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11日午後5時半からの #報道特集 特集は… 【能登半島地震から1年~被災者をつなぐ美容室】 能登の被災地では統計の数値を大きく上回る 人口流出が起きていることが データ分析で見えてきた。 そんな中自らも被災した美容師が 故郷のために奔走、住民の憩いの場となった 美容室の1年を追った。

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今日も朝が来た。啓開した。 発災後、まちなかで孤立していた。家と家の間のナカシャを通って出かける日々。せめて車が使えればと思ったものだ。そんな時に救世主現る。重機系のボランティアさんが道路を啓開してくださった。 この重機系のボランティアさんたちにどれだけの人が助けてもらったことか。隣家にもたれかかった倒壊家屋があれば応急処置をしてくれた。倒壊家屋から思い出の品や貴重品を取り出してくれた。 緊急時に全体を救うことはできない。一人を助けられないものが全体を助けられるわけがない。どこかで聞いた言葉だが、未曾有の大災害時でも公正・公平・平等を謳う行政は、個人として全くあてにならなかった。 たまたまFBで知り合った日本財団の担当の方から情報をいただいた。そして、すぐに駆けつけてくれた。捨てる神あれば救う神あり、と心のつぶやきが聞こえた。 この地域を支えてくれているのは、様々な分野のボランティアさんだ。もちろん住民のボランティアさんもいる。行政職員も被災しながら業務を担っていただいている。 双方の良いところ、得意分野を組合わせた防災活動や復旧活動は功を奏すと思う。これまで以上に互いを理解する姿勢を大切にしてほしい。 #能登半島地震 #輪島朝市 #輪島朝市復興基金 #輪島市 #輪島朝市むすび #わじまるしぇ #輪島朝市復興市 #ビアっとだすく

Masakatsu Nakaura/能登半島地震&奥能登豪雨

45,475 просмотров • 1 год назад

昨日僕の地元、三重県伊勢市の商店街で大きな火災が発生しました。 被害に遭われた皆さま、心よりお見舞い申し上げます。 ------------------------------ 地元の友達から火災の情報を知らされた時、自分に何ができるか?と咄嗟に考えた。 まず思い浮かんだのはお金でしたが… もちろん義援金は大切だと思う。 でも、経営者として、発信できる立場として、それ以外にも出来ることがあるんじゃないかと考えた。 分からない… 全く想像がつかない… お金の事しか出てこない自分の未熟さを痛感した。 先日の熊本の時もみんな凄い勢いで行動してた。 正直、何をしていいか本当に分からない。地元が困っているのに何もできない、ってか思いつかない事がただただ悔しい。 全国の知見のある方、どう動いたらいいか 僕に知恵を貸してもらえないでしょうか? 勝手に動いて必要とされていない支援を一方的に押しつける様な事はしたくないんです。 ------------------------------ 奇しくも今日は防災の日だそうです。 今回だけの取り組みで終わらせず、今後どこかで同じような被害が発生したときにも生かせる支援の形を残しておきたい。何卒、宜しくお願いいたします。

竹内亢一🐯みえの虎

18,451 просмотров • 1 месяц назад

明日で39歳になります。事故当時は32歳。月日が経ちました。 「妻と娘の命を無駄にしないために、誰かの命が守られるように活動を続けよう」と生きてきた。その一心で、走り続けてきた気がする。でも最近、ある葛藤に悩んていた。結局その根っこには、「誰かの役に立つことで、妻と娘の命を無駄にしていないと思いたい」という、自分が生きている実感を得たい気持ちがあったんじゃないかと。 妻と娘や、他者のためにやっているつもりで、実は自分のためなんじゃないか。そんな自分は卑しい人間なのではないかと。 最近は、そんな自分の心と正面から向き合い、悩んだ。活動に対するモチベーションをどこに向けていいのか分からなくなる瞬間もあった。 それでも今は、「自己中心的利他でいい。」そう思えるようになった。 活動をすることで、自分の心が少し楽になる。そして、その活動が結果的に誰かの役に立つのなら、それで十分じゃないかと。 心が楽になることで、妻と娘もきっと安心してくれる。2人とは会話は出来ないけど、生前のふたりならそう言ってくれそうな気がする。そんなふうに今は思っています。ふたりが笑顔で祝ってくれたあの日の動画を見ながら、そんなことを考えていました。↓↓続きがあります↓↓

