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お手紙を書くフレンダナビゲーターたち! 何かがはじまる予感・・・!? #ポケるんTV

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異世界アイドル☆パラレルパレード NEO AKIBA ARCHIVE LOG R-25 ―記録者― グンソは、否定もしなかった。 船室には、船を岸につなぐ係留鎖の音だけが残っている。 一度。 二度。 三度目の音が消えてからも、オルフェンは動かなかった。 机の上には、三枚の紙がある。 ソナの移送時期。 白い車の経路。 三音の警告音が鳴った場所。 そのうち一枚だけが、裏返ったままになっていた。 オルフェンは、紙へ手を伸ばした。 「管理者さんへ報告します」 「持っていくな」 グンソが言った。 迷いのない声だった。 「なぜですか」 「その紙を、船の外へ出すな」 「紙が危険なんですか」 「紙じゃない」 グンソは、裏返った紙を見た。 「書かれたものが、外へ出たがる」 オルフェンの指が止まった。 「分かりません」 「分からなくていい」 「分からないままでは、判断できません」 「判断するな」 グンソは、紙から目を逸らさなかった。 「選ぶな。書くな。名前を与えるな」 その瞬間、紙の上に文字が浮かんだ。 インクが染み出すように、ゆっくりと。 オルフェンは、管理者へ報告するために立ち上がった。 オルフェンは、まだ座っている。 グンソが息を呑んだ。 「……見たか」 「はい」 「まだ立っていない」 「はい」 紙の上で、文字が増えていく。 オルフェンは、紙を持った。 オルフェンは、扉へ向かった。 オルフェンは、名前を呼ばれた。 「読むな」 グンソが言った。 「もう読んでいます」 「読むな!」 グンソが紙を掴もうとする。 だが、指が触れる直前で止まった。 爪の先が、細かく震えている。 オルフェンは、紙を引き寄せた。 そこに、新しい文字が現れた。 《破る》 《燃やす》 《持ち出す》 まるで、選択肢のようだった。 オルフェンは、三つを見比べる。 「どれを選んでも、書かれた通りになるんでしょうか」 「選ぶな」 「では、何もできません」 「何もしない方がいい時もある」 オルフェンは、机の上から筆を取った。 「それは、昨日の管理者さんと同じですね」 グンソが顔を上げる。 「何が」 「分からないものを、分からないまま持って歩けと言われました」 「書くな」 「だから、選びません」 オルフェンは、三つの選択肢の下に筆を置いた。 《未確認》 筆を離した瞬間、船室の中で音がした。 ――サー……。 紙の上の《破る》が消えた。 《燃やす》が消えた。 《持ち出す》が消えた。 その下に、新しい文章が浮かぶ。 まだ、信じていない。 オルフェンは、紙を見つめた。 「誰が書いたんでしょう」 グンソは答えなかった。 「私ですか」 沈黙。 紙の端に、黒い染みが広がった。 書いた者ではない。 オルフェンの指先が止まる。 それ以上、文字は増えなかった。 グンソが、かすかに息を吐いた。 「もう訊くな」 「一つだけ、確認します」 「やめろ」 「記憶を掘り返す質問ではありません」 オルフェンは、白い車の経路を記した紙を見た。 「三音が鳴ったのは、車で移動している間ですか」 グンソの顔が強張った。 「……違う」 「車が止まった後ですか」 「分からない」 「どちらに近いですか」 グンソは目を閉じた。 白い壁。 二つの扉。 消毒薬の匂い。 長い鉄の音。 そして、三度の警告。 「車は、止まっていた」 「はい」 「扉が開いた」 「はい」 「ソナが、運ばれた」 グンソの呼吸が乱れる。 「その後だ」 オルフェンの筆が止まった。 「三音は、その後に鳴った」 「そうだ」 「施設へ着いた後」 「分からない」 「でも、車が止まった後です」 グンソは、こめかみを押さえた。 その時、紙の上に文字が浮かんだ。 三音は、移送の途中ではない。 オルフェンは、すぐには書き留めなかった。 「これは、事実ですか」 グンソは答えない。 文字の下に、さらに一行が浮かぶ。 まだ、未確認。 オルフェンは、ゆっくりと息を吐いた。 「訂正された」 「違う」 グンソが言った。 「訂正されたんじゃない」 「では?」 「選ばされたんだ」 船室の外で、誰かが歩いた。 一度。 二度。 オルフェンとグンソは、同時に扉を見た。 三度目の足音は、聞こえなかった。 けれど、扉の向こうから声がした。 「オルフェン」 管理者の声だった。 オルフェンは立ち上がる。 グンソが腕を掴んだ。 「その紙を持っていくな」 「管理者さんが呼んでいます」 「だからだ」 「なぜですか」 グンソは答えなかった。 オルフェンは、紙を折りたたんだ。 「これは、証拠ではありません」 「なら、なぜ持っていく」 「一人で持っていると、いつか信じてしまいそうなので」 グンソの手が、ゆっくり離れる。 オルフェンは、扉を開けた。 廊下には、管理者が立っていた。 いつからそこにいたのか、分からない。 管理者は、オルフェンの手元を見た。 「それを見せろ」 オルフェンは、紙を差し出した。 管理者は触れなかった。 ただ、文字だけを見た。 《未確認》 「三音は、移送中ではありませんでした」 オルフェンが言った。 「そう書かれているな」 「グンソさんの記憶と、紙の記録が一致しました」 「一致したから、正しいと思うのか」 「いいえ」 オルフェンは答えた。 「だから、確認したいんです」 管理者の視線が、紙からオルフェンへ移る。 「何を」 「三音が鳴った施設を」 「場所は分からない」 「はい」 「名前もない」 「はい」 「時期も曖昧だ」 「それでも、移送の途中ではない可能性が出ました」 管理者は、紙へ視線を戻した。 「可能性を、証拠にするな」 「分かっています」 「では、なぜ持ってきた」 「分からないものを、分からないまま見せるためです」 管理者は、しばらく黙っていた。 それから、古い記録庫の鍵を取り出した。 「三音が使われていた施設の記録を探す」 「調べていいんですか?」 「まだ、許可はしていない」 「では、これは」 「調査の入口だ」 管理者は、鍵をオルフェンへ渡した。 「ただし、紙には余計な名前を書くな」 「名前を書くと、どうなるんですか」 管理者は、船室の中にいるグンソへ視線を向けた。 「記録される」 それ以上は言わなかった。 オルフェンは鍵を握りしめた。 紙の裏面に、また一行、文字が浮かんでいる。 次に記録されるのは、誰か。 オルフェンは、それを管理者に見せなかった。 まだ、誰の名前も書かれていない。 だから、まだ戻れる。 そう思った。 その考えが、紙に記録されるまでは。

Rain Konno | 境界の外側

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