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Ana Sayfaya Dön

①足をフットレストに乗せたまま立ち上がろうとしたため、重心が前方へ(本来下りる際はフットレストから足を下ろす) ↓ ②車椅子自体が前へ倒れる ↓ ③足が弱っていたため踏ん張れず、身体が前へ放り出される ↓ ④転ぶ "早くタケルを抱きしめたい"という日下部妹の気持ちを表現した良いアニオリ補完

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異世界アイドル☆パラレルパレード NEO AKIBA ARCHIVE LOG R-17 ―口封じ― 銃声が、煙の充満した家を揺らした。 「裏口へ行け!」 ソンミンがグンソを押し出す。テジュンは、焼却寸前の記録片を拾い上げた。 玄関側から、特高の兵士たちが押し寄せてきた。 その前に、ムジンが立ちはだかる。 肩を撃ち抜かれても、額から血を流しても、姿勢は崩れない。銃床を受け流し、兵士の手首を捻り、壁へ叩きつける。 ただ、誰一人として通さなかった。 その動きを見ていた兵士の一人が、銃を構えたまま足を止めた。 「……師範」 ムジンの拳が、わずかに止まる。 兵士は、かつてムジンのもとで武術を学んでいた。 黒い制服。胸元の徽章。整えられた髪。銃を持つ手の角度まで、規則に合わせたように揃っている。 「その呼び方は、もう必要ありません」 兵士が銃を構え直した。 「……そうか」 銃床が振り下ろされる。 ムジンは半歩だけ身を引いた。 かつて教えた足運びだった。 兵士も同じ足運びで踏み込んだ。 二人の距離が消える。 ムジンが手首を取り、銃口を逸らす。兵士は肘を返し、ムジンの脇腹へ打ち込んだ。 鈍い音が響いた。 それでも、ムジンは手を離さない。 兵士の目が、ムジンの動きを追った。 「動作記録と一致します」 「そうか」 「修正されていません」 ムジンの目が細くなる。 「お前もな」 兵士の指が、わずかに止まった。 その隙に、ムジンは兵士を壁へ叩きつける。 「戻るな!」 ソンミンがグンソの腕を掴む。 「でも、ムジンが!」 「置いていくんじゃない! あの人が、お前を通しているんだ!」 ムジンが兵士を押し返す。 「行け!」 グンソは歯を食いしばり、裏口へ走った。 燃えかけた家を出ると、旧居住区の路地が広がっていた。 青紫の灯が、遠くから順番に消えていく。 屋根の上にも、交差路にも、特高の影が現れた。 「第三取水路の旧点検口へ!」 ドンチョルが鉄輪を引く。 石畳が沈み、地下から湿った空気が吹き上がった。 その時、路地の奥から穏やかな声が響いた。 「そこまでにしていただけますか」 特高の兵士たちが、一斉に道を空ける。 消えかけた青紫の灯の向こうから、ひとりの男が歩いてきた。 二メートルを超える細身の身体。 乱れひとつない黒い上級制服。 胸元で冷たく光る銀徽章。 黒い制帽の影に、端正な顔が浮かんでいる。 男は倒れている兵士へ視線を向けた。 「止血を。死なせてはいけません」 命じられた兵士が、慌てて仲間へ駆け寄る。 男はそれを確認してから、グンソたちへ微笑んだ。 「ご安心ください。皆さんを無闇に傷つけるつもりはありません」 ヘジュが銃を向ける。 「近づくな」 「ええ。そうなさるのがよいでしょう」 男は素直に足を止めた。 「その記録片を、こちらへ渡していただけますか」 グンソが記録片を握りしめる。 「ソナの名前を、また消すつもりか!」 「消す?」 男は静かに瞬きをした。 「記録は保存されます。適切な場所へ、適切な形式で」 「人間を番号に変えておいてか!」 「番号なら、間違いがありません」 ヘジュの指が、引き金へかかる。 「撃て」 銃声が響いた。 弾丸が男の肩を抉る。 黒い制服が裂け、血が流れた。 男は一歩だけ後退した。 傷口を見下ろし、指先についた血を確認する。 「……失礼しました」 男は顔を上げた。 「その距離で撃つのであれば、もう少し左を狙った方が確実です」 その時、背後の家から大きな音が響いた。 ムジンが路地へ姿を現す。 黒い外套は裂け、肩から血が流れていた。 その背後に、先ほどの兵士が立っている。 兵士は銃を構えたまま、ムジンを見た。 「師範」 「その名で呼ぶな」 「承知しました」 兵士は一歩前へ出る。 「ムジン」 名前だけが、路地に平坦に響いた。 男が、二人を見比べる。 「教え子ですか」 「過去の話です」 ムジンは兵士から視線を外さなかった。 兵士の銃口が、ゆっくりとムジンへ向く。 ムジンは何も言わない。 ただ、グンソたちへ顔を向けた。 「地下へ入れ」 「でも、あなたが!」 「早くしろ」 ソンミンがグンソの腕を掴んだ。 ヘジュ、ドンチョル、テジュンが、次々と地下水路へ入っていく。 グンソだけが動かなかった。 「ムジン!」 ムジンは振り返らない。 「生き残れ」 グンソは記録片を胸元へ押し当てた。 そして、地下水路へ飛び込んだ。 鉄扉が閉じ始める。 最後に見えたのは、青紫の灯の下で銃を向ける、ムジンのかつての弟子。 その隣で、傷口を眺めながら微笑む男。 ムジンは、二人の前に立っていた。 男が静かに頭を下げる。 「それでは、少しだけお時間をいただきます」 鉄扉が閉じた。 直後、地上から低い衝撃音が響いた。 一度。 二度。 グンソは振り返らなかった。 ソナの名前を、外へ持ち出すために。