池袋暴走事故遺族 松永拓也

9,439,058 просмотров • 1 год назад

異世界アイドル☆パラレルパレード NEO AKIBA ARCHIVE LOG R-20 ―船底― 船底に、時間の感覚はなかった。 昼も夜も、光では分からない。ただ機関の唸りが、腹の底に響く低い痛みとして続いているだけだった。 空気は湿り、鉄と油と、微かな死臭に似た匂いが混じっていた。誰かが以前ここで死んだのか、それとも運ばれてきた荷が腐っていたのか、確かめる気にはなれなかった。 グンソは膝を抱え、目を閉じていた。 眠っているわけではない。 眠れば、あの音を忘れてしまう気がした。 一度目。 二度目。 そして、間延びした三度目。 耳の奥で、その音は今も鳴っている。骨に響くような、鈍い衝撃音。あれが何だったのか、グンソは考えないようにしていた。考えれば、想像してしまう。 想像すれば、たぶん壊れる。 その数を、指の関節で数えていた。爪が掌に食い込んでいることに、しばらく気づかなかった。 「……何を数えてる」 ヘジュの声だった。掠れて、疲れきっている。 グンソは答えなかった。 「音か」 ヘジュは、それ以上聞かなかった。聞いても、答えが誰の救いにもならないことを知っていた。 暗闇の中で、五人はそれぞれの姿勢を保っていた。ソンミンは扉に背をつけ、刃物の柄に手をかけたまま動かない。ドンチョルは膝に顔を伏せ、時折、喉の奥で押し殺した音を漏らした。泣いているのか、それとも吐き気を堪えているのか、誰も確かめなかった。テジュンは記録片を握ったまま、指の皮が擦り切れるほど強く握り続けていた。 誰も、故郷の話をしなかった。 話せば、戻りたくなる。 戻れば、今度は自分の番になる。 だから、誰も口を開かなかった。沈黙は五人を守る最後の壁だった。 「……テジュン」 長い沈黙の後、ドンチョルが言った。声に張りがなかった。 「その紙、まだ持ってるのか」 テジュンは答える代わりに、握った拳を少しだけ開いた。 焼け焦げた記録片。端は炭化し、触れるだけで崩れそうだった。かろうじて読めるのは、消えかけた「ソナ」という二文字だけ。それ以外の文字は、熱で歪んで判読できない。 「捨てろとは言わない」 ドンチョルが目を伏せた。 「ただ、それを見るたび、俺たちがまだ何かを背負ってるんだと分かる」 「重いか」 「軽い方が、おかしいだろう」 「軽くなったら、それこそ終わりだ」 テジュンが低く言った。 「忘れた瞬間、俺たちはあいつらと同じになる」 誰も、その言葉を否定しなかった。 船体が、大きく傾いた。 外洋に出たのだと、誰かが呟いた。壁を伝う振動が変わり、機関の音が一段低く沈んだ。それからどれほどの間、その振動が続いたのか、誰も正確には言えない。世界は、故郷の外へ出た者が思うより、はるかに大きかった。 グンソは膝の間に顔を埋めた。 無窮花の押し花は、外套の裏地に縫い付けてある。潰さないように。失わないように。指先で、その硬い感触を確かめる。花弁はとうに乾き、触れるたびに崩れそうな脆さを保っていた。それでも、まだそこにある。 「兄さん、これ、押し花にしたの」 「帰る場所を、忘れないように」 あの時のソナの声を、グンソはまだ覚えている。震えていて、それでも笑おうとしていた声。 だが今、故郷はもう帰る場所ではない。 帰れば、殺される。あるいは、殺されるより先に、存在ごと消される。 名簿には、五人分の特徴だけが載っていた。 顔写真もなく、名前もなく。ただ身長、瘦せ型、逃走経路の推定、目撃時の服装。 存在しなかったことにされた人間が、存在しなかったことにされた船で、地図にすら残らない街へ向かっている。 生きているのに、記録から消されている。 それは、死ぬことよりも静かで、死ぬことよりも長く続く消え方だった。 「……テジュン」 グンソが、初めて自分から口を開いた。声が掠れていた。 「アルトリウスって、本当にあるのか」 「積荷票にはあった」 「地図にはない」 「地図が古いだけかもしれない」 テジュンの声には、確信がなかった。それでも、その言葉にすがるしかなかった。縋る場所がなければ、この暗闇の中で、五人は自分たちが本当に存在しているのかすら疑い始めていた。 どれだけ進んだのか、誰にも分からなかった。 食料は幾度も尽きかけ、そのたびに甲板の誰かがどこかで調達してきた。水も、燃料も、同じだった。積荷票に記された行き先はひとつなのに、船は幾つもの港に立ち寄り、また離れた。地図にない土地、灯継ぎの噂だけが残る土地、名前すら伝わっていない土地。世界は、グンソが思っていたよりも遥かに広かった。故郷から一歩も出たことのなかった頃には、想像もできない広さだった。 船底の暗闇は、時間の感覚を等しく腐らせていく。日数を数えることを、いつからか誰もしなくなった。数えても意味がないほど、長かった。 ただ、機関の音だけが、暗闇の中でずっと鳴り続けていた。何日も、何十日も。 一度、遠くで何かが軋む音がした。ソンミンが刃物の柄を握り直し、全員が息を止めた。 それは船体の継ぎ目が軋んだだけだった。誰も、それを声に出して確かめようとはしなかった。 そんな夜が、何度も繰り返された後―― 甲板の上から、誰かの声が響いた。くぐもって、遠く、それでも確かに聞こえた。 「見えたぞ」 その一言に、五人は同時に顔を上げた。 「灯りだ……街の灯りが、見える」 グンソは、狭い隙間に顔を押し付けた。錆びた金属の縁が頬を切ったが、痛みは感じなかった。 黒く濁った空の下、遠くに、青紫の光が滲んでいた。 一つではない。 無数の灯りが、まるで水面に映る星のように、連なって光っていた。 それは、故郷にあったどの灯りとも違っていた。 故郷の灯りは、暖かく、生活の匂いがした。この灯りは違う。冷たく、静かで、まるで誰かが息を潜めて灯し続けているような、そんな光だった。 ネオンでも、松明でもない。 祈りに似た、灯りだった。 「あれが……」 ドンチョルが息を呑んだ。目の縁が赤く濡れていた。 テジュンが、震える声で言った。 「あれが、アルトリウスか」 誰も答えられなかった。 だが、その光を見た瞬間、グンソの中で何かが冷たく凝固した。 存在を消された自分たちが、それでも進んだ先に、灯りがあった。 名前を失っても、灯りは消えていない。 それが希望なのか、それとも次に消される場所なのか、グンソには判断できなかった。この世界では、優しく見えるものほど、後で牙を剥くことを、もう嫌というほど知っていた。 グンソは、狭い隙間の水たまりに映った自分の顔を見た。 何ヶ月も梳かれていない黒髪が、潮を吸って束になり、頬に張り付いている。無精髭が伸び、頬はこけ、目の下には濃い影が沈んでいた。故郷を出た時の自分とは、もう別人のようだった。 それでも―― グンソは、外套の内側の押し花にそっと触れた。乾いた花弁が、指先でわずかに崩れる感触があった。 「……着いたら」 グンソが呟いた。声に、初めて何かが戻っていた。怒りに似た、何か。 「ここで、また名前を取り戻す」 ソンミンが、初めて小さく笑った。乾いた、痛みを堪えるような笑い方だった。 「取り戻すためにここまで来たんだろう」 「ムジンの分も」 ドンチョルが呟いた。 誰も、それに答えなかった。答える必要はなかった。 船は、青紫の灯りへ向かって進み続けた。 暗い海の向こうに、まだ誰も知らない街が――五人がまだ知らない何かを内側に隠した街が――静かに待っていた。 機関の音が、一段と深く鳴った。 まるで、船そのものが、これから起きることを知っていて、それでも進むしかないと諦めたかのように。

