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2000年の今日は BUMP OF CHICKEN による2枚目のシングル「ダイヤモンド」のリリース日。藤原基央いわく、この楽曲は大きな声で歌いながらでないと作れなかったため、その際に隣人から「うるさいよ!」と部屋の壁を叩かれる苦情が来たという。カップリングには人気曲「ラフ・メイカー」が収録。

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明日で39歳になります。事故当時は32歳。月日が経ちました。 「妻と娘の命を無駄にしないために、誰かの命が守られるように活動を続けよう」と生きてきた。その一心で、走り続けてきた気がする。でも最近、ある葛藤に悩んていた。結局その根っこには、「誰かの役に立つことで、妻と娘の命を無駄にしていないと思いたい」という、自分が生きている実感を得たい気持ちがあったんじゃないかと。 妻と娘や、他者のためにやっているつもりで、実は自分のためなんじゃないか。そんな自分は卑しい人間なのではないかと。 最近は、そんな自分の心と正面から向き合い、悩んだ。活動に対するモチベーションをどこに向けていいのか分からなくなる瞬間もあった。 それでも今は、「自己中心的利他でいい。」そう思えるようになった。 活動をすることで、自分の心が少し楽になる。そして、その活動が結果的に誰かの役に立つのなら、それで十分じゃないかと。 心が楽になることで、妻と娘もきっと安心してくれる。2人とは会話は出来ないけど、生前のふたりならそう言ってくれそうな気がする。そんなふうに今は思っています。ふたりが笑顔で祝ってくれたあの日の動画を見ながら、そんなことを考えていました。↓↓続きがあります↓↓

池袋暴走事故遺族 松永拓也

9,437,685 views • 1 year ago

日本と海外で人気に差があるアーケードゲーム①:センチピード アタリの代表作の一つで、映画「ピクセル」でも大きく取り上げられたタイトルだ。 うーん、有名なゲームだけどセンチピードの他にも取り上げるべきゲームはあるんじゃ?と思った日本人の方も多いのではないか。正直私もそう思った(続く) しかしこのセンチピードは、1982年の北米において売上ランキングでミズ・パックマン、パックマン、ドンキーコングと共にトップ4(正確には3位タイ)に入る程の大ヒットタイトルであり、移植版やクローンゲームも数え切れないほど出ているバケモノゲームなのだ。だから映画でセンチピードが取り上げられたことに疑問を持つ米国人は恐らく少なかっただろうと思われる。 一方日本では、米国リリースの数年後に発売されたものの米国ほどの人気は得られなかった…というかゲーセンで殆ど見なかったような気がする(個人の感想です)。 このゲームの大ファンの方には申し訳ないのだが、私はこのゲームがちょっと合わない。完全に後追いでプレイしたせいだろうか。当時の筐体でトラックボールを使ってプレイすれば、また違う印象を持ったのかもしれないが…。 本作の人気に差があったのは、単に日本での出回り数が少なかったからなのか、欧米人と日本人の感性の違いからなのかは分からない。恐らく両方の理由だろうと思うが、個人的には後者の「国ごとの感性の違い」に興味がある。ギャラガやドンキーコングやパックマンのように双方の国で大ヒットしたゲームもあるのに、センチピードはなぜ日本ではヒットしなかったのか…。 ビデオゲームは比較人類学の研究対象にもなり得るのではないかと個人的には思っている。 ちなみにこの「日本と海外で人気に差があるアーケードゲーム」のポストは、第4回まで続ける予定です(※)。 #レトロゲーム ※アーケードゲーム限定です。また、当時に海外もしくは日本でしか発売されなかったゲームは除きます。

