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イタリアも暑い🥵ローマでは熱波の影響で気温が上昇し、観光客たちは暑さへの対応を迫られている。 市内各所の公共給水所には長い列ができ、多くの人が水筒やペットボトルに水を補給していた。特に観光客が集中する歴史地区では、日陰を探したり、頻繁に水分補給を行う姿が見られた。 イタリアの家庭におけるエアコン(冷房)普及率は、

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異世界アイドル☆パラレルパレード NEO AKIBA ARCHIVE LOG R-12 ―青い封書― 翌朝。診療所の窓に、巨大な透明天蓋の曲面が淡く歪んで見えていた。青紫の灯が街路を照らし、水車の回る音と運河を進む小舟の音が静かに重なっている。診療所の前を薬売りの荷車が通り、向かいの食堂からは焼いたパンと温めたスープの香りが流れていた。 アルトリウスは、昨日と変わらない朝を迎えていた。 オルフェンは、診療所の長椅子に並んだ六人を見ていた。巡水隊の隊長はまだ眠っており、負傷した隊員の脚には包帯が巻かれている。熱を出していた男の額には冷却布が置かれ、エレナは一人ずつの記録を確認していた。 「全員、今日中には帰れそうです」 エレナが記録板を閉じると、オルフェンはようやく肩の力を抜いた。 「よかったです^^」 「あなたは帰らないんですか」 「私はもう帰っていますよ」 「ここを家にしないでください。診療所は家ではありません」 エレナに注意され、オルフェンは長椅子に並ぶ六人へ目を向けた。 「でも、皆さんがいますので……^^;」 「あなたは、誰かがいる場所ならどこでも家にするんですね」 「そうかもしれません^^」 オルフェンが長椅子の端へ腰掛ける。右手には、前日の救助で出来た傷が残っていた。指の付け根が裂け、石壁と剣の柄で擦れた皮膚には薄く血が滲んでいる。 それに気付いたエレナが、オルフェンの前へ手を差し出した。 「右手を見せてください」 「これは大したことありません」 「大したことがあるかどうかは、診る側が決めます」 「では、お願いします^^;」 オルフェンが素直に右手を差し出す。エレナは傷口を洗い、薬を塗ってから、新しい包帯をゆっくりと巻いた。その手つきは、口調よりずっと柔らかかった。 「昨日、あれだけ水圧を受けて、よく骨を痛めませんでしたね」 「皆さんが先に出られましたので」 「質問に答えていません」 「運がよかったんですよ^^;」 「あなたは何でも運で済ませますね」 エレナは指が動くことを確かめてから、包帯の端を結んだ。 「きつくありませんか?」 「大丈夫です」 「本当に?」 「はい。ありがとうございます^^」 「痛みが増したら、すぐに戻ってきてください。我慢して悪化させたら怒ります」 「もう少し怒っているように見えますが……^^;」 エレナは一度だけ手を止めた。 「心配しているんです」 そう言ってから、何事もなかったように薬箱を閉じる。 「今日は剣を振らないでください。水車の修理も禁止です」 「分かりました」 「返事だけで終わらせないでくださいね」 「気をつけます^^;」 そこへ、入口から子供の声がした。 「オルフェンさん!」 振り向くと、昨日救助された隊員の娘が立っていた。小さな手には、欠けた青い灯器が握られている。 「これ、お父さんのです。返してくれてありがとう」 「私が返したわけではありませんよ」 オルフェンは少女の前へしゃがみ込み、灯器を受け取った。表面には傷があり、灯芯も少し曲がっている。彼は腰の道具袋から布を取り出し、灯器についた泥を丁寧に拭った。 「この灯器が、お父さんを帰り道まで照らしたんです」 「でも、オルフェンさんが行かなかったら、お父さん帰ってこなかったよ」 少女がまっすぐに言う。オルフェンは少し困ったように笑い、灯器を両手で返した。 「では、次はお父さんがあなたを照らす番ですね^^」 少女は嬉しそうに笑った。 「オルフェンさんは、どこへ行くの?」 「少し中央へ行く予定です」 「冒険?」 「お仕事です」 「勇者なのに?」 