Rain Konno | 境界の外側

42,776 просмотров • 2 месяцев назад

【誰も期待していない私たちが、世界を救う】 今回は、僕が大好きなゲーム、 『FINAL FANTASY X』のお話から。 ※以下、作品のセリフが出てきます。 FFXへのリスペクトを込めて書いています。 ↓以下動画内文章↓ 「誰もわれわれには期待していない。 見返してやろうじゃないか。 落ちこぼれの召喚士と ザナルカンドから来た男。 出世の道からはずれた僧兵。 そんな連中が『シン』を倒したら、 きっと痛快だぞ」 『FINAL FANTASY X』に登場する、 ブラスカの言葉です。 今の僕は世間の皆様から 「詐欺師だ」 「虚言癖がある」 「悪党だ」 と言われていることは存じ上げています。 自分自身の行動については、反省すべきところ多々多々あります。 だからこそ、 今さら「本当の僕は違うんです」と 言葉だけで説明するつもりもありません。 それよりも、 そんな僕がこれから何をするのか。 そこを見ていただきたいと思っています。 僕は、平和を願っています。 人々が抱えている睡眠の悩みを解決するために、これからも活動していきたいと思っています。 それ自体は、決して悪いことではないはずです。 一週間のライブ配信についても、きっと僕の失敗を期待している人は少なくないでしょう。 そう思われていても、僕は一向に構いません。 ブラスカは、 「見返してやろうじゃないか」 と言いました。 僕は、少し違います。 誰かを見返したいわけではありません。 評価されたいからやるわけでもありません。 ただ、 今の自分にできることを、 一つずつ積み重ねていきたい。 そう思っています。 そして、もし、 「最低な評価をされていた男でも、 人の役に立つことができる」 ということを証明できたら。 それは、きっと痛快なことなんじゃないかなと思います。 もしかしたら 「自分は最低だ」 「誰からも認めてもらえない」 そう悩んでいる方も いらっしゃるかもしれません。 でも、人生は 「今どう見られているか」だけで 決まるものではないと思っています。 これから結果を出せばいい。 これから行動を変えればいい。 これから誰かの役に立てばいい。 人の見る目が変わるのは、その後なのかもしれません。 僕自身が、その姿を見せていきたいと思っています。 9月10日から16日まで、 一週間のライブ配信を行います。 そこで僕が何をするのか。 本当に最後まで元気にやり切れるのか。 ぜひ、見ていてください。 そして、もし僕の姿を見て、 「自分も、もう一度やってみよう」 と思っていただけたなら… このライブや私の生き様が、誰かの人生をより良くするための一つのきっかけになれば、 僕はとても嬉しく思います。 話は変わりますが……。 『FINAL FANTASY X』をプレイしたのは、 僕がまだ高校生の頃でした。 父親になった今、改めてプレイしてみると、 ジェクトやブラスカの言葉が、当時とはまったく違って聞こえます。 同じ作品なのに、自分が歳を重ねたことで見えるものが変わっている。 人生も、きっと同じなのだと思います。 昔は意味が分からなかったことが、何年か経ってから分かることがある。 昔は何とも思わなかった言葉が、今になって心に刺さることがある。 だからこそ、 「素晴らしい」と思った作品は、 歳を重ねてから何度も見返してみる。 それもまた、人生をより深く、豊かにしてくれる一つの方法なのかもしれません。