moai1234

44,862 views • 1 year ago

もうmyfansモデルはいらないかもしれない。 AIの発達で人間と変わらないような美女が生成できるようになった。 ダンスなどのノンバーバルの動画も人間と同じ動きを作れるようになった。 話し口調イントネーションも含め、今後3年以内で人間と見分けがつかないようなAIインフルエンサーが大量に出てくると思う。 そうしたときに、myfansやfantiaなどで活動してるモデルの存在意義である。 SNS用、ファンクラブ用の人物動画をAIで作れてしまったらモデルが不要になってしまう。 ファンクラブ側でAIの規制が強化されることが予想されるが、SNS上で競合が人間だけではなくAIモデルも含まれるため、埋もれやすく稼ぎにくくなってしまう可能性がある。 そうしたときにア◯ルトモデルとして生き残ってくにはどうしたらいいか? 結論、これから価値が上がるのは「美人」ではなく「人間」だと思う。 顔が可愛い。 スタイルがいい。 ダンスが上手い。 写真がエロい。 こういう「見た目だけの価値」はAIが一番最初に代替してくる。 むしろAIの方が24時間働けるし、老けないし、太らないし、撮影も必要ない。 じゃあ人間のモデルは何で勝つのか。 俺は「ストーリー」と「関係性」だと思う。 どんな人生を送ってきたのか。 何を考えているのか。 何に悩んでいるのか。 何を目指しているのか。 そして、ファン一人ひとりとのコミュニケーション。 AIがどれだけリアルになっても、 「この人を応援したい」という感情まで完全に代替するのは難しい。 だから今後は 「美女を作って売る」 から 「推したくなる人間をプロデュースする」 に変わっていく。 要するにファン化をより大切にするということです。 AI時代に一番危ないのは、 AIモデルではなく「AIでも代替できる人間」なのかもしれない。
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もうmyfansモデルはいらないかもしれない。 AIの発達で人間と変わらないような美女が生成できるようになった。 ダンスなどのノンバーバルの動画も人間と同じ動きを作れるようになった。 話し口調イントネーションも含め、今後3年以内で人間と見分けがつかないようなAIインフルエンサーが大量に出てくると思う。 そうしたときに、myfansやfantiaなどで活動してるモデルの存在意義である。 SNS用、ファンクラブ用の人物動画をAIで作れてしまったらモデルが不要になってしまう。 ファンクラブ側でAIの規制が強化されることが予想されるが、SNS上で競合が人間だけではなくAIモデルも含まれるため、埋もれやすく稼ぎにくくなってしまう可能性がある。 そうしたときにア◯ルトモデルとして生き残ってくにはどうしたらいいか? 結論、これから価値が上がるのは「美人」ではなく「人間」だと思う。 顔が可愛い。 スタイルがいい。 ダンスが上手い。 写真がエロい。 こういう「見た目だけの価値」はAIが一番最初に代替してくる。 むしろAIの方が24時間働けるし、老けないし、太らないし、撮影も必要ない。 じゃあ人間のモデルは何で勝つのか。 俺は「ストーリー」と「関係性」だと思う。 どんな人生を送ってきたのか。 何を考えているのか。 何に悩んでいるのか。 何を目指しているのか。 そして、ファン一人ひとりとのコミュニケーション。 AIがどれだけリアルになっても、 「この人を応援したい」という感情まで完全に代替するのは難しい。 だから今後は 「美女を作って売る」 から 「推したくなる人間をプロデュースする」 に変わっていく。 要するにファン化をより大切にするということです。 AI時代に一番危ないのは、 AIモデルではなく「AIでも代替できる人間」なのかもしれない。

サモエド@myfansプロデューサー

278,370 views • 15 days ago

AIアニメ・動画のアーティストのディレクトリ(超シンプルなLinkedInというか名簿)をオープンソースで作りたいんですが、興味ある人います? ちょっと大きめの案件とかコンテストとかで人を探そうと思うと「誰が何が得意なのか、どれくらいすごいのかさっぱりわからん」 ってなりません? このAIアニメ(というか動画)界隈。 僕「こういうの強い人知りませんか?」とか聞かれてもほんと観測範囲の薄い情報しかなくてこまるんですよね。。 誰が積極的に仕事受けてくれるかも意外とわからないし、今空いてるのかっていうのもわからないし。 何にどれだけ経験があるのか、実績はとか。 海外の案件だと言語できるかとかも関わるし。 こういうディレクトリ実装自体手伝ってもらえる方のめどはつきそうなので、どちらかというと実際にそういうの使いたい人たちでチャットとかつくって議論できたらなと 僕自身はこれで商売にしようとは思っておらず、業界自体の見える化がめっちゃ促進できたらなっていうのが本音です。で、僕は自分の苦手分野を補ってもらえるような人をいつでも見つけられるようにしたい。 興味ある人はXのチャットに招待するのでコメントいただければ!まずは「こういうのが見えるといいよね」みたいな緩い話ができたらなと思ってます