「勇者もお仕事をしますよ」 少女は灯器を胸へ抱えた。 「中央にも水路はある?」 「あります。アルトリウスとは形が違うそうですよ」 「見てきて!」 「よく見てきます^^」 少女が父親の眠る長椅子へ駆け寄る。オルフェンはその様子を見届けてから立ち上がった。 診療所の外では、街がいつも通り動いていた。水車が回り、運河を小舟が進み、石橋の上を荷車が渡っていく。水売りの老人が配給所へ向かう樽を積み、仕立て屋の前では職人が布を広げ、通りの隅では子供達が木片を使って小さな船を作っていた。 通りの向こうから、水売りの老人が声を飛ばした。 「オルフェン! 今日も中央からの手紙か?」 「まだ一通だけです」 「なら燃やしてしまえ!」 「それは少し乱暴ですね^^;」 「お前は乱暴さが足りん!」 オルフェンが足を止める。 「そうでしょうか」 「そうだ。勇者なら、もっと怒れ!」 「怒るとお腹が空きますので」 「そこか!」 周囲から笑い声が起こった。オルフェンは老人へ軽く手を振り、そのまま街長の執務室へ向かった。 途中、水車の前で足を止める。昨日の揺れで木製の歯車が少しずれており、職人が工具を広げていた。 オルフェンが近付くと、職人は手を止めずに言った。 「触るなよ」 「今日は手を使えないので、見ているだけです^^;」 「エレナに言われたな」 「はい」 「なら座っていろ」 「見ているだけなら大丈夫です」 「それが一番信用できん」 オルフェンは水車の軸を眺め、歯車の噛み合わせを確認した。 「右側の木楔が少し浮いています」 「分かっている」 「失礼しました」 職人は木楔を見直すと、オルフェンを手招きした。 「いや、そこを押さえてくれ。手は使うなよ」 「それは手を使うのでは?」 「体で押さえろ」 オルフェンは言われた通り、水車の支柱へ肩を当てた。職人が木楔を打ち込み、歯車がゆっくりと噛み合っていく。 「回すぞ」 「はい」 水が流れ、水車が動き出した。軋んでいた音が整い、規則正しい回転音へ変わる。 職人が満足そうに頷いた。 「助かった」 「私は立っていただけです」 「立っているだけで役に立つ奴が、世の中に何人いると思う?」 「分かりません」 「だからお前は困るんだ」 職人は笑いながら、オルフェンの背中を軽く叩いた。 「中央へ行くんだろ。向こうで変なものを食わされるなよ」 「前回は飲み物が冷めていました」 「そこを気にするのか」 「大切なことです^^」 街長の執務室には、昨日の青い封書が置かれていた。封蝋には観測管理局中央の紋章が押されている。街長は封書を開き、内容を読み終えてからオルフェンへ差し出した。 「中央から、合同調査の申し入れだ。水質、医療記録、浄化設備、取水路の構造。中央の観測設備も使えるらしい」 「それは助かりますね」 「代表者会談も同時に行う。お前に来てほしいそうだ」 オルフェンは自分を指した。 「私ですか」 「水都の代表として、最も知られているからな」 「街長の方が、ずっと詳しいと思いますが」 「私は中央で褒められても、街の水車を直せん」 「私も直せませんよ^^;」 街長は苦笑してから、窓の外へ目を向けた。 「管理者は、まだ北部境界の任務から戻っていない。帰還を待ってから決めてもいい」 オルフェンは書面へ目を落とした。診療所の六人、増え続ける患者、水路の異常、そして中央の観測設備。必要なものが揃っているなら、まず話を聞く意味はある。 「先に話を聞いてきます」 街長が顔を上げる。 「行くのか?」 「はい。調査に必要なものがあるなら、確認しておきたいです」 「中央で長く引き止められるかもしれない」 「その時は、早く帰れるようにお願いしてみます^^」 「お願いで済む相手かどうかを聞いている」 「では、丁寧に交渉します」 「お前は、中央の貴族相手でもその調子なのか」 「相手に合わせて、少しだけ丁寧にします」 「今も十分丁寧だろう」 「では、かなり丁寧にします^^;」 街長は額へ手を当てた。 オルフェンは青い封書を手に取った。 「薬品、観測資料、浄化技術。街へ持ち帰れるものがあるなら、持ち帰ります」 「誰を連れて行く」 「副官と記録官を。