堀大輔 / 「睡眠時間は自由」睡眠改善プログラム、Nature sleep代表

85,232 просмотров • 1 месяц назад

異世界アイドル☆パラレルパレード NEO AKIBA ARCHIVE LOG R-24 ―再構成― 時間が進んでも、船室の中は暗かった。 天蓋の向こうに朝はない。青紫の光が舷窓の外でゆっくりと明滅している。 船を岸につなぐ係留鎖が軋む。一度。二度。少し間を置いて、また一度。 まるで、船そのものが呼吸をしているようだった。 オルフェンは、机の上に三枚の紙を並べた。 「やりましょう」 「……朝から元気だな」 簡易ベッドに座ったグンソが、片眉を上げる。 「元気なわけではありません。腹を括っただけです」 オルフェンは紙を指で叩いた。 「ソナさんの移送時期。白い車の経路。三音が鳴った場所。この三つが揃わない限り、管理者さんは北方への相談に乗ってくれません」 「昨日も聞いた」 「昨日は聞いただけです。今日は取りに行きます」 オルフェンは、一枚目の紙を引き寄せた。 「まずは、時期から」 「なぜだ」 「一番、記憶が壊れていなさそうだからです」 グンソは鼻を鳴らした。 「壊れていない記憶なんて、あるのか」 「あります。壊れ方が浅いものが」 オルフェンは紙の中央に線を引いた。左に「連行される前」、右に「連行された後」。 「正確な日付はいりません。季節だけでも」 「雪はなかった」 「寒くは?」 「なかった」 「雨は」 「降っていない」 「昼か、夜か」 グンソの指が、膝の上でぴくりと動いた。 「夜だ」 「周りは明るかった?」 「白かった」 「車が?」 「違う」 グンソは目を閉じた。 「壁だ。壁が、白かった」 オルフェンの筆が止まる。 「建物の壁ですか」 「分からない」 「大きさは」 「大きかった」 「扉は」 「二つ」 「白い扉と、黒い扉――」 グンソが、勢いよく顔を上げた。 「なぜ知っている」 「昨夜、そう聞きました」 「……そうだったか」 「ソナさんは、その扉から出てきていない」 オルフェンは、確認するように続けた。 「車の後ろから、でしたね」 グンソの表情が、初めてはっきりと歪んだ。 「なぜ、そこまで覚えている」 「覚えているのは、あなたです。私は書いているだけです」 オルフェンは紙の上で、白い壁の位置を少しだけずらして書き直した。 白い車。白い壁。黒い扉。 「周囲に人は?」 「二人」 「護送員?」 「顔は覚えていない」 「声は」 グンソが、答えを止めた。 沈黙が長い。 ――サー……。 紙の上に、微かな音が乗った。 いや、乗ったように聞こえた。 空耳だと思った。 けれど、もう一度。 ――サー……。 今度は、はっきりと聞こえた。 音源は、通信機ではない。 紙そのものから聞こえている。 「……今、何か」 「気のせいだ」 グンソの声が、わずかに硬い。 オルフェンは紙を持ち上げ、裏返した。何もない。ただの紙だ。 そっと、机に戻す。 「続けましょう」 「……ああ」 グンソは、通信機のある壁際を、一度だけ見た。 そして、目を逸らした。 「声は」 「聞いていない」 「聞こえなかった、ではなく?」 「聞いていない」 グンソは、明確に言い直した。 「聞かないようにしていた」 「なぜですか」 「聞けば、覚えてしまう」 「覚えることの、何がいけないんですか」 グンソは答えなかった。 代わりに、彼の視線が、また通信機へ向いた。 オルフェンもつられて見る。 電源ランプは、消えている。 けれど―― ――ザザ、ザザ、ザ――。 砂粒を撒いたような音が、壁の向こうから滲み出てきた。 オルフェンの背筋を、冷たいものが這い上がる。 これは、遠くから届く音ではない。 すぐそこ、壁一枚の向こうで、誰かがざらざらとした布を擦り合わせているような、そういう近さの音だった。 「グンソさん」 「動くな」 グンソが低く言った。 