Rain Konno | 境界の外側

20,647 görüntüleme • 1 ay önce

異世界アイドル☆パラレルパレード NEO AKIBA ARCHIVE LOG R-08 ―水門の地竜― 管理局使節団が街を去ってから、三か月と六日。北水門の警鐘が五度鳴った。運河を進んでいた小舟が一斉に岸へ寄る。水門へ向かっていた荷車はその場で止められ、市場の人々が店先の子供を建物へ押し込んだ。 「地竜だ!」 叫び声の直後、北側の石壁が揺れた。青黒い巨体が、取水路の奥から姿を現す。荷車二台分はある胴体。岩盤を歩くための六本脚。首から背を覆う鱗は古い鉄板のように重なり、額から伸びた二本の角が水門の支柱を削っていた。 老門番が、地竜の首へ絡んだ水草を見る。 「夜の取水に紛れたか」 地竜の後方では、閉じた鉄格子が大きく歪んでいた。 「閉門に追われて、戻る道を失ったらしいな」 巡回兵達が槍を構える。水門の上では、大型弩の固定具が外されていた。 「撃つな! ここで暴れさせれば、水門ごと持っていかれる!」 老門番が怒鳴った直後、地竜が尾を振った。作業船が横転し、積まれていた工具と木箱が水路へ散る。船底の下から、男の手が上がった。 「一人、挟まれています!」 兵士達の動きが止まる。地竜は興奮し、横転した船の周囲を歩き回っている。近付けば踏み潰される。大型弩を撃てば、船の下にいる作業員も巻き込む。 その横を、青銀の髪が通り過ぎた。 「オルフェン!」 オルフェンは片手を上げ、そのまま地竜の前を横切った。船体へ肩を入れる。傾いた船が持ち上がり、兵士達が慌てて下へ潜った。 作業員が引き出されると、オルフェンは若い兵士へ告げた。 「左脚を固定してください。診療所へ」 兵士が負傷者を背負う。その背後で、地竜が低く唸った。 オルフェンはゆっくりと振り返り、腰の聖剣へ手を添える。柄が僅かに温かくなった。 「今回は休んでいてください」 聖剣は鞘の中で小さく鳴った。 「この方も、帰り道が分からないだけでしょう」 オルフェンは少しだけ困ったように笑う。 「大丈夫です。無理はしません」 近くの兵士が顔をしかめた。 「誰と話しているんです?」 「こちらの話です」 地竜が頭を下げる。老門番の顔色が変わった。 「来るぞ!」 六本の脚が石畳を蹴った。オルフェンの背後には閉ざされた水門がある。その向こうでは、避難の遅れた作業員と子供達が身を寄せ合っていた。 彼は逃げなかった。 地竜の二本角を、正面から受け止める。衝突音が水路中へ響いた。オルフェンの身体が後方へ押され、靴底が石畳を削り、二本の深い溝を残す。 水門まで、残り五歩。四歩。三歩。 それでも角は、水門へ届かなかった。 「申し訳ありません。こちらは通せません」 オルフェンは地竜の目を見た。地竜がさらに踏み込み、足元の石畳が耐え切れず、オルフェンの靴が踝まで沈む。 彼は押し返さない。右足を深く踏み込み、地竜の頭を僅かに左へ向ける。ほんの数度。だが巨体が進むほど、その僅かなずれは大きくなっていく。 老門番が気付いた。 「西の退避水路を開けろ!」 兵士達が鎖へ飛びつく。水門脇の鉄扉が持ち上がり、地下水脈へ戻る古い放水路が姿を現した。地竜の前脚が、開いた水路の方へ入る。 オルフェンは最後の瞬間に角から手を離し、巨体の横へ転がった。地竜は勢いを止められない。そのまま退避水路へ駆け込み、青黒い背を暗がりの奥へ沈めていく。 静かになった。水音だけが戻ってくる。 しばらくして、地竜が一度だけ振り返った。オルフェンは立ち上がり、泥を払う。 「お気を付けて」 地竜は鼻を鳴らし、地下水脈の奥へ消えた。 水門の裏から、子供が顔を出す。 「どうして剣を使わなかったの?」 オルフェンは沈んだ靴を石畳から引き抜いた。 「悪い事をしたわけではありませんから」 「でも、襲ってきたよ」 「怖かったのでしょう。帰れなくなれば、誰でも困ります」 子供は地竜が消えた水路を見つめた。 「オルフェンは怖くなかったの?」 オルフェンは曲がった水門の支柱を見る。 「あの角が、皆さんのいる所へ届きそうになった時は、少し」 背後から老門番の声が飛んだ。 「話しているところ悪いが、仕事は残っているぞ」 割れた石畳。曲がった支柱。横転した作業船。外れた鎖。オルフェンは周囲を見渡した。 「どれから直しましょうか」 「全部だ」 「承知しました」 その日の午後、オルフェンは砕けた石材を運び、船を起こし、水門の鎖を張り直した。腰の聖剣は一度も抜かれなかった。 作業を終えた帰り道、オルフェンが柄へ手を置く。 鞘の中から、淡い温もりが返ってきた。