yachimat - AI Short Anime

17,047 views • 7 months ago

溝口勇児と出会ってから、僕の人生は変わった。最初はただ「厳しい人」「鋭い人」と思っていた。でも、近くにいればいるほど、彼の奥にある温度に気づく。あれほど強く見えるのに、誰よりも傷つきやすく、誰よりも人を信じてしまう。信じるからこそ裏切られるし、期待するからこそ苦しむ。それでも「自分の実力不足」だと受け入れ、人を信じることをやめないのが溝口勇児という男。 彼はよく「多くの人が自分のポテンシャルを開花させられずに人生を終える」と言う。そして「この世の地獄とは、自分が成し遂げられたはずのことを、ほかの誰かが成し遂げる様をまざまざと見せつけられること」と言う。 人が苦しんでいる時、逃げ出したい時、成長の痛みに耐えられない時、彼は決して目をそらさない。寄り添うでも、突き放すでもなく、その人の本質に届くまで向き合い続ける。目をそらした瞬間、その人の本当の未来は失われてしまうから。 だからこそ、耐えられない人は去っていく。 その度に、彼がどれほど静かに傷ついているか、どれほど自分を責めているかを、外側の世界は知らない。彼が背中を丸める姿を見たことがある人は、ごくわずかだろう。 誰よりも高い要求を仲間に課しているように見えるが、実際には、それ以上の要求を彼は自分自身に課している。手が震えても、顔が麻痺しても、「まだいける」と自分に言い聞かせて前を向く。その瞬間を間近で見るたびに、胸が痛くなる。普通の人ならとうに折れている場面ばかり。それでも彼は折れない。強いわけではなく、「逃げない」と決めているから。 彼の強さは鋼のように見えるけれど、実際には痛みを受け止めながら、心を擦り減らしながら、前に進む生身の人間の強さ。その強さを知っているから僕も踏ん張る。苦しい時に、折れそうになるたびに、溝口の背中を思い出す。 「長い人生にはなあ、どんなに避けようとしてもどうしても通らなければならぬ道てものがあるんだな。そんなときはその道を黙って歩くことだな。愚痴や弱音を吐かないでな、黙って歩くんだよ、ただ黙って。涙なんか見せちゃダメだぜ!そしてなあ、その時なんだよ、人間としてのいのちの根がふかくなるのは」という相田みつをさんの言葉が溝口の自宅のトイレに書いてあった。 何も変化が見えなくても、周りに笑われても、誰にも理解されなくても、努力が報われなくても、根を深く深く伸びす。ある日、その根は大きな幹を支える力になる。それが昨日の誕生日会で証明されたんじゃないかな。 仲間に求めるレベルの高さは、ただの厳しさじゃない。恐れからくる強制でも、優越感に基づく支配でもない。「あなたはもっといける」という揺るぎない信念。そんな信念があるから、人とあれほど深く向き合える。 彼は最後まで人を信じる。裏切られても、傷つけられても、それでも信じようとする。それは愚かさではなく覚悟。愛とは諦めないことだと教えてくれる。 溝口が怒るのは一貫して、不誠実な行動や無責任な行動をとった時だけ。そこには「誠実に生きろ。お前はもっとできるはずだ」という願いがある。怒りの裏にある温かさに気づける人は少ない。でも、近くにいるとあの怒りこそが愛だとわかる。 仲間の未来を、会社や日本のこれからを、そして自分自身の限界とどう向き合うか。誰にも言わない戦いを、ずっと続けている。その孤独を正面から受け止めている。 強そうに見える人は多い。でも、本当に強い人は、誰にも見えない場所で弱さと向き合える人だ。その姿を知っているから、僕は彼の背中を預かると決めた。預かったら振り向かせないと決めた。 ミゾさん、誕生日おめでとうございます。あなたの人生の物語の一部を、これからも共に歩ませてください。あなたが人を信じてきたように、僕もまた、あなたという人間を信じ抜きます。 松浦さん、亀山さん、ヒカルさんなど各業界の御歴々のみなさまをはじめ、数百人の方々の貴重なお時間をいただけたことに心から感謝を申し上げます。これからも溝口勇児をよろしくお願いいたします。