「音がしても、動くな。見るな。数えるな」 「数える?」 言った瞬間、オルフェンは、自分がすでに数えていることに気づいた。 一つ。 二つ。 ――ノイズが止まった。 三つ目を数える前に。 船室が、耳が痛くなるほどの静寂に包まれた。 係留鎖の音すら、聞こえない。 オルフェンは、自分の心臓の音だけを聞いていた。 やけに大きく、やけに速い。 「……止まりましたね」 「止まったんじゃない」 グンソの声は、囁きより小さかった。 「待ってるんだ」 「何を」 「三つ目を、誰が数えるか」 その言葉が終わるより早く、通信機のランプが、真っ赤に灯った。 電源など、入っていないのに。 「――!」 オルフェンが振り向くのと、グンソが飛びついて通信機を掴むのは、ほぼ同時だった。 「止まれ! 消えろ!」 グンソが叫ぶ。素手で殴りつけるように機体を叩く。 火花も、電流も、何も走らない。 それでも、ランプは消えない。 ノイズが、悲鳴のように膨れ上がった。 ――ザザザザザザザ――。 その中に、声が混ざる。 複数。 いや、一つの声が、何重にも折り重なって聞こえているだけかもしれない。 ……しろ。 ……戻すな。 ……記録者。 ……見つけた。 最後の一言だけ、はっきりと、船室の空気を震わせて響いた。 オルフェンの手足から、力が抜けかけた。 恐怖ではない。 もっと生理的な、“見られている”という感覚だった。 「グンソさん、これは――」 「知らない!」 グンソが怒鳴った。振り返った顔は、汗と、それだけではない何かで濡れていた。 「知らないと言っている。知らない、知らない――」 繰り返すたびに、声が小さくなっていく。 まるで、自分に言い聞かせて、記憶に蓋をしようとしているようだった。 甲板の上を、何かが駆け抜ける音がした。 一度。 二度。 ――そして、三度目。 その足音が、船室の扉の真ん前で、ぴたりと止まった。 オルフェンとグンソは、同時に扉を見た。 ノブが、ゆっくりと回る。 誰もいないはずの、廊下から。 「……開けるな」 グンソが、震える声で言った。 オルフェンは、答えられなかった。 ノブは、回り切ったところで――止まった。 扉は、開かなかった。 通信機のランプが、ふっと消える。 ノイズも、声も、一瞬で消えた。 まるで、最初から何もなかったかのように。 船室に、係留鎖の音が戻ってくる。 一度。 二度。 三度。 三つ目を数えたのが自分だと気づいたのは、音が消えてからだった。 グンソは、その場に崩れるように座り込んだ。 肩で息をしている。 「……グンソさん」 「悪い」 「なぜ、謝るんですか」 「巻き込んだ」 グンソは、床を見たまま言った。 「お前を、あっち側に近づけた」 「あっち側とは」 グンソは床を見たまま、震える指で、自分のこめかみを叩いた。 「ここに、何かが埋まってる」 「記憶、ではなく?」 「記憶なら、俺のものだ」 グンソは、初めて、まっすぐにオルフェンを見た。 「これは、俺のものじゃない」 その時だった。 机の上、三枚の紙のうち一枚だけが、風もないのに、ひとりでにめくれ上がった。 三音の警告音が鳴った場所を記す紙だった。 裏面に、見覚えのない筆跡で、一行だけ。 聞いた者を、記録者とする。 インクは、まだ乾いていないように見えた。 指で触れれば、滲むのではないかと思うほどに。 オルフェンは、触れなかった。 「……いつ、書かれたんでしょう」 返事はなかった。 オルフェンも、それ以上は訊けなかった。 紙にも、何も書けなかった。 船室の外で、係留鎖が鳴る。 今度は、数えなかった。 やがて、オルフェンが口を開いた。 「一つだけ、分かったことがあります」 「……何だ」 「今日の調査対象は、時期でも、車でも、音でもありませんでした」 オルフェンは、裏返った紙をそっと重ねた。 「あなたです、グンソさん」 グンソは、何も言わなかった。 否定も、しなかった。