医療関係の話が必要なら、エレナにも確認します」 「エレナは診療所を離れられん」 「では、必要なことを全部書いてもらいます」 街長は椅子へ座り直した。 「お前は、いつも簡単に引き受けるな」 「簡単ではありませんよ」 オルフェンは封書を見つめた。 「皆さんが安心して暮らせるようになるなら、行く意味はあります」 街長は、しばらく彼を見ていた。 「中央は、お前を歓迎するだろう」 「褒められるのは苦手です」 「表彰されるかもしれん」 「それはもっと苦手です^^;」 「銀杯を渡されたら?」 「口をつけないようにします」 「そこだけは覚えているのか」 「前回、飲み物が冷めていましたので」 街長は呆れたように首を振った。オルフェンは穏やかに笑い、青い封書を懐へしまった。 その日の午後、出発の準備が始まった。副官は必要な書類をまとめ、記録官は水路図を整理する。エレナは診療所で使う薬品の一覧を書き出し、中央へ確認する項目を一つずつ並べた。 エレナが書類を差し出す。 「中央の医師へ渡してください」 「分かりました」 「診療記録の写しです。患者数の推移、水の使用量、取水路ごとの異常。できるだけ正確な資料が必要です」 「はい。忘れないように、三回確認します」 「あなたは確認する前に出発しそうなので、今ここで確認してください」 「では、今確認します^^;」 オルフェンが書類を読み始めると、エレナは小さな布包みを荷物の上へ置いた。中には移動中の食事と、交換用の包帯、傷薬が入っている。 「食事を忘れそうなので、入れておきました」 「ありがとうございます^^」 「右手の傷が開いたら、すぐに使ってください。我慢して悪化させたら怒ります」 「もう十分怒られているような……^^;」 「今は心配しているだけです」 エレナは目を逸らし、確認事項を指で示した。 「それから、食事を抜かないこと。睡眠を取ること。一人で勝手に動かないこと」 オルフェンは少しだけ考えた。 「努力します」 エレナは記録板を下ろした。 「そこは、はいと言ってください」 「はい。気をつけます^^」 その後、オルフェンは配給所へ顔を出し、戻ってきた巡水隊の隊員達へ声を掛けた。 「もう歩けるんですか」 「隊長が寝ていろと言うんですが、暇でして」 隊員が答えると、オルフェンは水車の方を指した。 「それなら、退院祝いに水車の修理を手伝ってください^^」 「結局働かせるんですか!」 「軽い作業だけですよ^^;」 「勇者様の退院祝いが、ずいぶん実用的ですね」 「水車が回ると、皆さんが助かりますので」 「そういうところですよ!」 オルフェンは首を傾げた。 「何がですか?」 隊員達は顔を見合わせ、笑った。 夕刻、アルトリウスの街門が開いた。オルフェンは白い外套を羽織り、聖剣を腰へ帯びた。副官は書類袋を抱え、記録官は水路図を巻いて背負っている。 街門の前には、診療所の子供達、巡水隊の隊員、配給所の老人、水車職人、街長まで集まっていた。 一人の子供が大きな声で叫んだ。 「オルフェンさん、中央のお菓子!」 「街長にも同じことを言われました^^」 「じゃあ、いっぱい買ってきて!」 「食べきれないほど買うと、帰りの荷物が大変ですよ」 「勇者なら大丈夫!」 「勇者にも荷物の限界はあります^^;」 街長が門の脇から声を掛けた。 「オルフェン!」 「はい!」 「中央の菓子を買ってこい!」 「水都の菓子より美味しかったら考えます^^」 「絶対に買ってこい!」 「分かりました^^」 「返事だけはいいな!」 「昔から褒められています^^;」 診療所の窓が開き、エレナが顔を出した。 「布包み、途中で置き忘れないでください」 オルフェンは荷物の中を確認し、エレナへ振り返った。 「ちゃんと入っています^^」 「食事も傷薬も使ってくださいね」 「はい。ありがとうございます」 エレナはそれを聞いて、ようやく小さく笑った。 オルフェンは見送りの人々へ手を振り、街門の外へ歩き出した。副官と記録官が、その後ろへ続いていく。門の内側では子供達が声を上げ、水車職人が手を振り、巡水隊の隊員達が笑いながら見送っていた。 青い封書は、オルフェンの懐に収まっていた。

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