西川将史WEIN / BACKSTAGE COO

384,745 views • 10 months ago

久しぶりに京大のキャンパスを歩き回った感想。むかしカオス度70%、いま7%。むかしの教養部の図書館(今の吉田南総合図書館)は誰でも入れるゆるい雰囲気で、近所の高校生のカップルが放課後よくイチャイチャしていたが、そんなの今では考えられない。休みの間もいつもダラダラ開いていた中央食堂も今は休み中は閉店。ダラダラするとこないやん笑。 むかしは門も建物も教室も365日24時間開いていて、よく教室に夜中に集まったり泊まったりしたものだが、いつの間にかすべてカギがかけられるようになった。 またキャンバス内にはホームレスやわけがわからない人たちが暮らしていたが、今はおそらくそんな人たちは締め出されるのだろう(もっとも居心地が悪くて来たいとも思わないかもしれないが)。 京大に限らず東大も含めていろんな大学に僕たちは夜中に忍び込んだりしていたものだが、むかしの大学には誰でも受け入れる包容力のようなものがあった(現状は知らないが、海外ではコロンビア大学もウィーン大学もそうだった)。京大では籍もないのに普通に授業を受けているやつがいたし、僕たちは基本的にどの学部の授業でも「興味があります」と言ったら教授たちから歓迎された。 「貧すれば鈍する」の部分もあるだろうが、タテカン禁止や吉田寮解体に見られるように反動的な力が働いていることも否めない。 機能性と効率性から言えば、キャリアの一環として勉強する場所としては今の方がすぐれているのかもしれないが、大学を専門学校のようにしてムダをなくしたことで失ったものも大きいと考えるのは僕だけではないはず。みなさん、どう思いますか?

