまで上昇)が長く下押しを続け、そこに近年は夫婦の出生力低下が重なった、という二段構えの構図が透けてみえます。 なお社会保障・人口問題研究所さんの中位推計は、出生数が67万人台になるのは2040年ごろと見込んでいました。 それが2025年に到達してしまったわけで、想定より15年ほど早く少子化が進んでいることになります。 *** 今回の分析は、厚生労働省「人口動態統計」(2024年まで確定数・2025年は概数)および総務省「国勢調査」を、政府統計の総合窓口(e-Stat)のAPI機能で取得して作成しています。 内容は国によって保証されたものではありません。 2025年の数値は概数のため、確定値で多少変わる可能性があります。 また今回のグラフは棒グラフではなく折れ線グラフのため、縦軸の始点をあえて0に置かず、変化が読み取りやすいスケールにしています。 棒グラフであれば0起点が原則ですが、折れ線は量そのものよりも推移の形を見るためのものですので、この扱いでも大きな問題はないと考えています。 変化を実際より大げさに見せる意図はないことを申し添えておきます。
徒然研究室✍🏻31,971 views • 5 months ago