Rain Konno | 境界の外側

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昨日はみんなの診療所ではじめてのお留守番でした。 コトクは医師10年目ですが、大きな病院でしか働いたことないため、いつも何かあったときは誰かに相談できることが「当たり前」でした。 みんなの診療所で働き始めてからも、原先生がいるため、じっくり問診や診察をしたり、何かあったときは相談することができました。 そんななか、はじめてのお留守番。 もし、事故が起きたらどうしようか、自分で対応できない患者さんが来たらどうしようか、コトクのせいで外来が何時間も止まってしまったらどうしようかと思いましたが スタッフのみんなが、支えてくれて、無事1日を終えることができました。 「〇〇しときましょうか?」「〇〇しときました!」など、リーダーシップをとる余裕もないコトクのために、みんなが能動的に考え、動いてくださり、昨日来てくれた59人の患者さんみんなにコトクは全力出すことが出来ました。 至らない点も多々あったと思いますが、小児科も整形も皮膚科も耳鼻科も来る本当の「総合診療」クリニッのみんなの診療所で、自分の力試しをすることが出来たのは、自分にとって大きな自信になりました。 発熱外来を閉じていたり、昼休みがあったりと、いつもの診療所を求めて来られた島民のみなさんはごめんなさい。 持続可能な医療をみんなの診療所も模索しているところです。 コトクの成長と共に暖かく見守っていただければ幸いです。

小徳羅漢 島の産科総合診療医

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