春の岬少年☆どーどーちゃん❤️☆妹尾真則

131,505 views • 25 days ago

異世界アイドル☆パラレルパレード NEO AKIBA ARCHIVE LOG R-20 ―船底― 船底に、時間の感覚はなかった。 昼も夜も、光では分からない。ただ機関の唸りが、腹の底に響く低い痛みとして続いているだけだった。 空気は湿り、鉄と油と、微かな死臭に似た匂いが混じっていた。誰かが以前ここで死んだのか、それとも運ばれてきた荷が腐っていたのか、確かめる気にはなれなかった。 グンソは膝を抱え、目を閉じていた。 眠っているわけではない。 眠れば、あの音を忘れてしまう気がした。 一度目。 二度目。 そして、間延びした三度目。 耳の奥で、その音は今も鳴っている。骨に響くような、鈍い衝撃音。あれが何だったのか、グンソは考えないようにしていた。考えれば、想像してしまう。 想像すれば、たぶん壊れる。 その数を、指の関節で数えていた。爪が掌に食い込んでいることに、しばらく気づかなかった。 「……何を数えてる」 ヘジュの声だった。掠れて、疲れきっている。 グンソは答えなかった。 「音か」 ヘジュは、それ以上聞かなかった。聞いても、答えが誰の救いにもならないことを知っていた。 暗闇の中で、五人はそれぞれの姿勢を保っていた。ソンミンは扉に背をつけ、刃物の柄に手をかけたまま動かない。ドンチョルは膝に顔を伏せ、時折、喉の奥で押し殺した音を漏らした。泣いているのか、それとも吐き気を堪えているのか、誰も確かめなかった。テジュンは記録片を握ったまま、指の皮が擦り切れるほど強く握り続けていた。 誰も、故郷の話をしなかった。 話せば、戻りたくなる。 戻れば、今度は自分の番になる。 だから、誰も口を開かなかった。沈黙は五人を守る最後の壁だった。 「……テジュン」 長い沈黙の後、ドンチョルが言った。声に張りがなかった。 「その紙、まだ持ってるのか」 テジュンは答える代わりに、握った拳を少しだけ開いた。 焼け焦げた記録片。端は炭化し、触れるだけで崩れそうだった。かろうじて読めるのは、消えかけた「ソナ」という二文字だけ。それ以外の文字は、熱で歪んで判読できない。 「捨てろとは言わない」 ドンチョルが目を伏せた。 「ただ、それを見るたび、俺たちがまだ何かを背負ってるんだと分かる」 「重いか」 「軽い方が、おかしいだろう」 「軽くなったら、それこそ終わりだ」 テジュンが低く言った。 「忘れた瞬間、俺たちはあいつらと同じになる」 誰も、その言葉を否定しなかった。 船体が、大きく傾いた。 外洋に出たのだと、誰かが呟いた。壁を伝う振動が変わり、機関の音が一段低く沈んだ。それからどれほどの間、その振動が続いたのか、誰も正確には言えない。世界は、故郷の外へ出た者が思うより、はるかに大きかった。 グンソは膝の間に顔を埋めた。 無窮花の押し花は、外套の裏地に縫い付けてある。潰さないように。失わないように。指先で、その硬い感触を確かめる。花弁はとうに乾き、触れるたびに崩れそうな脆さを保っていた。それでも、まだそこにある。 「兄さん、これ、押し花にしたの」 「帰る場所を、忘れないように」 あの時のソナの声を、グンソはまだ覚えている。震えていて、それでも笑おうとしていた声。 だが今、故郷はもう帰る場所ではない。 帰れば、殺される。あるいは、殺されるより先に、存在ごと消される。 名簿には、五人分の特徴だけが載っていた。 顔写真もなく、名前もなく。ただ身長、瘦せ型、逃走経路の推定、目撃時の服装。 存在しなかったことにされた人間が、存在しなかったことにされた船で、地図にすら残らない街へ向かっている。 生きているのに、記録から消されている。 それは、死ぬことよりも静かで、死ぬことよりも長く続く消え方だった。 「……テジュン」 グンソが、初めて自分から口を開いた。声が掠れていた。 「アルトリウスって、本当にあるのか」 「積荷票にはあった」 「地図にはない」 「地図が古いだけかもしれない」 テジュンの声には、確信がなかった。それでも、その言葉にすがるしかなかった。縋る場所がなければ、この暗闇の中で、五人は自分たちが本当に存在しているのかすら疑い始めていた。 どれだけ進んだのか、誰にも分からなかった。 食料は幾度も尽きかけ、そのたびに甲板の誰かがどこかで調達してきた。水も、燃料も、同じだった。積荷票に記された行き先はひとつなのに、船は幾つもの港に立ち寄り、また離れた。地図にない土地、灯継ぎの噂だけが残る土地、名前すら伝わっていない土地。世界は、グンソが思っていたよりも遥かに広かった。故郷から一歩も出たことのなかった頃には、想像もできない広さだった。 船底の暗闇は、時間の感覚を等しく腐らせていく。日数を数えることを、いつからか誰もしなくなった。数えても意味がないほど、長かった。 ただ、機関の音だけが、暗闇の中でずっと鳴り続けていた。何日も、何十日も。 一度、遠くで何かが軋む音がした。ソンミンが刃物の柄を握り直し、全員が息を止めた。 それは船体の継ぎ目が軋んだだけだった。誰も、それを声に出して確かめようとはしなかった。 そんな夜が、何度も繰り返された後―― 甲板の上から、誰かの声が響いた。くぐもって、遠く、それでも確かに聞こえた。 「見えたぞ」 その一言に、五人は同時に顔を上げた。 「灯りだ……街の灯りが、見える」 グンソは、狭い隙間に顔を押し付けた。錆びた金属の縁が頬を切ったが、痛みは感じなかった。 黒く濁った空の下、遠くに、青紫の光が滲んでいた。 一つではない。 無数の灯りが、まるで水面に映る星のように、連なって光っていた。 それは、故郷にあったどの灯りとも違っていた。 故郷の灯りは、暖かく、生活の匂いがした。この灯りは違う。冷たく、静かで、まるで誰かが息を潜めて灯し続けているような、そんな光だった。 ネオンでも、松明でもない。 祈りに似た、灯りだった。 「あれが……」 ドンチョルが息を呑んだ。目の縁が赤く濡れていた。 テジュンが、震える声で言った。 「あれが、アルトリウスか」 誰も答えられなかった。 だが、その光を見た瞬間、グンソの中で何かが冷たく凝固した。 存在を消された自分たちが、それでも進んだ先に、灯りがあった。 名前を失っても、灯りは消えていない。 それが希望なのか、それとも次に消される場所なのか、グンソには判断できなかった。この世界では、優しく見えるものほど、後で牙を剥くことを、もう嫌というほど知っていた。 グンソは、狭い隙間の水たまりに映った自分の顔を見た。 何ヶ月も梳かれていない黒髪が、潮を吸って束になり、頬に張り付いている。無精髭が伸び、頬はこけ、目の下には濃い影が沈んでいた。故郷を出た時の自分とは、もう別人のようだった。 それでも―― グンソは、外套の内側の押し花にそっと触れた。乾いた花弁が、指先でわずかに崩れる感触があった。 「……着いたら」 グンソが呟いた。声に、初めて何かが戻っていた。怒りに似た、何か。 「ここで、また名前を取り戻す」 ソンミンが、初めて小さく笑った。乾いた、痛みを堪えるような笑い方だった。 「取り戻すためにここまで来たんだろう」 「ムジンの分も」 ドンチョルが呟いた。 誰も、それに答えなかった。答える必要はなかった。 船は、青紫の灯りへ向かって進み続けた。 暗い海の向こうに、まだ誰も知らない街が――五人がまだ知らない何かを内側に隠した街が――静かに待っていた。 機関の音が、一段と深く鳴った。 まるで、船そのものが、これから起きることを知っていて、それでも進むしかないと諦めたかのように。