Rain Konno | 境界の外側

15,649 görüntüleme • 1 ay önce

夜になると、冷や汗、腹痛、強い倦怠感、吐き気…。 就寝時間を過ぎる頃が一番つらくて、夜が来るのが少し怖いです。 それでも今日は久しぶりに体調がよくて、こうして投稿できています。 もし投稿が途絶えたら、体調を崩していると思ってください…。 麻薬の量が増えてから、強い眠気とふわふわした感じがありまして、皆さんのコメントにお返事することが難しくなりました。 ♡だけになってしまいますが、一つ一つの温かい言葉、ちゃんと大切に読ませていただいています。本当にありがとうございます。 退院はまだ先になりそうですが、少しでも早く家に帰れるように、できることを必死にやっています。今の目標は、少しでも食べること、少しでも体を動かすこと。 小さなことでも前に進めるように、毎日踏ん張っていました。 そして何より、、 入院して9日ぶりに、2歳の娘に会うことができました。 面会コーナーなら大丈夫と主治医が許可してくださり、やっと会えました。 入院してからは、そこまで移動することすらできず、旦那にはずっと部屋まで来てもらっていました。 車椅子に座るのも10分が限界なので、リクライニングできる車椅子を用意してもらって、たどり着けました。 私の顔を見るなり、 「マミー!マミー!」と走ってきてくれて、 小さな手で、痩せた私の体を何度も何度も優しくなでてくれました。 そのぬくもりが本当にあたたかくて、 ちゃんと生きてここに来られたんだ…って、 会えたんだ…って、 いろんな気持ちが一気にあふれてしまいました。 ポストできていなかった間、ご飯も食べられず、お昼はベッドでジッとしていて時間がすぎるのを待つだけ、ベッドから鳥を眺めているだけ、夜も全然寝れていませんでした。 緩和ケアの先生が毎日来られ、麻薬が増えて、退院の目処も立たず、まさか、もうこのまま復活できずそのまま体が弱って死ぬのでは、、と思っていたからです。 娘の前では泣かないと決めていたのに、無理でした。 会えなかった時間、動けなかった悔しさ、会えた嬉しさ、全部が混ざって、涙が止まりませんでした。 その時の動画です。 娘は「マミー」と呼びながら、娘のキッズ携帯で私をたくさん撮ってくれました。 その姿が愛おしくて、胸がいっぱいでした。 入院前に頂いたプレゼントは「私が開ける」とようになっていました。でもルールで旦那に言ったわけでもわく、入院してから届いたものも旦那は一切手をつけず、全部そのまま置いてくれています。 娘のマスクだけ、開けさせていただきました。 他にあるたくさんのプレゼント、開けていませんので、写真を載せられず申し訳ありません。 皆様、いつも支えてくださり本当にありがとうございます。 最後の動画が私の体さすってくれました。

