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どういうことを意識したらファンブルの後、ホームへの送球から2塁送球に切り替えられるかな。

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【なぜピッチャーはベースカバーを忘れるのか?】 ピッチャーが一塁へのベースカバーを忘れてしまう場面を見ると、「基本ができていない」「集中していない」と言われることがありますが、実際には単純な集中力不足ではなく、投球直後に脳の注意がどこへ向いているのかを考えると、このミスが起こる理由はかなり理解しやすくなります。 ピッチャーは投球する瞬間、コース、球種、打者の反応、リリースの感覚など、非常に多くの情報を処理しており、特に強打者との対戦やピンチの場面では覚醒水準が高くなるため、注意の範囲が狭くなる「注意の狭窄」が起こりやすくなります。 その状態で打者が一塁方向へゴロを打つと、ピッチャーの視線はまず打球へ向かいますが、ここでファーストが捕球できそうだと判断した瞬間、脳の中では無意識に「このプレーは野手が処理するもの」という分類が行われ、投球という自分の仕事が終わった感覚が生まれることがあります。 しかし実際には、投手の役割はボールを投げた瞬間に終わるわけではなく、打球方向に応じて守備行動へ切り替えなければならないため、脳には「投球」から「守備」への素早いタスクスイッチングが求められます。 ベースカバーを忘れる投手の場合、この切り替えが一瞬遅れ、打球を見ている間に「一塁へ走る」という次の行動がワーキングメモリから抜け落ちてしまうと考えることができます。 特に普段の投手練習では、ブルペンでボールを投げたところで動作が終了するケースが多いため、「投げる→守備に入る」という一連の流れが十分に自動化されていなければ、試合になったときだけベースカバーを思い出そうとしても間に合いません。 つまりベースカバーは知識として覚えるものではなく、「打球が右方向へ飛んだら身体が一塁方向へ動き始める」というレベルまで運動パターンとして学習させる必要があります。 練習でも、投球後に必ず一歩守備方向へ動く、投内連係では打球を見てから判断するのではなく打球方向を認識した瞬間に最初の一歩を出す、といった形で投球と守備を切り離さずに反復しておくことで、試合中の認知負荷が高い状況でもベースカバーが自然に出やすくなります。 ベースカバーを忘れた選手に「集中しろ」と言うだけでは再発を防ぐことは難しく、重要なのは、なぜその瞬間に注意が止まり、次の行動へ切り替わらなかったのかを考え、投球後の動きまで含めて一つのプレーとして脳に学習させることなのです。

鈴木一登/スポーツ鍼灸

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