Rain Konno | 境界の外側

42,776 views • 1 month ago

異世界アイドル☆パラレルパレード NEO AKIBA ARCHIVE LOG R-24 ―再構成― 時間が進んでも、船室の中は暗かった。 天蓋の向こうに朝はない。青紫の光が舷窓の外でゆっくりと明滅している。 船を岸につなぐ係留鎖が軋む。一度。二度。少し間を置いて、また一度。 まるで、船そのものが呼吸をしているようだった。 オルフェンは、机の上に三枚の紙を並べた。 「やりましょう」 「……朝から元気だな」 簡易ベッドに座ったグンソが、片眉を上げる。 「元気なわけではありません。腹を括っただけです」 オルフェンは紙を指で叩いた。 「ソナさんの移送時期。白い車の経路。三音が鳴った場所。この三つが揃わない限り、管理者さんは北方への相談に乗ってくれません」 「昨日も聞いた」 「昨日は聞いただけです。今日は取りに行きます」 オルフェンは、一枚目の紙を引き寄せた。 「まずは、時期から」 「なぜだ」 「一番、記憶が壊れていなさそうだからです」 グンソは鼻を鳴らした。 「壊れていない記憶なんて、あるのか」 「あります。壊れ方が浅いものが」 オルフェンは紙の中央に線を引いた。左に「連行される前」、右に「連行された後」。 「正確な日付はいりません。季節だけでも」 「雪はなかった」 「寒くは?」 「なかった」 「雨は」 「降っていない」 「昼か、夜か」 グンソの指が、膝の上でぴくりと動いた。 「夜だ」 「周りは明るかった?」 「白かった」 「車が?」 「違う」 グンソは目を閉じた。 「壁だ。壁が、白かった」 オルフェンの筆が止まる。 「建物の壁ですか」 「分からない」 「大きさは」 「大きかった」 「扉は」 「二つ」 「白い扉と、黒い扉――」 グンソが、勢いよく顔を上げた。 「なぜ知っている」 「昨夜、そう聞きました」 「……そうだったか」 「ソナさんは、その扉から出てきていない」 オルフェンは、確認するように続けた。 「車の後ろから、でしたね」 グンソの表情が、初めてはっきりと歪んだ。 「なぜ、そこまで覚えている」 「覚えているのは、あなたです。私は書いているだけです」 オルフェンは紙の上で、白い壁の位置を少しだけずらして書き直した。 白い車。白い壁。黒い扉。 「周囲に人は?」 「二人」 「護送員?」 「顔は覚えていない」 「声は」 グンソが、答えを止めた。 沈黙が長い。 ――サー……。 紙の上に、微かな音が乗った。 いや、乗ったように聞こえた。 空耳だと思った。 けれど、もう一度。 ――サー……。 今度は、はっきりと聞こえた。 音源は、通信機ではない。 紙そのものから聞こえている。 「……今、何か」 「気のせいだ」 グンソの声が、わずかに硬い。 オルフェンは紙を持ち上げ、裏返した。何もない。ただの紙だ。 そっと、机に戻す。 「続けましょう」 「……ああ」 グンソは、通信機のある壁際を、一度だけ見た。 そして、目を逸らした。 「声は」 「聞いていない」 「聞こえなかった、ではなく?」 「聞いていない」 グンソは、明確に言い直した。 「聞かないようにしていた」 「なぜですか」 「聞けば、覚えてしまう」 「覚えることの、何がいけないんですか」 グンソは答えなかった。 代わりに、彼の視線が、また通信機へ向いた。 オルフェンもつられて見る。 電源ランプは、消えている。 けれど―― ――ザザ、ザザ、ザ――。 砂粒を撒いたような音が、壁の向こうから滲み出てきた。 オルフェンの背筋を、冷たいものが這い上がる。 これは、遠くから届く音ではない。 すぐそこ、壁一枚の向こうで、誰かがざらざらとした布を擦り合わせているような、そういう近さの音だった。 「グンソさん」 「動くな」 グンソが低く言った。 「音がしても、動くな。見るな。数えるな」 「数える?」 言った瞬間、オルフェンは、自分がすでに数えていることに気づいた。 