産後4ケ月胃癌ステージ4

694,475 görüntüleme • 6 ay önce

異世界アイドル☆パラレルパレード NEO AKIBA ARCHIVE LOG R-12 ―青い封書― 翌朝。診療所の窓に、巨大な透明天蓋の曲面が淡く歪んで見えていた。青紫の灯が街路を照らし、水車の回る音と運河を進む小舟の音が静かに重なっている。診療所の前を薬売りの荷車が通り、向かいの食堂からは焼いたパンと温めたスープの香りが流れていた。 アルトリウスは、昨日と変わらない朝を迎えていた。 オルフェンは、診療所の長椅子に並んだ六人を見ていた。巡水隊の隊長はまだ眠っており、負傷した隊員の脚には包帯が巻かれている。熱を出していた男の額には冷却布が置かれ、エレナは一人ずつの記録を確認していた。 「全員、今日中には帰れそうです」 エレナが記録板を閉じると、オルフェンはようやく肩の力を抜いた。 「よかったです^^」 「あなたは帰らないんですか」 「私はもう帰っていますよ」 「ここを家にしないでください。診療所は家ではありません」 エレナに注意され、オルフェンは長椅子に並ぶ六人へ目を向けた。 「でも、皆さんがいますので……^^;」 「あなたは、誰かがいる場所ならどこでも家にするんですね」 「そうかもしれません^^」 オルフェンが長椅子の端へ腰掛ける。右手には、前日の救助で出来た傷が残っていた。指の付け根が裂け、石壁と剣の柄で擦れた皮膚には薄く血が滲んでいる。 それに気付いたエレナが、オルフェンの前へ手を差し出した。 「右手を見せてください」 「これは大したことありません」 「大したことがあるかどうかは、診る側が決めます」 「では、お願いします^^;」 オルフェンが素直に右手を差し出す。エレナは傷口を洗い、薬を塗ってから、新しい包帯をゆっくりと巻いた。その手つきは、口調よりずっと柔らかかった。 「昨日、あれだけ水圧を受けて、よく骨を痛めませんでしたね」 「皆さんが先に出られましたので」 「質問に答えていません」 「運がよかったんですよ^^;」 「あなたは何でも運で済ませますね」 エレナは指が動くことを確かめてから、包帯の端を結んだ。 「きつくありませんか?」 「大丈夫です」 「本当に?」 「はい。ありがとうございます^^」 「痛みが増したら、すぐに戻ってきてください。我慢して悪化させたら怒ります」 「もう少し怒っているように見えますが……^^;」 エレナは一度だけ手を止めた。 「心配しているんです」 そう言ってから、何事もなかったように薬箱を閉じる。 「今日は剣を振らないでください。水車の修理も禁止です」 「分かりました」 「返事だけで終わらせないでくださいね」 「気をつけます^^;」 そこへ、入口から子供の声がした。 「オルフェンさん!」 振り向くと、昨日救助された隊員の娘が立っていた。小さな手には、欠けた青い灯器が握られている。 「これ、お父さんのです。返してくれてありがとう」 「私が返したわけではありませんよ」 オルフェンは少女の前へしゃがみ込み、灯器を受け取った。表面には傷があり、灯芯も少し曲がっている。彼は腰の道具袋から布を取り出し、灯器についた泥を丁寧に拭った。 「この灯器が、お父さんを帰り道まで照らしたんです」 「でも、オルフェンさんが行かなかったら、お父さん帰ってこなかったよ」 少女がまっすぐに言う。オルフェンは少し困ったように笑い、灯器を両手で返した。 「では、次はお父さんがあなたを照らす番ですね^^」 少女は嬉しそうに笑った。 「オルフェンさんは、どこへ行くの?」 「少し中央へ行く予定です」 「冒険?」 「お仕事です」 「勇者なのに?」 「勇者もお仕事をしますよ」 少女は灯器を胸へ抱えた。 「中央にも水路はある?」 「あります。アルトリウスとは形が違うそうですよ」 「見てきて!」 「よく見てきます^^」 少女が父親の眠る長椅子へ駆け寄る。オルフェンはその様子を見届けてから立ち上がった。 診療所の外では、街がいつも通り動いていた。水車が回り、運河を小舟が進み、石橋の上を荷車が渡っていく。水売りの老人が配給所へ向かう樽を積み、仕立て屋の前では職人が布を広げ、通りの隅では子供達が木片を使って小さな船を作っていた。 通りの向こうから、水売りの老人が声を飛ばした。 「オルフェン! 今日も中央からの手紙か?」 「まだ一通だけです」 「なら燃やしてしまえ!」 「それは少し乱暴ですね^^;」 「お前は乱暴さが足りん!」 オルフェンが足を止める。 「そうでしょうか」 「そうだ。勇者なら、もっと怒れ!」 「怒るとお腹が空きますので」 「そこか!」 周囲から笑い声が起こった。オルフェンは老人へ軽く手を振り、そのまま街長の執務室へ向かった。 途中、水車の前で足を止める。昨日の揺れで木製の歯車が少しずれており、職人が工具を広げていた。 オルフェンが近付くと、職人は手を止めずに言った。 「触るなよ」 「今日は手を使えないので、見ているだけです^^;」 「エレナに言われたな」 「はい」 「なら座っていろ」 「見ているだけなら大丈夫です」 「それが一番信用できん」 オルフェンは水車の軸を眺め、歯車の噛み合わせを確認した。 「右側の木楔が少し浮いています」 「分かっている」 「失礼しました」 職人は木楔を見直すと、オルフェンを手招きした。 「いや、そこを押さえてくれ。手は使うなよ」 「それは手を使うのでは?」 「体で押さえろ」 オルフェンは言われた通り、水車の支柱へ肩を当てた。職人が木楔を打ち込み、歯車がゆっくりと噛み合っていく。 「回すぞ」 「はい」 水が流れ、水車が動き出した。軋んでいた音が整い、規則正しい回転音へ変わる。 職人が満足そうに頷いた。 「助かった」 「私は立っていただけです」 「立っているだけで役に立つ奴が、世の中に何人いると思う?」 「分かりません」 「だからお前は困るんだ」 職人は笑いながら、オルフェンの背中を軽く叩いた。 「中央へ行くんだろ。向こうで変なものを食わされるなよ」 「前回は飲み物が冷めていました」 「そこを気にするのか」 「大切なことです^^」 街長の執務室には、昨日の青い封書が置かれていた。封蝋には観測管理局中央の紋章が押されている。街長は封書を開き、内容を読み終えてからオルフェンへ差し出した。 「中央から、合同調査の申し入れだ。水質、医療記録、浄化設備、取水路の構造。中央の観測設備も使えるらしい」 「それは助かりますね」 「代表者会談も同時に行う。お前に来てほしいそうだ」 オルフェンは自分を指した。 「私ですか」 「水都の代表として、最も知られているからな」 「街長の方が、ずっと詳しいと思いますが」 「私は中央で褒められても、街の水車を直せん」 「私も直せませんよ^^;」 街長は苦笑してから、窓の外へ目を向けた。 「管理者は、まだ北部境界の任務から戻っていない。帰還を待ってから決めてもいい」 オルフェンは書面へ目を落とした。診療所の六人、増え続ける患者、水路の異常、そして中央の観測設備。必要なものが揃っているなら、まず話を聞く意味はある。 「先に話を聞いてきます」 街長が顔を上げる。 「行くのか?」 「はい。調査に必要なものがあるなら、確認しておきたいです」 「中央で長く引き止められるかもしれない」 「その時は、早く帰れるようにお願いしてみます^^」 「お願いで済む相手かどうかを聞いている」 「では、丁寧に交渉します」 「お前は、中央の貴族相手でもその調子なのか」 「相手に合わせて、少しだけ丁寧にします」 「今も十分丁寧だろう」 「では、かなり丁寧にします^^;」 街長は額へ手を当てた。 オルフェンは青い封書を手に取った。 「薬品、観測資料、浄化技術。街へ持ち帰れるものがあるなら、持ち帰ります」 「誰を連れて行く」 「副官と記録官を。医療関係の話が必要なら、エレナにも確認します」 「エレナは診療所を離れられん」 「では、必要なことを全部書いてもらいます」 街長は椅子へ座り直した。 