一つ。 二つ。 ――ノイズが止まった。 三つ目を数える前に。 船室が、耳が痛くなるほどの静寂に包まれた。 係留鎖の音すら、聞こえない。 オルフェンは、自分の心臓の音だけを聞いていた。 やけに大きく、やけに速い。 「……止まりましたね」 「止まったんじゃない」 グンソの声は、囁きより小さかった。 「待ってるんだ」 「何を」 「三つ目を、誰が数えるか」 その言葉が終わるより早く、通信機のランプが、真っ赤に灯った。 電源など、入っていないのに。 「――!」 オルフェンが振り向くのと、グンソが飛びついて通信機を掴むのは、ほぼ同時だった。 「止まれ! 消えろ!」 グンソが叫ぶ。素手で殴りつけるように機体を叩く。 火花も、電流も、何も走らない。 それでも、ランプは消えない。 ノイズが、悲鳴のように膨れ上がった。 ――ザザザザザザザ――。 その中に、声が混ざる。 複数。 いや、一つの声が、何重にも折り重なって聞こえているだけかもしれない。 ……しろ。 ……戻すな。 ……記録者。 ……見つけた。 最後の一言だけ、はっきりと、船室の空気を震わせて響いた。 オルフェンの手足から、力が抜けかけた。 恐怖ではない。 もっと生理的な、“見られている”という感覚だった。 「グンソさん、これは――」 「知らない!」 グンソが怒鳴った。振り返った顔は、汗と、それだけではない何かで濡れていた。 「知らないと言っている。知らない、知らない――」 繰り返すたびに、声が小さくなっていく。 まるで、自分に言い聞かせて、記憶に蓋をしようとしているようだった。 甲板の上を、何かが駆け抜ける音がした。 一度。 二度。 ――そして、三度目。 その足音が、船室の扉の真ん前で、ぴたりと止まった。 オルフェンとグンソは、同時に扉を見た。 ノブが、ゆっくりと回る。 誰もいないはずの、廊下から。 「……開けるな」 グンソが、震える声で言った。 オルフェンは、答えられなかった。 ノブは、回り切ったところで――止まった。 扉は、開かなかった。 通信機のランプが、ふっと消える。 ノイズも、声も、一瞬で消えた。 まるで、最初から何もなかったかのように。 船室に、係留鎖の音が戻ってくる。 一度。 二度。 三度。 三つ目を数えたのが自分だと気づいたのは、音が消えてからだった。 グンソは、その場に崩れるように座り込んだ。 肩で息をしている。 「……グンソさん」 「悪い」 「なぜ、謝るんですか」 「巻き込んだ」 グンソは、床を見たまま言った。 「お前を、あっち側に近づけた」 「あっち側とは」 グンソは床を見たまま、震える指で、自分のこめかみを叩いた。 「ここに、何かが埋まってる」 「記憶、ではなく?」 「記憶なら、俺のものだ」 グンソは、初めて、まっすぐにオルフェンを見た。 「これは、俺のものじゃない」 その時だった。 机の上、三枚の紙のうち一枚だけが、風もないのに、ひとりでにめくれ上がった。 三音の警告音が鳴った場所を記す紙だった。 裏面に、見覚えのない筆跡で、一行だけ。 聞いた者を、記録者とする。 インクは、まだ乾いていないように見えた。 指で触れれば、滲むのではないかと思うほどに。 オルフェンは、触れなかった。 「……いつ、書かれたんでしょう」 返事はなかった。 オルフェンも、それ以上は訊けなかった。 紙にも、何も書けなかった。 船室の外で、係留鎖が鳴る。 今度は、数えなかった。 やがて、オルフェンが口を開いた。 「一つだけ、分かったことがあります」 「……何だ」 「今日の調査対象は、時期でも、車でも、音でもありませんでした」 オルフェンは、裏返った紙をそっと重ねた。 「あなたです、グンソさん」 グンソは、何も言わなかった。 否定も、しなかった。

Rain Konno | 境界の外側

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