「お前は、いつも簡単に引き受けるな」 「簡単ではありませんよ」 オルフェンは封書を見つめた。 「皆さんが安心して暮らせるようになるなら、行く意味はあります」 街長は、しばらく彼を見ていた。 「中央は、お前を歓迎するだろう」 「褒められるのは苦手です」 「表彰されるかもしれん」 「それはもっと苦手です^^;」 「銀杯を渡されたら?」 「口をつけないようにします」 「そこだけは覚えているのか」 「前回、飲み物が冷めていましたので」 街長は呆れたように首を振った。オルフェンは穏やかに笑い、青い封書を懐へしまった。 その日の午後、出発の準備が始まった。副官は必要な書類をまとめ、記録官は水路図を整理する。エレナは診療所で使う薬品の一覧を書き出し、中央へ確認する項目を一つずつ並べた。 エレナが書類を差し出す。 「中央の医師へ渡してください」 「分かりました」 「診療記録の写しです。患者数の推移、水の使用量、取水路ごとの異常。できるだけ正確な資料が必要です」 「はい。忘れないように、三回確認します」 「あなたは確認する前に出発しそうなので、今ここで確認してください」 「では、今確認します^^;」 オルフェンが書類を読み始めると、エレナは小さな布包みを荷物の上へ置いた。中には移動中の食事と、交換用の包帯、傷薬が入っている。 「食事を忘れそうなので、入れておきました」 「ありがとうございます^^」 「右手の傷が開いたら、すぐに使ってください。我慢して悪化させたら怒ります」 「もう十分怒られているような……^^;」 「今は心配しているだけです」 エレナは目を逸らし、確認事項を指で示した。 「それから、食事を抜かないこと。睡眠を取ること。一人で勝手に動かないこと」 オルフェンは少しだけ考えた。 「努力します」 エレナは記録板を下ろした。 「そこは、はいと言ってください」 「はい。気をつけます^^」 その後、オルフェンは配給所へ顔を出し、戻ってきた巡水隊の隊員達へ声を掛けた。 「もう歩けるんですか」 「隊長が寝ていろと言うんですが、暇でして」 隊員が答えると、オルフェンは水車の方を指した。 「それなら、退院祝いに水車の修理を手伝ってください^^」 「結局働かせるんですか!」 「軽い作業だけですよ^^;」 「勇者様の退院祝いが、ずいぶん実用的ですね」 「水車が回ると、皆さんが助かりますので」 「そういうところですよ!」 オルフェンは首を傾げた。 「何がですか?」 隊員達は顔を見合わせ、笑った。 夕刻、アルトリウスの街門が開いた。オルフェンは白い外套を羽織り、聖剣を腰へ帯びた。副官は書類袋を抱え、記録官は水路図を巻いて背負っている。 街門の前には、診療所の子供達、巡水隊の隊員、配給所の老人、水車職人、街長まで集まっていた。 一人の子供が大きな声で叫んだ。 「オルフェンさん、中央のお菓子!」 「街長にも同じことを言われました^^」 「じゃあ、いっぱい買ってきて!」 「食べきれないほど買うと、帰りの荷物が大変ですよ」 「勇者なら大丈夫!」 「勇者にも荷物の限界はあります^^;」 街長が門の脇から声を掛けた。 「オルフェン!」 「はい!」 「中央の菓子を買ってこい!」 「水都の菓子より美味しかったら考えます^^」 「絶対に買ってこい!」 「分かりました^^」 「返事だけはいいな!」 「昔から褒められています^^;」 診療所の窓が開き、エレナが顔を出した。 「布包み、途中で置き忘れないでください」 オルフェンは荷物の中を確認し、エレナへ振り返った。 「ちゃんと入っています^^」 「食事も傷薬も使ってくださいね」 「はい。ありがとうございます」 エレナはそれを聞いて、ようやく小さく笑った。 オルフェンは見送りの人々へ手を振り、街門の外へ歩き出した。副官と記録官が、その後ろへ続いていく。門の内側では子供達が声を上げ、水車職人が手を振り、巡水隊の隊員達が笑いながら見送っていた。 青い封書は、オルフェンの懐に収まっていた。

Rain Konno | 境界の外側

30,268 görüntüleme • 1 ay önce

チラシ配り終えました泣泣泣泣泣泣 何人もの人を見送って 「お、音楽フェスやります…!!!!!」 と 勇気を振り絞るも 避けられる 目を逸らされる 笑われる からかわれる ギターを持たないと こんなにも自分は無力なのかと 歌でなら振り向かせられるのに… と何度思ったか、、 20回くらい心折れるも それが当たり前 それが普通 チラシもらってくれる人が神 と切り替え 「シンガーソングライターのMANAMIです!!!!音楽フェスやります!!!」 と言い換えてみたら あれ!CMの!ラジオの! と気付いて下さった方がチラホラと😭 手持ちのチラシを 全部配り切ることが出来ました。。 配り中は泣くのを堪えるも 配り終えたら涙が出た。 むかし、ユーワンのチラシ配りのバイト してた時のこと思い出してエモくもなった。 初心に立ち帰ることができた 33歳最後の日。 17年やってても まだまだ知られてない、売れてもない いつかこの町の全員を振り向かせる うたうたいになろう、と誓った。 この三日間、チラシを受け取って下さった みなさま、ありがとうございました! どのくらいの人がまなフェスに 来てくれるかわからないけど 私と、私の仲間たちが 来てくれた人を全員ハッピーにするよ✨ #福島まなフェス2026 PR大作戦 ありがとうございました!!!!!!

MANAMI☕️🐄🚗🚃⚡️🌴🐳

19,310 görüntüleme • 3 ay önce